三宅酒造
代表銘柄:菊日本
兵庫県
HYOGO
1819年創業
兵庫県加西市中野町に蔵を構える三宅酒造は、文政2年(1819年)に創業した酒蔵です。代表銘柄の「菊日本」は、4代目当主が菊作りの名人であったことに由来して命名されました。
蔵が位置する北播磨の九会地区は、酒米「山田錦」の代表的な産地として知られます。三宅酒造では、蔵のすぐ近くを流れる万願寺川水系の伏流水と、同じ水系で育まれた地元産の山田錦などを原料に使用し、この土地ならではの酒造りを行っています。かつては但馬杜氏が低温長期醗酵で、地元の食文化に寄り添う米の旨味豊かなお酒を醸してきました。
2023年時点では、7代目女性杜氏の就任にともない、袋搾りをはじめとする丁寧な手仕込みの少量生産体制へと刷新し、九会の風土を表現した新銘柄「Q/A(クエ)」を展開するなど、地域に根差したテロワールを意識した酒造りに取り組んでいました。
三宅酒造の歩み
三宅酒造は、兵庫県加西市中野町に蔵を構える酒蔵です。創業は1819年(文政2年)で、初代の才次郎が19歳で分家した際に酒造業を始めたと伝わっています。蔵のある北播磨は酒米の王様と呼ばれる山田錦の産地で、2020年ごろには醸造を続ける蔵が5社あり、三宅酒造はそのひとつでした。
看板銘柄の「菊日本」は、4代目当主が菊作りの名人でもあったことから、4代目自身が命名した酒名です。大吟醸の「菊の日本」のほか、純米酒や本醸造酒、「播州菊」「丹波屋」「播農」などの銘柄も展開してきました。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限ると、商標「菊の日本」で4回入賞しており、うち金賞は平成22酒造年度、平成23酒造年度、平成27酒造年度の3回です。残る1回は平成17酒造年度の入賞です。全国燗酒コンテストでは、2016年のお値打ちぬる燗部門で「丹波屋 杜氏の燗酒 純米酒」が最高金賞に選ばれ、2020年の同部門でも「丹波屋 本醸造」が金賞を受賞しています。
7代目の三宅文佳さんは、2018年から2年間、夫の仕事の都合でドイツに暮らしました。現地の知人に「酒蔵の娘」と自己紹介すると「日本酒はおいしくない」などと言われ、悔しい思いをしました。店頭に並ぶ日本酒も温度管理などが不十分で、大半が品質の落ちたものでした。一方で、家業の酒蔵の話には皆が関心を示しました。ヨーロッパではワインを育む土地へのこだわりが大切にされており、その文化と通じる実家の姿勢に現地の知人たちも関心を寄せたのです。家業の価値をあらためて見つめ直し、土地へのこだわりを突き詰めたいと決意します。
帰国した2020年4月の3か月後、6代目の父・新一郎さんから蔵元を引き継ぎました。山陽盃酒造で造りを学んだ文佳さんは杜氏も務めており、2023年1月時点でも7代目蔵元として地域の取り組みに関わっていました。
2021年には新ブランド「つちをきく」を立ち上げ、その第1号として純米吟醸「QA(クエ)」を発売しました。名前は、蔵のある加西市九会(くえ)地区の名にクエスチョンとアンサーを掛けたもので、土壌や気候への問いかけと、それが返してくれる答えを表しています。地域との取り組みも続けており、2020年には播磨農業高校の生徒が育てた山田錦だけを使った純米吟醸「播農」を初めて完成させました。
2021年には加西署の要請で加西飲酒運転根絶大使に委嘱され、限定100本の「飲んだら乗るな」を発売し、2023年1月までに「乗るなら飲むな」も加わって2種類がそろいました。
酒造りの特徴
蔵のすぐ近くを万願寺川が流れ、その川を挟んだ向こう側には、酒米の山田錦の田んぼが広がっています。三宅酒造は、この万願寺川水系の伏流水を井戸水として汲み上げて仕込みに使い、同じ水系の水で育った地元の山田錦を主な原料にしています。稲を育てる段階から酒になるまで同じ水を使っているため、この土地でしか出せない味わいを生み出しています。「QA」は、九会産の山田錦を100%使っています。
かつて蔵では、但馬杜氏が但馬流の低温長期醗酵で酒を醸してきました。7代目の文佳さんが杜氏に就任してからは、もともと大量生産だった造りを極少量生産へとあらためました。蔵の汚れが酒質に現れると考え、蔵の仕事の半分以上は器具の消毒などの掃除が占めています。
搾りでは、できるだけ手仕込みにこだわり、袋吊りを採り入れています。袋吊りは、もろみを詰めた袋を吊るし、圧力をかけずに自重で滴り落ちる酒を集める方法で、一般にはコンテスト用の出品酒に限られる手間のかかる製法ですが、同蔵では定番の銘柄でも袋搾りを行っています。「QA」シリーズでは、搾りの段階ごとの味わいを楽しめます。搾り始めの約10分だけ取れる白く濁った「あらばしり」は、瓶の中で発酵が進むため発泡感があり、袋の目が詰まって自然にろ過される「なか汲み」は穏やかでクリアな味わいです。
手回しの器具でじっくり圧力をかけた「せめ」は、根菜をかじったようなほろ苦さとほろ甘さがあり、最も複雑味のある酒になります。
酒質の方向としては、米の味わいを酸味でキリッと引き締めた酒を目指しています。「QA」の純米吟醸は精米歩合60%で、2021年12月には18度の原酒と15度の2種類が販売されていました。大吟醸「菊の日本」は山田錦100%で、2021年時点の720ミリリットル瓶は精米歩合50%、甘口でフルーティーな飲み口です。また、酒米づくりでは地元の高校生と一緒に酒米を育て、土地に農薬が残らないよう有機栽培を学ぶ教育にも取り組んでいます。
代表銘柄
菊日本
酒名は、4代目当主が菊作りの名人でもあったことにちなみ、4代目自身が命名したものです。大吟醸の「菊の日本」を筆頭に、純米酒や本醸造酒まで幅広くそろえてきた蔵の看板銘柄です。大吟醸は山田錦100%で、精米歩合50%の720ミリリットル瓶は甘口でフルーティーな飲み口です。全国新酒鑑評会には商標「菊の日本」で出品し、平成22・23・27酒造年度に金賞を受けています。
見学・購入
- 直売所
- 2026年6月時点では、蔵の直売所は平日の9時から12時と13時から15時までの営業で、土曜・日曜・祝日は休業でした。その後は公式サイトを閲覧できなくなっているため、訪問前に電話(0790-49-0003)で確認すると安心です。
- 補足
- アクセスは、北条鉄道の法華口駅から約2.4km、神姫バスの「中野」停留所から徒歩約2分です。車では山陽自動車道の加古川北ICから北へ約15分、中国自動車道の加西ICから約15分で、門と国道372号の間にお客様専用の駐車場があります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 兵庫県加西市中野町917
- 創業
- 1819年
- 公式サイト
- www.miyake1819.com
出典
miyake1819.com / sakenomy.jp / japansake.or.jp / tsukudasaketen.jp / stores.jp / imadeya.co.jp / kotobank.jp / kobe-np.co.jp / city.kasai.hyogo.jp / kansake.jp / nrib.go.jp / nikkankeisatsu.co.jp / saketime.jp
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