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平和酒造

代表銘柄:慶長

京都府

KYOTO

1744年創業

平和酒造合資会社は、1744年(延享元年)に前身の「河内屋」が京都伏見で酒株を取得し酒造りを始めた老舗蔵元です。明治時代には伏見でトップクラスの酒造数量を誇り、年貢米を使用して「慶長」を醸造・販売していました。戦後の1948年に平和酒造合資会社を設立後、一時他社への桶売りを専業としていましたが、1989年に「慶長」ブランドの出荷を再開しました。昭和の終わりに旧酒蔵をマンションへと建て替えた際、伏見の酒造家らとともに「伏見銘酒協同組合」を設立し、伏見の名水「白菊水」等を用いた共同の醸造設備で酒造りを継続しています。

宣伝費をかけず、低価格で高品質な日本酒を提供することを掲げ、代表銘柄「慶長」では純米大吟醸酒「慶長伏見の酒」や純米吟醸酒「慶長小判」などを展開しています。

平和酒造の歩み

平和酒造の前身は、大阪の河内の出身で京橋で米問屋を営んでいた「河内屋」です。延享元年(1744年)、河内屋与兵衛が伏見今町で幕府から酒株を取得し、京都の伏見で清酒の醸造と販売を始めました。

江戸時代の伏見では、奉行所の統制によって酒造数量を大きく増減させられる時期がありました。そうした中でも河内屋は力を伸ばし、明治の初頭には伏見でトップクラスの酒造数量を誇る蔵になりました。

明治から大正、第二次世界大戦のころまで、河内屋は地主として手にした年貢米を使い、「慶長」を醸造して販売していました。戦後は農地改革やその後の経済変動を経て、昭和23年(1948年)1月に平和酒造合資会社を設立します。創業は延享元年、現在の会社の設立は昭和23年と、二つの年は別のものです。

設立後の平和酒造は、他社への桶売りが専業となり、長い間「慶長」の出荷を中止していました。転機は昭和の終わりから平成元年にかけてです。江戸時代から使ってきた伏見の酒蔵をマンションに建て替え、その1階と2階には蔵の風情を残しました。同じ時期に、平和酒造を含む伏見の古い酒造家5軒が集まって伏見銘酒協同組合を設立し、新しい酒蔵を建てて醸造を始めました。

平成元年には共同生産に踏み切り、「慶長伏見の酒」の出荷を始めて、桶売りだけだった時代から自社ブランドを世に出す蔵へ戻りました。現在は純米大吟醸酒の「慶長伏見の酒」と純米吟醸酒の「慶長小判」を柱に、宣伝費をかけず、低価格で高品質な日本酒を届けることを掲げています。代々受け継がれてきた酒造りの継承と発展に取り組んでいます。

酒造りの特徴

平和酒造の酒は、伏見銘酒協同組合の醸造工場(京都市伏見区丹後町)で造られています。組合は平成元年2月、国が推進する近代化事業と京都府の中小企業対策の一端として、伝統産業である清酒業界を育成するために設立されました。設立時は平和酒造を含む伏見の蔵元5社が参加し、2025年時点では山本本家、豊澤本店、平和酒造の3社が共同で出資して醸造工場を営み、清酒と梅酒の製造を請け負っています。組合は、日本酒業界では日本初の形の協同組合事業だとしています。

酒造免許の手続きを組合としてまとめられることや、最新設備を共有できることが利点です。

仕組みの柱は、生産と販売の分離です。組合が生産部門を受け持って原酒を造り、調合と瓶詰めまでを担当し、販売と営業は各蔵元がそれぞれ独自のブランドで行います。生産能力は年間7200キロリットルで、二季醸造により多品種の清酒を効率よく造ります。製造は受注生産で、各蔵元が希望する酒米を購入し、精白歩合や酒母、麹の品質も蔵元の希望どおりに定めたうえで、各蔵の伝統技法を踏まえて醸造します。コンピュータ制御の設備と技術者の腕を組み合わせ、手造りに近い品質を目指しています。

仕込み水には、伏見に7つある井戸の一つで、伏見の名水として知られる「白菊水」が使われています。白菊水は中硬水で、もろみをゆっくりと発酵させ、口当たりのやさしいあっさりした酒に仕上がる水です。「慶長伏見の酒」は、御香水や白菊水として名高い伏見の水で仕込まれます。「慶長伏見の酒」は山田錦100%を精米歩合35%まで磨いた純米大吟醸で、日本酒度は+1、酸度は1.5、アルコール度数は15.5度です。甘い吟醸香を持ち、さらりとしたのど越しの酒です。

「慶長小判」は五百万石100%を精米歩合60%で仕込んだ純米吟醸で、日本酒度は+3、酸度は1.7です。少し辛めで、ほのかな吟醸香とあっさりした口あたりが特徴です。

全国新酒鑑評会には、醸造を担う伏見銘酒協同組合が組合の銘柄「白菊水仕込み伏見銘酒」で出品しています。これは組合としての出品で、「慶長」の名で受けた賞ではありません。平成14酒造年度以降に限っても12回入賞しており、そのうち金賞は平成21酒造年度、22酒造年度、23酒造年度、25酒造年度の4回です。平成21酒造年度から23酒造年度は3年続けての金賞です。入賞は平成18、20、21、22、23、24、25、28、29の各酒造年度と、令和2、4、6酒造年度です。古くは平成3、7、8酒造年度にも金賞を受けています。

大阪国税局の清酒鑑評会では、平成29年度に吟醸酒の部で伏見銘酒協同組合が優秀賞を受けています。

代表銘柄

慶長

「慶長」は、河内屋の時代から続く平和酒造の銘柄です。明治から戦前までは地主として得た年貢米で醸造・販売され、平成元年に「慶長伏見の酒」の出荷で復活しました。柱は山田錦100%を35%まで磨いた純米大吟醸「慶長伏見の酒」と、五百万石100%を60%精米で仕込む純米吟醸「慶長小判」で、宣伝費をかけず手頃な価格で提供されています。

見学・購入

補足
醸造は伏見銘酒協同組合の工場(京都市伏見区丹後町)で行われ、新酒の時期にその敷地で蔵開きが開かれています。2025年度は2025年12月21日と2026年2月14日の両日10時から15時まで、山本本家、豊澤本店、平和酒造の3蔵元が参加しました。しぼりたて新酒2種と各蔵のおすすめ酒の有料試飲、各蔵の清酒の販売、酒粕の量り売り、白菊水で作られた酒饅頭など伏見の名産品の販売がありました。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
京都府京都市伏見区東組町698
創業
1744年

出典

fushimi.or.jp / keihan.co.jp / totteoki.kyoto.travel / nrib.go.jp / kotobank.jp / sakeworld.jp / sakenomy.jp / aburacho18.com

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