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浦野

代表銘柄:菊石

愛知県

AICHI

1864年創業

愛知県豊田市にて元治元年(1864年)に創業した酒蔵です。代表銘柄「菊石(きくいし)」の名は、三河の霊峰・猿投山の天然記念物「菊石」にちなみ、地元の猿投神社より拝受したことに由来します。

伝統的な手造りの手法を大切にしつつ、醸造学に基づく最新の技術や知見を取り入れた酒造りを行っています。軟水を用いた酒造りにより、お米のやさしい旨味を引き出しつつ、口当たりの柔らかさとキレの良い清らかな後味が特徴です。

全国新酒鑑評会において、令和8年(令和7酒造年度)をはじめ、令和6年(令和5酒造年度)、令和5年(令和4酒造年度)、令和4年(令和3酒造年度)などに金賞を受賞しています。また、名古屋国税局酒類鑑評会で優等賞を受け、蔵の発表では愛知県酒造組合きき酒研究会でも愛知県知事賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

浦野の歩み

浦野合資会社の創業は元治元年(1864年)です。現在の豊田市にあたる猿投村で庄屋を務めていた浦野家の浦野判十郎が、酒造場を開いたのが始まりです。当時この地を治めていた挙母藩の領内で大きな庄屋だった浦野家は、年貢を納めたあとの余剰米を使って酒造りを始めました。

銘柄の「菊石」は、猿投山の天然記念物である「菊石」の名を、浦野家と縁の深い猿投神社から拝受したものです。現在の「菊石」の銘柄名は昭和初期から使われています。蔵は猿投山の麓にあり、創業から160年を超える歴史を重ねてきました。

酒造りの担い手は、かつては岩手から通う南部杜氏でした。しかし高齢化が進み、毎年顔ぶれが替わる状況になったため、蔵は社員として杜氏を任せられる人を募集しました。そこで迎えられたのが、大学院で微生物学を学び、名古屋市の東春酒造で越後流の酒造りを身につけた新井康裕杜氏です。新井杜氏は入社後に南部杜氏の下で2年間修業を積み、平成20年(2008年)に杜氏となりました。2024年時点でも酒造りの中心を担っています。

杜氏として初めて出品した平成21年の愛知県酒造組合きき酒研究会で、蔵の発表では菊石は愛知県知事賞を受賞し、平成22年も県知事賞を受けています。蔵は2009年から毎年いずれかの品評会で受賞を続けており、2024年時点で15年連続とのことです。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても14回入賞し、そのうち金賞は10回です。

金賞は平成19、22、24、28、29酒造年度と、令和2、3、4、5、7酒造年度で、平成28酒造年度と平成29酒造年度は2年続けて、令和2酒造年度から令和5酒造年度までは4年続けての金賞でした。平成23、26酒造年度と令和元、6酒造年度は入賞です。

名古屋国税局酒類鑑評会では、平成19年度から令和4年度にかけて12回、優等賞を受けています。吟醸酒の部では平成23年度から平成28年度まで6年続けて、さらに平成30年度から令和3年度まで4年続けて優等賞を受けました。令和3年度(第70回)は、吟醸酒の部の大吟醸、純米吟醸酒の部の純米吟醸、燗酒の部の山田錦 純米酒とひやおろし本醸造の4点が優等賞でした。令和4年度(第71回)は、吟醸酒の部で菊石 大吟醸が、部門で最も優秀な成績の酒に贈られる名古屋国税局長賞に選ばれました。

同じ年には、純米吟醸酒の部で純米大吟醸、燗酒の部でひやおろし本醸造も優等賞を受けています。ほかにも、本醸造酒の部のひやおろし本醸造が平成24、25、26、28年度と令和元年度の5回、純米酒の部が平成19、27、30年度の3回、優等賞に選ばれています。

酒造りの特徴

酒造りは手仕事が中心の伝統的な造り方です。米を蒸す甑(こしき)にはボイラーではなく昔ながらの和釜を使い、麹造りは新井杜氏が蔵に泊まり込みで見守ります。大吟醸の蒸米を放冷する作業は、蔵人が力を合わせて行います。

仕込み水は矢作川水系の水で、硬度が低く柔らかいのが特徴です。この水が、新井杜氏の目指す柔らかい酒の方向性に合っています。目指すのは、淡麗でも辛口に寄りすぎず、優しく飲みやすい「水のようにきれい」な酒質です。そのうえで酒の種類ごとに、香りのあるタイプや辛口のタイプなど変化をつけています。大吟醸と純米吟醸には、華やかさを出すために香りの出る酵母を使っています。

酒米は種類によって使い分けています。主に兵庫県産の山田錦、富山県産の五百万石、愛知県産の夢吟香を用い、本醸造の「ふろむToyota」には豊田で採れたコシヒカリを100パーセント使います。「ふろむToyota」は年に3回発売され、流通はほぼ豊田市内に限られます。新井杜氏は、山田錦は狙った酒に仕上げやすく、五百万石は水加減を少し誤ると一気に濃醇な方へ振れる米だと話しています。

通年の商品は、山田錦を精米歩合35パーセントまで磨いた大吟醸、五百万石の純米吟醸(精米歩合55パーセント)、山田錦の純米酒、五百万石の純米酒「夢ゆたか」、本醸造「もと」、本醸造の生貯蔵酒などです。季節の酒には、2月の「春待ち酒」、3月の袋濾し純米吟醸生酒、秋の「菊花の宴」、冬のにごり酒「しろうま菊石」があります。越後流と南部流の両方を学んだ新井杜氏は、その学びを合わせてこの蔵に合う造りを組み立て、新しい酵母や技術の勉強も続けています。

代表銘柄

菊石

蔵の代表銘柄で、お米のうまみをやさしく柔らかく引き出し、後味の良さを特徴とする、飲み飽きせずゆっくり楽しめる酒です。大吟醸は山田錦を精米歩合35パーセントまで磨き、純米吟醸は五百万石を55パーセントまで磨いています。山田錦の純米酒は柔らかくキレがよく、どんな和食にも合わせやすい一本です。春の袋濾し純米吟醸生酒は蔵でいちばんの人気酒で、きれいな香りと味わいが特徴です。

見学・購入

直売所
蔵元直売所で菊石の全商品を購入でき、地方発送や贈答用の対応もしています。
補足
愛知環状鉄道の四郷駅から北へ徒歩約7分、車では猿投グリーンロードの猿投ICから国道419号線経由で約15分で、駐車場もあります。営業は月曜から金曜が9時から18時、土曜が10時から15時で、日曜と祝日は休みです。営業日は蔵の営業カレンダーでも案内しています。酒蔵見学は、2024年7月時点で一般向けには行われていません。年に1回、春ごろに酒蔵開放があります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
愛知県豊田市四郷町下古屋48
創業
1864年
公式サイト
www.kikuishi.com

出典

tv-aichi.co.jp / japansake.or.jp / kikuishi.com / sake-times.com / stores.jp / wikipedia.org / machikuru.jp / tourismtoyota.jp / pref.aichi.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp

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