藤岡酒造
代表銘柄:蒼空・万寿長命
京都府
KYOTO
1902年創業
明治35年(1902年)に初代・藤岡栄太郎が京都市東山区で創業し、大正7年(1918年)に現在の京都伏見に移転した酒蔵。かつては「万長」などの銘柄で親しまれていたが、平成6年(1994年)の三代目の急逝に伴い翌年に一度酒造りを休止した。その後、平成14年(2002年)に五代目の藤岡正章氏が敷地に残る赤レンガ倉庫を酒蔵に改造し、蔵元自ら杜氏となって全量純米酒の酒造りを再開させた。
「空一面の青空を見上げた時のように、飲んだ人がホッとできる酒」を目指して命名された代表銘柄「蒼空(そうくう)」は、仕込み水に伏見の名水「白菊水」を使用し、丁寧な手造りを貫いている。ベネチア製の透明感ある500mlガラス瓶や藍染めした布に箔押ししたラベルを採用するなど、パッケージにも独自のこだわりを持つ。蔵には直営の利き酒スペース「酒蔵Barえん」が併設されている。
藤岡酒造の歩み
藤岡酒造は、明治35年(1902年)10月に初代・藤岡栄太郎が、現在の京都市東山区にあたる地で酒造業を始めたのが起こりです。創業当時の醸造量は1,200石余りで、その後は滋賀県の大津にも製造場を増設しました。明治43年(1910年)に伏見へ製造場を構え、大正7年(1918年)には現在の地で製造するようになりました。
最盛期には8,000石ほどの酒を造り、「万長(まんちょう)」を中心とする銘柄を造っていました。「万長」の語源は「万寿長命」で、この名は現在も、蔵元杜氏が造る最高級の純米大吟醸しずく酒に使われています。
転機は平成6年(1994年)9月、3代目・藤岡義文の急逝でした。これをきっかけに平成7年(1995年)、藤岡酒造の酒造りは一旦幕を閉じます。それまで使っていた仕込み蔵は、地震の影響で傾きが出たために取り壊され、敷地の多くは企業に貸し出されていました。
5代目の藤岡正章は東京農業大学で醸造を学び、会社勤めを経て、富山の桝田酒造店、佐賀の小松酒造、宮城の平孝酒造でそれぞれ1年ずつ修業を重ねました。敷地に残っていた赤レンガの倉庫を酒蔵に改造し、平成14年(2002年)の冬、蔵元自らが杜氏となって新しい酒を仕込み始めます。この年の造りはわずか28石(約5,000リットル)で、すべて手造りの純米酒でした。その酒に付けた名が「蒼空(そうくう)」です。
正章が目指すのは、蔵が閉じる前の最後の酒を口に含んだときの味わいと感動を、自分の手で越える酒を造ることです。青空を見上げるとホッとできるように、飲んだ人が優しい気持ちになれる酒でありたいという願いが、「蒼空」の名に込められています。2023年8月時点の年間製造量は220石ほどで、小さな蔵ながら、再開以来、全量を純米酒で通しています。
酒造りの特徴
藤岡酒造の酒はすべて純米酒で、米と米麹と水だけで仕込みます。再開にあたって赤レンガの倉庫を改造した蔵は、仕込みタンクが6本しかない小さな蔵で、蔵元杜氏が一人で仕込むのに使いやすいよう、造りの動線を短くし、床に勾配をつけて乾きやすくするなどの配慮がされています。先代までは安い酒を機械で大量に造り、高い酒だけを手造りしていましたが、現在は純米酒から純米大吟醸酒まで、同じタンク、同じ手のかけ方で、すべて手造りしています。
仕込み水は、蔵の敷地で100メートル掘った井戸の地下水です。伏見の名水として知られる白菊水は東から西へ流れており、この井戸は伏見の酒蔵の中で最も上流にあたります。滑らかでやさしい水で、「蒼空」の絹のようになめらかな味わいは、この水で仕込むからこそだと蔵元は考えています。
洗米は10キロずつ手作業で行い、水や米の温度、その日の天気や気温まで見て浸水時間を決めて、限定吸水で米に水を吸わせます。酒母は中温速醸で、約1週間でできあがります。仕込みは6度から始め、もろみの温度が10度を超えないよう管理して、約1か月かけて低温でゆっくり発酵させます。この方法は全銘柄で共通です。上槽は全量を槽搾りで行い、3日間かけて搾ります。使用する酵母は協会7号と宮城酵母が中心で、搾った酒はろ過せずに瓶詰めするため、搾りたてのライムグリーンの色が残ります。
原料米は銘柄ごとに選んでいます。定番の純米酒には長野県産の美山錦、純米吟醸・純米大吟醸には兵庫県特A地区の吉川産山田錦を使います。ほかに、山田錦の母にあたる兵庫県産の山田穂、岡山県赤磐産の雄町、兵庫県産の短稈渡船、愛山を使う商品があります。蔵人が米作りから参加する京都市北部の大原産キヌヒカリは、精米歩合50%で仕込みます。一般向けの瓶は、イタリア・ベネチアのガラス工房で作られた透明の500ml瓶で、ラベルは藍染めした布に箔押しで「蒼空」と記したものです。1升瓶は業務用として、取扱酒販店にのみ卸しています。
酒は蔵でも酒販店でも冷蔵庫で管理され、空き瓶は蔵の店頭で引き取って再利用しています。
代表銘柄
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蒼空
全量純米酒の看板銘柄で、青空を見上げたときのようにホッとできる酒を目指した名です。定番は長野県産美山錦の純米酒で、米のうまみをしっかり感じながら後口は軽く、きれいな味わいです。純米吟醸や純米大吟醸では山田錦のほか、山田穂や愛山も使います。おりがらみ、生酒、ひやおろしなど季節ごとの商品も醸しており、一般向けは500mlが基本です。
楽天で商品を見る万寿長命
先代まで主力銘柄に使っていた「万長」の語源にあたる名で、現在は蔵元杜氏が造る最高級の純米大吟醸しずく酒に用いています。兵庫県産特A地区の吉川産山田錦を40%まで磨き、圧をかけずに滴り出た部分だけを瓶詰めします。毎年12月に約100本だけ限定で販売する、藤岡酒造の最高級酒です。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵に併設の利き酒スペース「酒蔵Bar えん」では、ガラス越しに仕込み蔵を眺めながら「蒼空」を飲め、甘酒や自家製の酒粕アイスクリームも出しています。営業は11時30分から18時、定休日は水曜日で、夏期と年末年始にも休みがあります。蔵の販売コーナーで「蒼空」の各種を購入できます。
- 補足
- 蔵見学は有料の予約制で、公式サイトから申し込みます。1回2名から15名までで、受け付けは酒造期間外の6月から9月に限られ、2週間前までの予約が必要です。最寄りは京阪の伏見桃山駅と丹波橋駅、近鉄の桃山御陵前駅と丹波橋駅で、いずれも徒歩5、6分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 京都府京都市伏見区今町672-1
- 創業
- 1902年
- 公式サイト
- www.sookuu.net
出典
fushimi.or.jp / sookuu.net / goshu-pro.jp / japansake.or.jp / typing-dining.com / liqlog.com / croissant-online.jp
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