白嶽酒造
代表銘柄:白嶽
長崎県
NAGASAKI
1919年創業
長崎県対馬市に所在する「白嶽酒造株式会社(旧・河内酒造合名会社)」は、国境の島・対馬で唯一の造り酒屋です。1919(大正8)年、創業者・河内辰次が対馬の酒造権を買い取ったことで歴史が始まりました。2023年10月に、蔵の運営は河内酒造合名会社から白嶽酒造株式会社に引き継がれました。かつては平戸や五島から杜氏を招いて酒造りを行っていましたが、現在は先人の技術を引き継ぎ、地元対馬出身の杜氏が酒造りを担っています。緯度で見れば九州で最も北にあたる冷涼な気候と、豊かな山々が育む地下水を使用し、丁寧な酒造りを続けています。
代表銘柄である清酒「白嶽」は島民に長く愛され、大半が島内で飲まれているほか、麦と米をブレンドした本格焼酎「対馬やまねこ」やリキュール等も製造・販売しています。品質面でも高く評価されており、「白嶽 大吟醸」は全国新酒鑑評会で2021年から3年連続で金賞を受賞したほか、2024年の福岡国税局酒類鑑評会吟醸酒の部でも金賞を受賞しています。
白嶽酒造の歩み
白嶽酒造は、長崎県対馬市美津島町鶏知にある、対馬で唯一の造り酒屋です。九州本土と朝鮮半島のあいだに浮かぶ国境の島で、酒造りは米作りの盛んな土地で営まれることが多いなか、山が多く平地の少ない対馬はその条件に当てはまりませんでした。それでも100年以上にわたって、この島で清酒と焼酎を造り続けています。蔵の名も看板の清酒「白嶽」も、蔵の近くにそびえる霊峰・白嶽にちなんでいます。
酒蔵としての歴史は1919年(大正8年)、対馬で酒造業を営んでいた高橋氏から、河内辰次が酒造権を買い取ったことに始まります。この年に清酒「白嶽」の販売が始まり、蔵は河内酒造として歩み出しました。1933年(昭和8年)には河内酒造合名会社として法人化し、伊藤松太郎が初代の代表社員に就いています。創業のころは島内に清酒や焼酎を造る蔵が数軒ありましたが、やがて河内酒造だけが残り、島内の清酒の需要をほぼ一手に賄うようになりました。
戦前の最盛期には島内で8割近いシェアを占め、戦後は河内酒造の一社が島の市場を占める状態になりました。1984年には、麦焼酎と米焼酎をブレンドした本格焼酎「対馬やまねこ」の販売が始まりました。
杜氏は、かつて平戸の生月島や五島の小値賀島から招いていました。いまは地元・対馬出身の伊藤真太郎が杜氏を務めています。1991年に対馬で生まれ、東京農業大学の醸造科学科を卒業して2015年に入社し、2017年に杜氏となりました。いまは外部から杜氏を招かず、歴代の杜氏から受け継いだ技術と経験を生かして、対馬在住の地元の職人だけで酒を造っています。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降で10回入賞し、うち金賞は平成15・平成29・令和2・令和3・令和4の各酒造年度の5回です。平成29酒造年度は「純米大吟醸」、令和2から4酒造年度は「白嶽 大吟醸」での受賞で、令和2から令和4酒造年度は3年続けての金賞でした。ほかの入賞は平成16・17・19・22酒造年度と令和6酒造年度です。
福岡国税局の酒類鑑評会(福岡・佐賀・長崎の蔵が対象)では、平成15年には春と秋の2回開かれた鑑評会でいずれも吟醸酒の部の金賞を受け、平成14・18・19年に優等賞を受け、平成28年には純米酒の部で「純米酒つしま」が金賞に選ばれました。蔵の発表では、福岡国税局の吟醸酒の部で3回続けて金賞を受けています。令和3年には吟醸酒の部で「白嶽 純米大吟醸」、令和4年には本格焼酎の部でそば焼酎「木庭作」、令和6年と令和7年には吟醸酒の部で「白嶽 大吟醸」が、それぞれ金賞です。
2019年には創業100年を迎えました。2023年10月には、運営会社が河内酒造合名会社から白嶽酒造株式会社に変わり、伊藤真太郎は専務取締役と杜氏を兼ねる製造責任者になりました。2025年には、対馬産米100%の清酒「ZERO」を発売しました。毎年3月に酒蔵開きを開いており、2026年は3月15日に「みつしま春まつり」の一環として開かれ、約1,500人が訪れました。島内の人口が減るなかで、蔵は島外への販路を広げ、大量生産ではなく商品の価値を高めて、百貨店や専門店を中心に展開していく方針です。
酒造りの特徴
酒造りの要は水です。仕込みには、蔵の地下から汲み上げた対馬の天然水を使います。蔵の地下を流れるのは、水源の森百選に選ばれた鶏鳴の森の伏流水で、島の面積の約9割を占める山林に蓄えられた地下水です。蔵元は、緯度だけで考えれば九州で最も北にあたる冷涼な気候と、この地下水を生かして酒を造っていると語ります。原水のままでも飲める軟水で、発酵がおだやかに進み、やわらかく甘みのある酒に仕上がります。伊藤は「米は動かせるが、水は動かせない」と語ります。軟水のため水に手を加えることも少なく、ろ過で異物を取り除く程度です。
仕込みは三段仕込みです。まず仕込み全量の10%未満にあたる酒母を造って健全な酵母を増やし、酵母が十分に増えたら、初添、仲添、留添の3回に分けて量を増やしながら仕込みます。米と水を一度に大量に入れると濃度が薄まり、野生酵母や雑菌が繁殖しやすくなるため、この方法をとっています。製造の流れは、精米、洗米、浸漬、蒸米と放冷、麹造り、酒母造り、もろみの仕込み、上槽、ろ過と火入れ、貯蔵と調合、瓶詰めの順です。
原料米は酒造好適米を使います。対馬では酒造好適米が栽培されていませんが、対馬産の契約栽培米も使い、対馬の米で醸す「オール対馬産」の酒造りにも挑戦してきました。2025年に発売した「ZERO」は、対馬産の米と麹、そして水で仕込んだ酒です。「白嶽 大吟醸」は福岡県産山田錦を100%使い、精米歩合38%、速醸系酒母で、低温でじっくり仕込みます。「白嶽 純米酒つしま」は福岡県糸島産の山田錦100%、精米歩合60%の純米酒です。設備は昔ながらのまま使い続けています。米を洗う機械は50年来のものが使われています。
巨大な釜やタンクも昔のままで、タンクにははしごを使って登って作業します。4メートルほどある昔ながらの櫂棒も現役です。
焼酎も蔵の大きな柱で、2022年時点で生産量の約4割を占めていました。「対馬やまねこ」は麦焼酎8に米焼酎2をブレンドした麦米焼酎で、水源の森百選に選ばれた鶏鳴の森の地下水で割水します。名前は、対馬で密造酒を指す「やまねこ」と天然記念物のツシマヤマネコを掛けて、前社長が付けました。ほかに、日本酒用の黄麹と酵母で造る純米焼酎「こっぽうもん」(対馬の方言で頑固者の意)、芋焼酎「伊藤」、酒粕を使った粕取り焼酎「対州25」、樫樽で長く貯蔵した麦焼酎に米焼酎をブレンドする「やまねこPREMIUM」があります。
吟醸古酒から造った梅酒などのリキュールも手がけています。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
白嶽
対馬の霊峰・白嶽にちなむ蔵の看板銘柄で、1919年の創業とともに販売が始まりました。甘口で飲み飽きない味わいが島民に親しまれ、そのほとんどは島内で飲まれています。大吟醸は福岡県産山田錦100%・精米歩合38%、純米酒つしまは糸島産山田錦100%・精米歩合60%で、上撰、原酒、生酒、にごり酒もそろいます。全国新酒鑑評会では、平成29酒造年度に純米大吟醸、令和2から4酒造年度に大吟醸で金賞を受けました。
楽天で商品を見る見学・購入
- 直売所
- 公式オンラインショップ(白嶽酒造)で日本酒・焼酎・リキュールを通信販売しています。
- 補足
- 酒蔵開きは毎年3月に開催しています。2026年は3月15日に「みつしま春まつり」の一環として開かれ、約1,500人が訪れました。杜氏による説明を聞きながらの酒蔵見学会、新酒の樽酒、新酒の特別販売が行われます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 長崎県対馬市美津島町鶏知甲490-1
- 創業
- 1919年
- 公式サイト
- www.kawachi-shop.jp
出典
kawachi-shop.jp / risokyo.or.jp / shiratakeshuzo.co.jp / sakenomy.jp / jalan.net / nta.go.jp / nrib.go.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / tsmzen.com / foodgroovejapan.com
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。