SAKE BREWERY — FUKUSHIMA
仁井田本家
紹介
江戸時代中期の1711年(正徳元年)に創業した福島県郡山市の酒蔵です。「日本の田んぼを守る酒蔵になる」を掲げ、農薬や化学肥料を使わずに栽培された自然米100%、自社田近くの井戸水と自社山の湧き水からなる天然水100%、自然派酒母による純米酒造りを行っています。1967年には無農薬・無化学肥料米による「金寳自然酒(現:にいだしぜんしゅ)」を発売しました。代々伝わる「汲み出し四段」などの独自製法や生酛造りを採用するほか、自社山の杉を使った仕込み用の木桶自作や、酒米の完全自給自足を目指す取り組みを推進しています。代表銘柄には「にいだしぜんしゅ」「穏」「田村」などがあり、全国新酒鑑評会での金賞受賞や、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」でのプラチナ賞・金賞といった受賞歴を有しています。
歴史
仁井田本家は1711年(正徳元年)、江戸時代中期に福島県郡山市田村町金沢の地で創業しました。以来18代にわたり、同じ場所で酒造りを続けてきた蔵元です。転機となったのは1967年(昭和42年)、先代の代に無農薬米を用いた純米酒「金寳自然酒」を発売したことでした。当時の日本酒の多くが醸造用アルコールや添加物を用いていた時代に、自然米と天然水のみで仕込む酒造りへと舵を切った先駆けとなりました。
現当主で杜氏を兼務する仁井田穏彦氏は、1994年(平成6年)に28歳で18代目蔵元に就任しました。就任当初は新ブランド「穏」を立ち上げ、父の代を超えることを目標に掲げていましたが、2009年の長女誕生を機に、目標は「親を超える」ことから「次の世代へ引き継ぐ」ことへと変化したといいます。2003年からは自社田での自然栽培に着手し、2009年9月には有機JAS認証を取得しました。
2010年、仁井田穏彦氏は仁井田本家として歴代初めて蔵元杜氏となり、2011年の創業300周年を機に「日本の田んぼを守る酒蔵になる」ことを掲げた自然派宣言を発表しました。以後、蔵で醸す酒のすべてを無農薬・無化学肥料の自然米100%、純米造り100%とする「全量自然米蔵」となっています。2025年11月には、水田における「リジェネラティブオーガニック」認証を世界で初めて取得しました。
酒造り
仁井田本家の酒造りの根幹にあるのは、自社で育てる酒米と蔵の周辺に湧く天然水です。酒米は「亀の尾」「雄町」「美山錦」「五百万石」などを農薬・化学肥料を用いずに栽培し、仕込み水には敷地内の「竹の内の井戸水」(硬水)と自社山の「水抜きの湧水」(軟水)の2種類の天然水のみを使い分けています。
酵母無添加で乳酸菌の力を借りて酒母を育てる生酛造りも大きな特徴です。看板銘柄「にいだしぜんしゅ」では2013年に乳酸を、2014年におり下げを廃止し、2015年からは生酛仕込みへと切り替え、2021年(令和3年)には仕込む酒の全量を生酛造りとしました。仕込みには、醪の一部を別のタンクに汲み出してから蒸米を加えて甘みを引き出し、再び戻す「汲み出し四段」という蔵伝来の技法を用いており、現在ではほとんど行われていない希少な製法で、蔵に代々伝わる独自の仕込み方です。
木桶を使った仕込みにもこだわり、2020年末からは自社山の杉で年1本ずつ木桶をつくる「福島木桶プロジェクト」に取り組んでいます(ヤマロク醤油の木桶職人復活プロジェクトで技術を習得)。
蔵データ
代表銘柄
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- 十八代
穏:「穏」は1994年に18代目蔵元・仁井田穏彦氏が立ち上げたブランドで、看板銘柄「にいだしぜんしゅ」と並ぶ人気シリーズです。有機栽培米と自社山の湧き水を用いて醸されています。純米大吟醸では有機栽培米を50%まで磨き込み、華やかな香りとみずみずしい甘み、すっきりとしたキレを両立させています。
自然酒:「にいだしぜんしゅ」は、1967年に先代が発売した「金寳自然酒」を前身とする仁井田本家のフラッグシップ銘柄です。2017年の発売50周年を機に現在の名称とラベルに刷新されました。生酛仕込みと蔵伝来の「汲み出し四段」製法により、米のうまみと甘みを引き出しつつすっきりとした後味に仕上げています。純米吟醸はフランスの日本酒コンクール「Kura Master」2019年度でプラチナ賞を受賞しました。
田村:「田村」は1997年(平成9年)、金寳自然酒の醸造開始から30周年を記念して発売された銘柄です。蔵のある郡山市田村町の地名を冠し、地域への感謝と次の百年への願いを込めています。自社田で栽培した自然米100%を用いた生酛純米酒で、米の旨みが豊かな辛口に仕上がっており、冷やしても燗をつけても楽しめます。
金寳自然酒:「金寳自然酒」は1967年(昭和42年)、仁井田本家が無農薬・無化学肥料の自然米と天然水のみで醸造し発売した先駆的な純米酒です。当時、醸造用アルコールや添加物を用いた酒が主流だった中で、無添加の酒として注目を集めました。2017年に「にいだしぜんしゅ」へと改称され、金寳の名は屋号や本格焼酎に受け継がれています。
見学・購入
あり(要事前確認)
敷地内に直売店を併設しているほか、公式オンラインストア「niida1711.shop」でも販売しています。
蔵見学は公式サイトからの事前予約制です。売店営業・電話受付は10:00〜17:00、土日祝日は定休日です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
sakenomy.jp / fukunosake.com / note.com / tohokukanko.jp / nippon.com / fks-ab.co.jp / kuramaster.com / 1711.jp / ja.wikipedia.org
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