SAKE BREWERY — KYOTO
木下酒造
紹介
京都府京丹後市久美浜町に位置する木下酒造は、天保13年(1842年)に創業した酒蔵です。代表銘柄の「玉川」は、蔵のすぐ隣を流れる清流・川上谷川にちなんで名付けられました。
イギリス人杜氏のフィリップ・ハーパー氏のもと、蔵に棲みつく天然酵母を活かした酵母無添加の「自然仕込(生酛・山廃)」や、熟成酒の可能性に注力した酒造りを行っています。炭素ろ過を行わずお酒本来の色や味わいを重視しており、氷を入れて味わう夏限定酒「Ice Breaker」、地元産の酒米と不気味な伝説を持つ奇岩にちなんだ「人喰い岩」、新酒のドキドキ感を込めた「福袋」など、挑戦的で個性豊かな酒を送り出しています。
賞歴としては、全国新酒鑑評会における金賞受賞や、全米日本酒鑑評会での金賞受賞などの実績があります。
歴史
木下酒造は天保13年(1842年)、5代目木下善兵衛によって京都府北部の久美浜町甲山に創業されました。蔵のすぐ隣を流れる川上谷川は玉砂利を敷き詰めたように美しい清流で、この川にちなんで代表銘柄「玉川」と名付けられています。長らく地元密着の小規模な酒蔵として、地域に根差した酒造りを続けてきました。
大きな転機となったのは2007年です。46年にわたり杜氏を務めた中井昭夫氏が死去し、11代目蔵元の木下善人社長は自らの代で蔵を閉めることも考えるほどの経営の岐路に立たされました。そこで酒造り道具の業者の紹介を通じて出会ったのが、イギリス出身のフィリップ・ハーパー氏です。木下社長は、地元で支持されてきた普通酒と大吟醸の酒質を守ることを条件に、それ以外の酒造りをハーパー氏に全面的に任せることにしました。
ハーパー氏は1966年にイングランド・バーミンガムで生まれ、オックスフォード大学を卒業後の1988年、JETプログラム(外国語青年招致事業)の英語教師として来日しました。滞在中に日本酒の魅力に触れたことをきっかけに、1991年から奈良県の梅乃宿酒造で蔵人として修業を積み、2001年に南部杜氏協会の資格試験に合格して外国人として初めて杜氏の資格を取得した人物です。英語による日本酒解説書『The Insider's Guide to Sake』(1998年)、『The Book of Sake: A Connoisseur's Guide』(2006年)も執筆しています。
木下酒造の杜氏に就任した1年目から、ハーパー氏は山廃仕込みや生酛仕込みに挑戦し、蔵付き酵母を用いた「自然仕込」の商品ラインを展開しました。この取り組みは全国新酒鑑評会において2008年と2012年に大吟醸「玉川」が金賞を受賞するという成果に結びつき、経営難にあった小さな地酒蔵は個性的な酒造りで知られる存在へと立て直されていきました。
酒造り
木下酒造の酒造りの根底にあるのは「色も味のうち」という考え方です。多くの蔵が透明感を重視して炭素ろ過を行う中、木下酒造は炭素ろ過を行わず、蔵付き酵母による酵母無添加の山廃仕込み・生酛仕込み「自然仕込」を主力に据えています。しぼりたてはあくまで出発点と位置づけ、貯蔵による味わいの変化そのものを楽しむ熟成酒にも力を入れています。
使用米は地元・久美浜町産の無農薬米「五百万石」を中心に、兵庫県産の「北錦」「山田錦」、滋賀県産の「日本晴」、京都府産の「祝」、岡山県産の「雄町」など多彩な品種を使い分けています。2009年には精米工場を増設し、精米から清酒になるまでの工程を自社で一貫して管理する体制を整えました。同年からはコウノトリ育む農法による無農薬水田で栽培された酒米を用いた商品の販売も始め、売上の一部をコウノトリ基金に寄付する取り組みも行っています。
こうした姿勢を象徴するのが「Time Machine 1712」です。1712年に成立した『和漢三才図会』に記された江戸時代の製法をそのまま再現した純米酒で、吟醸酒の3倍の酸と5〜7倍のアミノ酸を含む濃醇な超甘口に仕上げています。
蔵データ
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。
- 人喰い岩
- Ice
- 福袋
玉川:蔵の隣を流れる清流・川上谷川にちなんで名付けられた代表銘柄です。蔵付き酵母による山廃・生酛仕込みの自然仕込みを軸に、炭素ろ過を行わず色や味わいを残した造りが特徴です。2008年と2012年の全国新酒鑑評会で大吟醸が金賞を受賞しており、しぼりたてから熟成までの変化を楽しめる骨格のある味わいで知られています。
人喰い岩:蔵から見える岩にまつわる不気味な伝説に由来する生酒です。赤土を嫌って大人しくなったという地元の人喰い岩伝説を、坂根克介氏によるおどろおどろしいラベルで表現しています。玉川の商品で唯一、地元・甲山産の五百万石100%で仕込み、1月上旬から売り切れるまで年に一度だけ出荷される限定酒で、辛口に胡椒やスパイスを思わせる風味がアクセントとなっています。
Ice:純米吟醸の無濾過生原酒で、滋賀県産の日本晴を使用しアルコール分17〜17.9%に仕上げています。名前は英語で「場や雰囲気を和らげるもの」を意味する言葉に由来し、氷を入れて飲むことを前提に設計された夏酒です。5月から8月にかけての季節限定商品として出荷されます。
アイスブレーカー:氷を浮かべたロックでの飲用に最適とされる無濾過生原酒で、涼しげなペンギンが描かれたラベルが目印です。氷が溶けるにつれて温度とアルコール度数が変わり、生原酒ならではの力強い旨みから軽やかで爽やかな余韻へと味わいが変化していく過程を楽しめます。
福袋:毎年12月上旬から売り切れまで限定販売される純米吟醸無濾過生原酒です。五百万石を精米歩合60%まで磨き、アルコール分17〜17.9%の切れ味のいい辛口に仕上げています。その年最初の純米吟醸が仕上がるまでの造り手の緊張感と飲み手の期待感を「福袋」の名に込めた、年末年始にふさわしい一本です。
見学・購入
蔵に隣接する直売店では試飲(未成年者・運転者を除く)ができるほか、酒蔵限定の希少酒や、地酒を使ったソフトクリーム、アイス、酒まんじゅう、地酒ケーキなどのオリジナル商品を販売しています。10名以上の団体には酒まんじゅうの試食も提供しています(夏季7月〜9月中旬は休止)。
所在地は京都府京丹後市久美浜町甲山1512で、京都丹後鉄道(KTR)かぶと山駅から徒歩約3分です。営業時間は9時から17時まで(1月1日を除き年中無休)。蔵見学の可否は明記されていませんが、酒造りを紹介する映像の上映に対応しており、来店時にスタッフへ申し出ることで視聴できるとされています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
同じ京都府の酒蔵
出典
sakenomy.jp / sake-times.com / sake-tamagawa.com / wikipedia.org / uminokyoto.jp / nobori-sake.com / komiyasaketen.co.jp / rakuten.co.jp / yamatoya-e.com / kyoto-nishimurasaketen.com / sakeroman.com / ja.wikipedia.org / jizake.com
本ページは自動収集した情報を編集したものです。内容の正確性を保証するものではありません。