玄葉本店
代表銘柄:あぶくま
福島県
FUKUSHIMA
1823年創業
福島県田村市に位置する玄葉本店は、1823年(文政6年)創業の酒蔵です。小規模な蔵で、代表銘柄は「あぶくま」です。2001年に蔵の廃業検討をきっかけに、大手商社マンであった蔵元の玄葉祐次郎氏が帰蔵しました。2005年(平成17年)秋からは外部の杜氏制度を廃止し、玄葉氏自らが製造責任者(杜氏)となり、地元のスタッフのみで酒を仕込む体制へ転換しました。同蔵が目指すのは、派手な香りに頼らず料理を引き立てる「食中酒」や「飲んでホッとしてもらえるような酒」です。
やさしい口当たりとふくらみのある味わい、味のバランスの良さが特徴となっています。全国新酒鑑評会では金賞を15回受賞しています(平成14酒造年度以降の入賞は19回)。
玄葉本店の歩み
玄葉本店は、1823年(文政6年)に創業した酒蔵です。創業以来、約200年にわたって地域とともに酒を醸してきました。蔵があるのは福島県田村市船引町で、阿武隈山地の豊かな自然に抱かれる地です。古くから「奥州鶴」の酒蔵として知られ、現在は「あぶくま」の銘柄で酒を醸しています。2014年時点の年間の生産量は200〜300石前後で、小規模な蔵です。
転機は2001年に訪れました。先代が廃業を決意したとき、大手商社マンとして世界で活躍していた玄葉祐次郎氏が、歴史ある蔵を守りたいという強い想いから東京から蔵に戻りました。酒造りの知識はまったくなく、当時蔵に来ていた杜氏のもとで学ぶだけでは追いつかないと考え、広島の酒類総合研究所と福島県清酒アカデミーで技術と理論を学びました。県内の同業の同世代の造り手たちにも教えを乞い、ときには熱く意見を交わしながら、既にあった「あぶくま」の味わいを変えていきました。
2005年(平成17年)秋には杜氏制度を廃止し、経営者である玄葉氏が自ら製造責任者となって、地元の人だけで仕込む体制に移りました。小規模さを生かし、手間を惜しまず丁寧に仕込むことで、毎年酒質を上げていくことが蔵の目標です。玄葉氏は2014年の冬に、杜氏として10年目を迎えました。現在も代表取締役として蔵を率い、杜氏として酒を仕込んでいます。
東日本大震災の後は、震災の影響がどこまで続くのかという心配がありました。蔵は福島第一原発から約40kmの距離にあり、2014年当時、玄葉氏は、稼働している蔵のなかで最も原発に近い蔵になってしまったと語っていました。酒造りを当面やめざるを得ないかもしれないと覚悟した局面もありましたが、造りを休まずに続けることができました。福島県内の米は全袋検査を受けたうえで、酒造組合が定めるさらに低い基準で検査し、震災の年には精米後にも検査に出して不検出を確かめました。
水と搾った酒もすべて検査に出して証明書を取る体制をとっており、2014年までに放射能が検出されたことは一度もありません。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に19回入賞し、うち金賞は15回です。帰蔵後に最初に醸した大吟醸がいきなり金賞を受賞し、玄葉氏が杜氏となった平成17酒造年度から平成21酒造年度まで5年連続、平成25〜28酒造年度に4年連続、令和4〜6酒造年度に3年連続で金賞を受けました。玄葉氏は2014年当時、鑑評会への出品を基本技術の確認作業のような位置づけと語っていました。福島県春季・秋季鑑評会では、2007〜2025年に金賞を16回受賞しています(2016年秋季は吟醸酒の部と煌酵母の部の2部門)。
仙台国税局の東北清酒鑑評会では、2007年の吟醸酒の部、2008年の純米酒の部、2024年の吟醸酒の部で優等賞を受け、2024年は評価員特別賞にも選ばれました。SAKE COMPETITION では、2014年の純米吟醸部門で第10位に入り、2015年から2018年にかけて SILVER を4点(2015年は純米吟醸、2016年は純米酒、2018年は純米酒と純米吟醸)、2026年には純米酒部門で BRONZE を受けています。
雄町サミットでは「あぶくま 純米吟醸 雄町」が、第13回(2022年)、第14回(2023年)、第16回(2025年)、第17回(2026年)の計4回、優等賞に選ばれました。
酒造りの特徴
目指すのは、おいしい食中酒です。香りで主張するよりも食事を邪魔せず、料理を引き立てながら、酒だけで飲んでもバランスが良いことを大切にしています。一仕事を終えたときや一日の終わりに、飲んでホッとしてもらえる酒を、老若男女を問わず毎日の暮らしに取り入れてほしいという思いで造っています。味わいは、やさしい口当たりに穏やかな香りとふくらみがあり、料理の旨味にそっと寄り添います。
仕込水には、阿武隈山系の良質な伏流水を使います。原料米は山田錦をはじめ、福島県産の五百万石、地元で契約栽培する夢の香とチヨニシキなどを選んでいます。すべての麹を機械に頼らず丁寧につくり、搾りは昔ながらの槽(ふね)で行います。
大吟醸は山田錦を40%まで磨いてじっくり醸します。ほどよく華やかな香りと旨みのバランスが特長で、透明感のある酒質は「あぶくま」全体に通じる持ち味です。特別純米は、麹米に精米歩合50%の山田錦、掛米に夢の香を用いて醸します。ふくよかでやわらかなボディが広がり、口に含むとじんわりとやさしい旨味を感じます。
2014年には、地元の米である夢の香やチヨニシキで全国に通用する酒を造ることを、大きな目標に掲げていました。山田錦のような酒造好適米を使わなくても、造り方次第で一般米でもおいしい酒は造れると考えています。震災を経て、地元の米で何ができるかを以前よりも考えるようになりました。
代表銘柄
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あぶくま
玄葉本店の銘柄で、玄葉祐次郎氏が杜氏となる前から続くブランドです。大吟醸は山田錦を40%まで磨き、ほどよく華やかな香りと旨みのバランスが特長です。特別純米は麹米に山田錦、掛米に夢の香を使い、ふくよかでやわらかな味わいに仕上げます。全国新酒鑑評会ではこの銘柄で金賞を15回受賞しています。やさしい口当たりと穏やかな香りで、料理にそっと寄り添う食中酒です。
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- 蔵見学
- なし
- 補足
- 見学は受け付けていません。営業時間は10:00〜17:30で、定休日は土曜午前・日曜・祝日です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福島県田村市船引町船引字北町通41
- 創業
- 1823年
出典
sipory.jp / pon.sh / hatenanochawan.com / onesipsake.com / sake-times.com / fukunosake.com / ameblo.jp / fukulabo.net / sake-koriyama.com / stars.ne.jp / nrib.go.jp / sake-fukushima.jp / nta.go.jp / yellcard.stars.ne.jp
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