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甘強酒造

代表銘柄:四天王・いっこく

愛知県

AICHI

1862年創業

甘強酒造の建物
甘強酒造の建物(2020年撮影)「Kankyo Brewery 2020 ac (1).jpg」 — 写真:Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

甘強酒造は、文久2年(1862年)に初代・山田平八が本みりんの醸造元として創業した愛知県海部郡蟹江町の蔵元です。1954年(昭和29年)より清酒の醸造を開始し、代表銘柄「四天王」が誕生しました。

清酒には愛知県産の夢吟香などを使い、みりん用には有機のもち米・うるち米を農家と契約して栽培しています。代表銘柄には「四天王」のほか、頑固なほどに本来の旨さを追求した「四天王 いっこく」などがあり、いっこくはコクと喉ごしの爽やかさが特徴の旨口です。

全国新酒鑑評会では昭和63年に金賞を受賞して以降たびたび金賞を受賞し、平成17〜20酒造年度には4年連続で金賞に輝きました。また、明治初めに建てられた工場や旧本社事務所などの建造物4棟が国の登録有形文化財に登録されており、歴史ある環境の中で伝統の醸造技術が受け継がれています。

甘強酒造の歩み

甘強酒造は、文久2年(1862年)に初代の山田平八が本みりんの醸造元として創業した蔵です。蟹江町を含む濃尾平野はもち米の産地で、縦横に走るクリークの舟運にも恵まれていました。創業の地は、いまの愛知県海部郡蟹江町にあたります。以来160年以上にわたり、みりん造りを中心に商いを続けてきました。

明治24年(1891年)の濃尾地震で作業場などが半壊しましたが、明治の終わりには現在の姿に整いました。明治38年(1905年)ごろに新築された土蔵造の建物は、南側と西側の外壁の下半分が赤レンガで、その内側はかつて麹室でした。住宅は大正11年(1922年)ごろから数年がかりで、蟹江川から柱などの材料を運び込んで建てられています。平成17年(2005年)には、みりん工場(明治初年築)や西洋館(昭和12年築)など4棟が国の登録有形文化財になりました。

昭和10年(1935年)に山田平左衛門商店から甘強酒造株式会社に組織変更し、屋号も「甘強みりん」となりました。甘みや旨みの強い本物のみりんを造り続けたいという思いから付けられた名前です。太平洋戦争に入るとみりんは贅沢品扱いとなって製造が大きく制限されましたが、終戦から6年後の昭和26年(1951年)に醸造の再開が許可されました。そして昭和29年(1954年)には、清酒「四天王」の醸造を始めました。創業から90年を過ぎてから、みりんの蔵に清酒が加わったことになります。

全国新酒鑑評会には商標「四天王」で入賞を重ねてきました。昭和63年の鑑評会で金賞を受賞し、その後2007年ごろまでに通算9回の金賞を受賞しています。平成14酒造年度以降に限ると、平成15・16酒造年度に入賞し、平成17〜20酒造年度は4年連続で金賞を受賞しました。愛知県酒造組合連合会の清酒きき酒研究会では、平成15年の純米吟醸酒部門と平成17年の純米吟醸酒の部で、いずれも知事賞を受賞しています。平成17年には新潟県酒造従業員組合連合会の第38回自醸清酒品評会で「四天王」が一位と評価されました。

名古屋国税局の酒類鑑評会では、平成15年の第51回で吟醸酒の部に入賞し、平成17年の第53回では吟醸酒の部で首位賞に選ばれたほか、同じ回の純米酒の部でも優等賞を受けました。優等賞はほかに、平成18年の第54回で吟醸酒の部と純米酒の部の両方、平成20年度の第57回と平成24年度の第61回で本醸造酒の部、平成21年度の第58回で吟醸酒の部(「四天王 長春」)を受賞しています。

平成7年(1995年)には中国江蘇省丹陽市に、みりんと清酒を造るための関連会社を設立しました。平成11年(1999年)には、OCIA協会から清酒・みりんの製造元として初めてオーガニックの認定工場を取得しています。平成29年(2017年)に生乳酸菌米糀あまざけを、令和7年(2025年)に新ブランド「umu」の「+white」を発売するなど、発酵食品の領域を広げてきました。令和2年(2020年)には山田幹夫氏から山田洋資氏へ社長が交代しています。

酒造りの特徴

酒造りの原料は、地元の濃尾平野や国内産の米です。冬には伊吹おろしと呼ばれる乾燥した冷たい風が吹き、みりん造りにも酒造りにも適した気候です。本醸造「名古屋正宗」は、地元産の酒米と清冽な木曽川の伏流水を原料に、伊吹おろしの寒風の中で醸した酒です。

みりんは蔵の中心にある商品で、昔仕込本味醂は原料に自社で醸造した粕取焼酎(焼酎乙類)を使い、香り高く仕上げています。参年みりんは自社で3年間低温貯蔵した本みりん、弐拾年熟成黒みりんは搾ってから長い年月を蔵の中で熟成させた本みりんです。純醸本みりんは、もち米・米麹・醸造アルコールだけで造る純米のみりんです。本みりんの原料は大部分が国産のもち米とうるち米で、うるち米は大部分が愛知県産です。有機の調味料用には、有機のもち米とうるち米を農家と契約し、有機栽培を促進しています。

清酒は、純米吟醸「いっこく」が愛知県産の夢吟香を100パーセント使い、精米歩合60パーセントで仕込みます。大吟醸「長春」は、兵庫県産の山田錦を精米歩合50パーセントまで磨き、低温発酵させたものです。令和7年(2025年)に出した「umu +white」は、日本酒に通常用いる三段仕込みに対し、醪を搾る直前に白麹を加える四段仕込みで、火入れをしないうすにごりの生原酒です。

品質面では、化学調味料、保存料、着色料は一切使用しないと定めています。平成30年(2018年)にHACCP認証を取得し、令和3年(2021年)8月にはHACCPの内容を含むISO 22000の認証を取得して、HACCP認証からそちらに移行しました。登録範囲は味淋、清酒、焼酎、リキュールと、たれ、こうじ類、みりん粕の製造です。

代表銘柄

四天王

昭和29年(1954年)に醸造を始めた、甘強酒造の清酒の銘柄です。みりんの蔵が手がける清酒として、大吟醸「長春」、純米吟醸「いっこく」、本醸造「名古屋正宗」「上撰」「鬼ころし」まで幅広く揃えています。全国新酒鑑評会には「四天王」の名で入賞を重ね、平成17酒造年度から平成20酒造年度まで4年連続で金賞を受賞しました。

いっこく

「いっこく」とは頑固者の意味で、日本酒本来のうまさを頑固に追求した純米吟醸の「四天王 いっこく」です。愛知県産の夢吟香を100パーセント使い、精米歩合は60パーセント、アルコール分は15.5度です。コクと喉ごしの爽やかさが特徴の旨口で、常温やぬる燗、熱燗でも楽しめます。濃いめの料理にも合い、お酒だけでもしっかり味わえます。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
近鉄蟹江駅から徒歩10分の蔵では、平日の9時から17時までお土産を販売しています(訪問前に確認すると安心です)。オンラインショップの一部商品は店頭での受け取りに対応しています。みりんや清酒は各地の取扱店でも購入できます。
補足
工場見学は有料の予約制で、2名から土日祝日を除く平日に案内しています。料金は2〜3名で5,000円、4〜6名で10,000円、7〜10名で15,000円で、みりんのお土産が付きます。希望日の7日以上前までに申し込みます。工場内は狭く足場の悪い箇所があり、冷暖房もありません。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
愛知県海部郡蟹江町城四丁目1番地
創業
1862年
公式サイト
www.kankyo-shuzo.co.jp

出典

hakko-aichi.jp / japansake.or.jp / kankyo-shuzo.co.jp / sakenomy.jp / note.com / mytabi.net / sakeneta.com / asoview.com / kankyo-shuzo.raku-uru.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / nissyoku.co.jp

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