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鳥浜酒造

代表銘柄:鳥浜

福井県

FUKUI

1920年創業

鳥浜酒造の建物
鳥浜酒造の建物(2015年撮影)「鳥浜酒造 Torihama Sake Brewery - Nov 1, 2015.jpg」 — 写真:Sun Taro / CC BY-SA 2.0縮小・WebP変換

鳥浜酒造は、福井県三方上中郡若狭町にて大正9年(1920年)に創業した酒蔵です。米の需要開発や地元の酒づくりを目的に、初代・小堀彦五郎を中心に50名以上の株主の協力により設立されました。

三方五湖周辺で親しまれてきたコイやフナなどの濃い味付けの川魚料理に合わせ、福井県内では珍しい甘口で濃醇なお酒を主に手掛けています。代表銘柄には地元の加茂神社にちなんだ「加茂栄」や、福井県産の酒米「五百万石」等を使用した「鳥浜」などがあります。

店舗兼醸造所や高さ13メートルのレンガ造り煙突などの施設群は、平成23年(2011年)に国の登録有形文化財に登録されています。なお、2026年6月から社屋・仕込み蔵の修繕のため、製造・出荷を含めて営業を休止しており、再開の時期は未定です。

鳥浜酒造の歩み

鳥浜酒造は、大正9年(1920年)に福井県の若狭、三方五湖のほとりの鳥浜で生まれた酒蔵です。当時の暮らしは漁業と農業に頼りきっていました。そこで米の需要を開発し、地元のお酒をつくることを目的に、初代の小堀彦五郎を中心として、50名以上の株主が力を合わせて設立しました。現在は鳥浜酒造株式会社として、若狭町鳥浜に蔵を構えています。

看板銘柄の「加茂栄」は、創業者の小堀彦五郎が命名しました。鳥浜には集落を見守る鎮守として加茂神社があり、神様が栄え、集落が栄え、そして商いも栄えるようにと祈願して、この名が付けられました。加茂栄は創業以来造り続けてきた、蔵の伝統の酒です。

この蔵が甘口にこだわるのは、土地の食文化と結びついているからです。三方湖でとれるコイやフナ、モロコを食べる習慣があり、海の魚に比べて生臭さがあるため、砂糖醤油を多く使って濃い味付けにします。その料理に合う酒として、甘くてコクのある酒が求められました。夏でも燗でお飲みになる方が多いため、燗に向く酒質に仕上げてあります。福井県には辛口の蔵が多いなか、蔵では、いま福井県で甘口の酒を造る蔵元は自社だけだと位置づけています。

酒蔵の建物も大切にされてきました。平成23年(2011年)10月28日に、店舗兼醸造所と、入口のすぐ横に立つ高さ13メートルのレンガ造りの煙突が、国の登録有形文化財になっています。福井大学の高嶋猛講師が足掛け3年にわたって調査し、県内では数少なくなった近代の清酒醸造工場の建築群で、工場から住宅までを含む建築当初の状況を比較的よくとどめていると評価しました。

平成24年1月29日には記念式典が開かれ、式典では高嶋講師が、登録に至った最大の理由は、建物の形そのものより、若狭町の地元住民の心に根付いた蔵元であったことだと述べました。

現在の代表取締役は小堀安彦さんで、蔵元が自ら酒造りも担っています。1963年生まれで、酒を造る家に生まれながら、東京のプラスチック成形会社に就職しました。先代が急逝したため会社を継ぎ、機械系の専門だったことから、酒造りを一から学び始めました。2026年には社屋と仕込み蔵の老朽化に伴う大規模な修繕工事に入りました。5月31日で店舗営業と蔵見学、ネット販売を休止し、6月1日からは当面の間、製造と出荷も止めています。再開の時期は決まっておらず、蔵は若狭の地で酒造りを続けるための再出発と位置づけています。

酒造りの特徴

蔵のコンセプトは「飲むともっと幸せになる」酒を造ることで、目指す味は「キレのある甘口」です。甘くて飲みやすく、飲むと心地よく穏やかになり、明日もがんばろうと元気になる、そんな酒を理想としています。この味にたどり着くまでには試行錯誤がありました。加茂栄では、キレを良くするために酵母と麹菌を一から選び直しています。辛口になったと言われる年もありましたが、あきらめずに続けてきました。

蔵元は元は機械系の技術者で、酒造りにも機械工学を土台にした物理的な見方を加えてきました。「弊社のお酒の特徴は変えず、悪い点をそいでいく」という考えで、毎年製造方法に変更を加えながら、いまの「切れのある甘さ」にたどり着きました。

「加茂栄」は日本酒度がマイナス8のかなりの甘口ですが、麹と酵母の工夫でキレがあり、後味がいつまでも残りません。濃い味付けの料理や、中華のように油の多い料理に合い、本来は燗酒向けでありながら、冷やしても味わいが変わりません。冷酒の300ミリリットルはアルコール度数14.5度で、この冷酒の加茂栄は、酒米ではなく70%精米の食米を使い、アルコールを添加した昔ながらの普通酒です。創業から造り続けてきた加茂栄の原酒を、搾りたてのまま生詰めして冷蔵で保存した「絞りたて生原酒」も出しています。

蔵人しか味わえなかった搾りたての味を、冷蔵技術の発展で広く届けるという趣旨のものです。

「若狭自慢」は、酒米ではなく福井県の食米を60%まで磨き、吟醸酵母を使って仕込む純米酒です。酒米が確立される以前は、ふつうに食べている米で酒を造っていたという考えから生まれました。大吟醸の半分まで磨くことはできなくても、60%精米なら吟醸のような酒になるという発想で、吟醸酒の仕込みを取り入れて管理しています。冷酒の300ミリリットルは度数14度、日本酒度プラスマイナス0です。

一方、「鳥浜」は福井県で育てた酒米のみを使い、吟醸仕込みの技術でフルーティーな香りと、よりキレのある仕上がりを目指す銘柄で、五百万石の純米酒と純米吟醸酒(純米酒は甘口の蔵のなかで唯一意識して辛口に寄せた酒です)、さかほまれの純米大吟醸酒、アルコールを添加した大吟醸酒が並びます。

代表銘柄

鳥浜

加茂栄の甘口のイメージを残しつつ、福井県の酒米を吟醸酵母と吟醸仕込みの技術で仕込み、女性や若い方にも飲みやすく仕上げた銘柄です。五百万石を60%まで磨いた純米酒は、甘口の蔵のなかで唯一意識して辛口に寄せた酒です。純米吟醸酒は五百万石を50%まで磨き、日本酒度は±0前後で、穏やかな吟醸香と丸い甘みがあります。純米大吟醸酒はさかほまれを40%まで磨いた、創業100周年記念の最高品質の酒です。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵に店舗を併設していますが、2026年6月1日から当面の間、営業を休止しています。
補足
蔵見学は事前予約制で、酒造りの映像の鑑賞、仕込み蔵の見学、試飲ができました。JR小浜線の三方駅から徒歩約15分です。現在は修繕工事のため蔵見学の受付を休止しており、再開の時期は未定です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福井県三方上中郡若狭町鳥浜59-30
創業
1920年
公式サイト
www.torihama.jp

出典

japansake.or.jp / torihama.jp / sakedata.jp / fukuisake.jp / sakenomy.jp / wakasabay.jp / maff.go.jp / kitakinki.gr.jp / town.fukui-wakasa.lg.jp

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。