白河銘醸
代表銘柄:のんでみやがれ・会津磐梯山・谷乃越
福島県
FUKUSHIMA
1969年創業
福島県西白河郡西郷村に位置する白河銘醸株式会社は、1969年(昭和44年)に地元の清酒醸造家たちの共同出資により設立された酒蔵です。那須連峰(那須山系)の清冽な伏流水と豊かな自然環境に恵まれた土地で日本酒を醸造しています。
「日本酒を安く安心して楽しめる飲み物として提供したい」という考えのもと、リーズナブルな普通酒から特定名称酒、取引先のニーズに応えたオリジナル商品まで幅広く展開してきました。代表銘柄には「谷乃越」をはじめ、福島のシンボルを冠した「会津磐梯山」、しっかりとした味わいとキレの良さが特徴の純米吟醸原酒「のんでみやがれ」などがあり、消費者に寄り添う多様な酒造りを行っています。
白河銘醸の歩み
白河銘醸は、福島県西白河郡西郷村にある酒蔵です。栃木県との県境に位置し、那須連峰の裾野に広がる一帯には、日光国立公園の甲子温泉や阿武隈川の源流があります。その阿武隈川の支流、堀川沿いに、昭和44年(1969年)、地元の蔵元による共同瓶詰所として誕生しました。
当初は白河地域の蔵元6社による共同瓶詰所でしたが、その後3社が抜け、大谷醸造、有賀醸造、大谷忠吉本店の3社が残りました。2014年時点では、それぞれの蔵の特長ある酒に加えて商品開発を進め、多彩な切り口で幅広い客層に受け入れられていました。
白河銘醸は原酒蔵元として、嘉永3年(1850年)創業の大谷醸造の名を掲げ、嘉永3年から続く酒造りをうたっていました。2014年の取材時の社長は、白河市で古くから酒を造ってきたこの大谷醸造の生まれ育ちでした。過去帳が火事などで失われ、はっきりしたことは分かりませんが、大谷醸造には7世紀頃に酒造りを始めたという言い伝えがあります。白河地方は大和朝廷の蝦夷防衛の要所だった土地です。
酒づくりの姿勢は、日本酒を安くて安心な飲み物として届けることです。特定名称酒にこだわらず、いかにリーズナブルな酒を提供するかを重んじ、毎日普通に飲める酒を目指してきました。創業間もない頃から、小売店や問屋のオリジナル商品を提案して販売し、「他でやっていないことをやる」隙間産業として業績を伸ばしてきました。その結果、商品は約300アイテムにのぼり、販売先は全国各地に広がっています。2019年の時点でも、福島県でも屈指の大きな酒蔵で、製造量は東北で5本の指に入る規模でした。
パック入りの酒が多く、安酒と見られがちなことも承知のうえで、高級酒ばかりでは買える人の取り合いになってしまうとして、価格の安さに誇りを持っています。
2011年の東日本大震災では、蔵のある土地の地盤が固く、空瓶が割れた程度で大きな被害はありませんでした。一方、原発事故後は風評被害が続き、ミネラルウォーターの取引はほとんどなくなって、2014年になっても回復していませんでした。2023年時点では、日本酒のほかにミネラルウォーターとワインの製造・販売も事業に掲げ、白河そばを味わえるそば屋も経営していました。2021年3月時点で従業員は45名、清酒は韓国、台湾、EUへの輸出実績もあります。
酒造りの特徴
仕込みに使う水は、那須連峰の伏流水です。蔵の上流には日光国立公園の一部である那須連峰があり、工場や市街地の開発が少ないことが、清酒醸造に適した環境になっています。蔵のある場所は地盤が固く、水と土地に恵まれた立地です。
ここでは、普通の食米を使った仕込みも行っています。食米での仕込みは酒米よりも技術を要しますが、安くて安心な酒を届けたいという思いから続けてきたものです。かつては酒米の入荷が遅れて造りに影響が出たこともありましたが、今は順調に米が手に入るようになりました。
蔵の代表銘柄は「谷乃越」で、2014年の取材時点で地元に長く親しまれていました。一方、2019年の時点で製造量が最も多い主力は「会津磐梯山 米だけの酒」です。普通酒でありながら醸造用アルコールや糖類は添加せず、米と米麹だけで造ります。同蔵の「米だけの酒」は、2014年の取材時点で米麹の割合が12%ほどで、純米酒と表示するための基準(麹米の使用割合15%以上)には届かないため、純米酒とは名乗れませんが、文字どおり米だけの酒です。
このほか、一升瓶からそのまま詰めた「上撰パック」の15度の清酒、低温で醸した「谷乃越」の純米吟醸酒、地・水・火・風・人の名を冠した「地水火風人」シリーズなど、幅広い商品を造っています。
今後は普通酒から純米酒や純米吟醸酒へのシフトが進むと見て、特定名称酒も増やしていく方針です。その一方で、「安くて、ちょっと美味しい」ことを大事にして、普通の人が普通に飲む普通の酒を造り続けていく考えです。
代表銘柄
のんでみやがれ
純米吟醸の原酒で、アルコール分は17度です。ほどよい香りとコクのある飲み口で、しっかりとした味わいと喉越しのよさが特徴です。ロックで飲むとさらにキレが良くなるため、和食だけでなく洋食にも合わせられます。蔵のおすすめ商品に挙げられていた、特定名称酒の一本です。
会津磐梯山
福島を代表する山の名を冠した、白河銘醸の主力銘柄です。中心は普通酒の「米だけの酒」で、製造量も最も多い商品です。醸造用アルコールを加えず、米と米麹だけで仕込み、米ならではのコクを低価格で味わえます。一升瓶からそのまま詰めた15度の「上撰パック」もあり、パック入りや200mlのカップ入りも流通しています。毎日の晩酌向けの低価格な酒です。
谷乃越
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 補足
- 2023年時点で蔵見学は受け付けておらず、お問い合わせは平日の9時から17時に、電話で受け付けていました。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字中庄司4-2
- 創業
- 1969年
出典
japansake.or.jp / sakenomy.jp / jetro.go.jp / sake-times.com / kennan-syuhan.co.jp / hokurikumeihin.com / pon.sh / welcome-fukushima.com / jp.sake-times.com / shirakawa-meijo.com / monolog.r-n-i.jp / sake-fukushima.jp / nrib.go.jp
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