白糸酒造
代表銘柄:白糸
京都府
KYOTO
1767年創業
京都府宮津市に所在する白糸酒造株式会社は、明和4年(1767年)に宮崎佐平治によって創業された、250年以上の歴史を持つ酒蔵です。代表銘柄である「白糸」をはじめ、醸造は他の酒蔵に委ねつつ、清酒を企画・販売しています。
伝統ある清酒の味を守りながらも時代に合わせたモノづくりに取り組んでおり、特に人気アニメやゲームなどの多様なコンテンツと日本酒・和菓子等を組み合わせたコラボレーション商品を数多く企画・販売している点が大きな特徴です。伝統文化である日本酒の魅力を新しい層や若い世代へ伝える独自の展開を行っています。
白糸酒造の歩み
白糸酒造は、明和4年(1767年)に宮崎佐平治が興した酒蔵です。所在地は日本三景・天橋立の西側で、元伊勢と呼ばれる籠神社に近く、成相山のふもとにあたる京都府宮津市江尻にあり、天橋立から歩いて2分ほどの距離です。蔵元は、始まりは村おこしだったと説明しています。宮崎家は代々村長を任される家系で、農業が主な産業だった村は天候に左右されて飢饉に見舞われることも珍しくなく、佐平治が村人を先導して村を挙げての酒造事業を始めました。
酒造りは酒米を育てる稲作から醸造まで人手を要し、造った酒を売れば利益も生まれるため、村人の暮らしを守る事業になりました。創業時は、自社で栽培した米を原料とする地酒造りでした。
法人としての設立は昭和23年(1948年)です。昭和54年(1979年)3月には、醸造部門を他の酒蔵に依頼して集約制度を受けるとともに、全酒類について卸売・小売の免許を取得しました。以後は自社で醸造せず、酒類の企画と販売を担う会社として歩み、京都市内や宝塚市内でも商品を販売しました。平成7年(1995年)8月には宮津市内に店舗を展開し、小売免許を新たに取得しています。取引先には、天橋立ホテルや玄妙庵、丹後一帯の旅館・料亭が挙がっていました。
主力の清酒「白糸」は、古典に登場する白糸の浜にちなんで名付けられた酒で、蔵元は2013年当時、先代・佐平治の造った清酒で男性にも人気があると説明していました。皇室の方が天橋立を訪れた際にも、好んで飲まれました。バブル期の母の代には、女性の社会進出が増えたことを受けて、女性が飲みやすい酒「天橋立へようきなった」を世に出しました。「ようきなった」は丹後の方言で「よくいらっしゃいました」を意味し、2013年当時の蔵の紹介では、フルーティーですっきりした味わいで、手ごろな価格と大きさからおみやげ物にも向くとされていました。
転機は2010年前後にありました。当時取締役だった宮崎美帆氏は平成22年(2010年)に自社のゆるキャラ「しらたん」を作り、登録商標も取得して販売促進に活かしています。同じ年、天橋立観光協会の誘客推進チームとして「GO-TAN!」が発足しました。天橋立から始まった活動は、アニメやコスプレ文化を軸にのちに京都府全域へ広がっています。当時、観光協会の会長を務めていた美帆氏の父から、天橋立に人を集める方法を問われた美帆氏が、コスプレイベントを思いついたのが出発点です。
その際、イベントの手伝いを求めて京都精華大学の学生に声をかけたことから、同大学との交流も始まりました。美帆氏はその後、母から代を継いでいます。
平成24年(2012年)には、自社の清酒や梅酒、京菓子、雑貨と人気アニメを組み合わせたコラボ商品の販売を始め、同じ年の12月には京都市中京区の二条城近くに「しらたんのお店」を開きました。京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)にも出店し、2016年時点で毎年参加するアニメイベントに挙げており、2015年、2017年、2021年、2024年、2026年の開催でそれぞれ販売ブースを構えています。
2018年の取材では、これまでに50作品・500アイテムを超える商品を企画・販売し、月に最低1度は商品を更新していると語っています。その後も京都市南区の西大路に京都の拠点を置き、2023年には開設3周年を迎えました。2026年9月にはホームページを刷新してオンラインストアを開設し、コラボ商品と定番の日本酒を直接注文できるようにしています。
酒造りの特徴
白糸酒造は昭和54年(1979年)から醸造部門を他の酒蔵に依頼しており、宮津の本店は酒類の企画と販売の拠点です。2013年4月時点では、酒どころの本場である伏見で、伝統を守りながら白糸独自の味を守り続けていました。2018年の取材で宮崎美帆氏は、自社での醸造は行っておらず、協力を得ている酒造会社とともに、キャラクターをイメージしたパッケージや風味の商品を製造していると説明しています。
主力の「白糸」は、2013年当時の蔵の紹介では、辛口で雑味がなく、香り高い酒とされていました。2016年の通信販売では、純米吟醸の特選が原材料を米と米麹とし、アルコール分16度以上17度未満の辛口・淡麗、上撰が米・米麹・醸造アルコールでアルコール分15度以上16度未満の辛口やや淡麗、佳撰が米・米麹・醸造アルコール・糖類でアルコール分15度以上16度未満のやや辛口でした。上撰は、くちあたりはすっきりしていても後口がしっかり残る酒で、食事ともよく合い、冷やでも熱燗でも楽しめます。
コラボ商品づくりでは、パッケージやラベルを商品の顔と位置づけ、その顔に似合う味わいを選んで届けています。日本酒だけでなく梅酒や柚子酒、スパークリング酒、ノンアルコールのサイダー、ワイン、クラフトビールまで扱い、もともと酒蔵だったことから枡や菰樽、札を作る業者とのつながりがあり、木を使った品をアニメキャラクターの意匠と組み合わせてきました。コラボ商品は約3か月で仕上がります。たとえば装甲騎兵ボトムズとの「最低野郎」は、白いラベルに文字だけを配した一本で、題字は高橋良輔監督が手がけました。
代表銘柄
白糸
白糸は、古典に登場する白糸の浜にちなんで名付けられた清酒です。2013年当時の蔵の紹介では、辛口で雑味がなく、香り高い酒とされていました。2016年当時、上撰は辛口やや淡麗、純米吟醸の特選は辛口・淡麗で、上撰は米と米麹に醸造アルコールを加えた酒でした。皇室の方が天橋立を訪れた際にも好んで飲まれました。
見学・購入
- 直売所
- 白糸酒造 本店(京都府宮津市江尻382、天橋立より徒歩2分)とオンラインストア
- 補足
- 醸造は他の酒蔵に依頼しており、宮津の本店は販売の拠点です。オンラインストアは2026年9月に開設され、コラボ商品や定番の日本酒を注文できます。コラボ商品は京都国際マンガ・アニメフェアなどのイベントでも販売されます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 京都府宮津市江尻382
- 創業
- 1767年
- 公式サイト
- sake-shiraito.com
出典
kyo.or.jp / sake-shiraito.com / sake-times.com / pref.kyoto.jp / ki21.jp / jissen.kyoto-seika.ac.jp / bengo4.com / cmex.kyoto / sakebayashi.com / web.archive.org
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