SAKE BREWERY — FUKUSHIMA
鶴乃江酒造
紹介
江戸時代の寛政6年(1794年)、会津藩の御用達頭取を務めた永宝屋一族からの分家により創業した老舗酒蔵です。社名の「鶴乃江」は会津の象徴である鶴ヶ城と猪苗代湖に由来し、当主は代々「平八郎」の名を継承しています。
酒造りにおいては、昔ながらの「全量槽搾り(ふねしぼり)」や手造りに強いこだわりを持っています。地元会津の気候風土を生かし、福島県産の酒米や県開発酵母などを使用して、旨味がありつつすっきりとした後味の食中酒を中心に醸しています。藩祖保科正之の官位にちなむ「会津中将」のほか、母娘で立ち上げた「ゆり」、歴史ある屋号を復刻した「永寳屋」などのブランドを展開しています。
受賞歴も豊富で、「会津中将 純米大吟醸 特醸酒」が「SAKE COMPETITION 2015」の純米大吟醸部門で第1位を獲得したほか、2022年・2023年には福島県鑑評会にて県知事賞を受賞しています。
歴史
鶴乃江酒造は、寛政6年(1794年)に創業した会津若松市七日町の老舗蔵です。当主を務める林家は、会津藩の御用達頭取を務めた「永宝屋」一族の分家として酒造りを始めました。当主は代々「平八郎」の名を襲名しており、屋号の永宝屋は現在の銘柄「永寳屋」にその名を残しています。
明治初期には、会津の象徴である鶴ヶ城の「鶴」と、猪苗代湖を表す「江」の一字ずつを組み合わせ、社名を「鶴乃江」と改めました。昭和52年(1977年)には、会津藩の藩祖である保科正之の官位にちなんで「会津中将」ブランドを発表し、以後は地元会津の食卓に寄り添う食中酒として看板銘柄に育っています。
平成9年(1997年)には、七代目当主の長女である林ゆり氏が新たな酒造りに挑みました。ゆり氏は東京農業大学醸造学科を卒業後に家業へ入り、福島県清酒アカデミー職業能力開発校で学んで酒造技能士の資格を取得し、母で同じく酒造技能士の林恵子氏とともに、女性の視点による純米大吟醸「ゆり」を世に送り出しました。
令和3年(2021年)10月からは、林ゆり氏と、代表取締役に就任した夫の向井洋年氏が蔵の伝統を引き継いでいます。杜氏には平成18年(2006年)に入社した前島宏満氏が令和3年(2021年)に就任し、蔵元であるゆり氏とともに酒を醸す体制がとられており、令和4年(2022年)・令和5年(2023年)の福島県清酒鑑評会では県知事賞を連続で受賞しています。
酒造り
鶴乃江酒造の酒造りは、昔ながらの手作業と全量槽搾り(ふねしぼり)へのこだわりに特徴があります。醪を酒袋に一つひとつ入れて吊るし、重力だけで自然に滴り落ちる雫を集める袋吊りも行っており、機械搾りでは得られない繊細でふくらみのある味わいを生み出しています。酒の顔である醪を見て、日々変化する状態をみながら仕込む造りを続けています。
使用米は、福島県産の夢の香・五百万石・たかねみのり・美山錦をはじめ、山田錦、さらに広島県産の八反錦など、酒質に応じて複数の品種を使い分けています。八反錦は扱いの難しい米とされていますが、個性のある酒に仕上がるとして「会津中将」シリーズなどに用いられています。酵母は福島県が開発した酵母を中心に使用し、旨味がありながらすっきりとした後味の食中酒を軸に、幅広い味わいのラインナップを醸しています。
令和7年(2025年)の全国新酒鑑評会では、福島県産酒造好適米「福乃香」と会津産山田錦を用いた大吟醸で3年ぶりの金賞を受賞するなど、原料米の選定と技術の両面で高い評価を得ています。
蔵データ
代表銘柄
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- 永寳屋
会津中将:昭和52年(1977年)、会津藩祖・保科正之の官位にちなんで誕生した看板銘柄です。地元会津の杜氏が醸し、旨味がありつつすっきりとした後味で食卓になじむ食中酒が中心です。純米大吟醸特醸酒は100%山田錦を用いてSAKE COMPETITION 2015の純米大吟醸部門で1位を獲得したほか、福島県産酒造好適米「福乃香」を使った大吟醸は令和7年全国新酒鑑評会で金賞を受賞しています。
ゆり:平成9年(1997年)、七代目当主の長女で酒造技能士の林ゆり氏と、母で同じく酒造技能士の林恵子氏という母娘杜氏が醸す純米大吟醸として誕生しました。若い世代や女性にも日本酒の魅力を届けたいという思いから生まれ、福島県産の酒米と酵母を使い、華やかで香りがよく、きめ細かな味わいに仕上げています。
永寳屋:かつての屋号「永宝屋」を今の表記で復刻した銘柄です。広島県産の酒造好適米「八反錦」を用いた辛口純米酒で、香りは抑えめながら透明感のある口当たりに、すっきりとした旨味と切れのよい後味が特徴です。福島県産にこだわらず米を選び、蔵の技術で個性を引き出す一本という位置づけです。
見学・購入
直売所では自社銘柄を店頭で試飲しながら購入でき、営業時間は9時から18時まで、元旦のみ休業しています。
酒蔵見学の可否については情報源により「不可」「要予約で可能」と記載が分かれているため、訪問前に電話(0242-27-0139)などで直接確認することをおすすめします。会津若松市の七日町通り沿いに位置し、JR只見線七日町駅から徒歩圏内です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
fukunosake.com / sakenomy.jp / kennan-syuhan.co.jp / ntt-east.co.jp / tohoku-sakurakaido.jp / tsurunoe.com / aizukanko.com / sake-times.com / imadeya.co.jp / nanukamachi.com / tif.ne.jp
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