潜龍酒造
代表銘柄:みずの光彩・本陣・神の光
長崎県
NAGASAKI
1688年創業
長崎県佐世保市江迎町にある潜龍酒造は、1688年(元禄元年)に平戸藩の奉行を務めた初代山下庄左衛門が藩命により創業した老舗酒蔵です。参勤交代時に平戸藩主の御旅舎として使われた「本陣屋敷跡」は長崎県指定史跡、創業当時から現在も醸造に使われている「酛蔵(もとくら)」は長崎県指定有形文化財となっています。
酒造りでは「地元の米・水・人」にこだわり、創業のきっかけとなった敷地内の湧き水や地元契約農家の米を使用。昔ながらの和釜を用いた米蒸しや槽(ふな)しぼりなどの伝統技法を守りながら、季節感のある酒造りを行っています。
銘柄には、平戸松浦氏の三つ星の紋章を冠した看板酒「本陣」のほか、長崎の米・水にこだわり「い草ラベル」を巻いた「みずの光彩」、地元産のイセヒカリ米を用いた「神の光」などがあります。また、「本陣 純米吟醸」がフランスの酒類コンクールでプラチナ賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ています。
潜龍酒造の歩み
潜龍酒造は、元禄元年(1688年)に平戸藩の七浦奉行を務めていた初代山下庄左衛門が、藩命によりこの地で酒造業を始めたことに由来します。酒造りを始めるきっかけとなったのは、敷地内に湧いていた清らかな湧き水でした。創業当初から、山下家の屋敷は平戸藩主が参勤交代や長崎港警備に出向く際の専用の宿泊所(本陣)としても使われており、酒造りと本陣としての役割はともにこの地で始まりました。看板銘柄「本陣」の三つ星の印は、この由来にちなみ平戸松浦氏の家紋を用いたものです。
参勤交代の宿として使われた本陣屋敷跡は、御成門や御成の間(枕水舎)などが江戸期の姿のまま保存されており、長崎県の指定史跡となっています。また、現在も酒造りに使われ続けている酛蔵(もとぐら)は、創業当時の元禄年間に建てられたと伝えられており、釘を一切使わない特殊な組込み式の建築で、長崎県指定有形文化財に指定されています。屋敷の庭園は京都から庭師を招いて造らせたもので、「罷瀧(まがりだき)」と名付けられた滝が流れています。表庭の茶室に入る角には水琴窟も残り、平戸藩の歴史を今に伝えています。
酒造業を営んできた山下家は、昭和29年に潜龍酒造株式会社として法人化しました。現在は初代庄左衛門から数えて十三代目の当主が代表を務め、創業から受け継いできた伝統的な技法を守りながら、時代の嗜好に合わせた酒造りにも取り組んでいます。清酒のほか、漬物などの食品製造販売も手がけており、地域に根ざした商いを続けています。
酒造りの特徴
潜龍酒造の醸造期間は毎年11月から翌年3月までの冬季に限定されています。仕込みに使う酒米は地元江迎町の契約農家が育てたものを用い、蔵の敷地内に湧く水とともに、地の米・地の水・地の人にこだわった酒造りを行っています。機械による温湿度管理に頼らず、職人が気温や湿度を肌で感じ取りながら作業のタイミングを見極める、季節に沿った酒造りを守り続けているのが特徴です。
発酵の要となる米麹づくりは手作業で行い、酒母や醪もじっくりと時間をかけて見守ります。搾りの工程では、酒袋を並べて上から圧力をかけてゆっくりと搾る「槽(ふな)しぼり」を用いており、雑味の少ない酒と栄養価の高い酒粕が生まれます。この副産物である酒粕は、酒粕漬けや板粕などの食品にも活用されています。
商品のラインアップは、地元契約農家の山田錦を精米歩合40%まで磨いた純米大吟醸・大吟醸から、特別純米・純米、普通酒まで幅広く展開しています。加えて、ざぼんやデコポンなど長崎らしい柑橘素材を使ったリキュールや、自社梅林の梅を漬け込んだ梅酒「ウィリアム・アダムス」、吟醸酒粕を使った焼酎なども手がけています。「ウィリアム・アダムス」は「Kura Master 2023 PARIS」の梅酒コンクールで金賞を受賞しました。日本酒を軸にしながら食卓を彩る多様な酒を送り出しています。
代表銘柄
みずの光彩
長崎県産の山田錦(精米歩合60%)と地元の水にこだわった特別純米酒です。程よいコクとキレの良さに、純米らしい旨味と芳醇な香りが調和し、冷やから常温、ぬる燗まで幅広く楽しめます。ラベルにい草を巻いた意匠が特徴で、特約店でしか手に入らない銘柄として知られ、蔵の直売所でも扱っています。福岡国税局主催酒類鑑評会純米の部で、平成25年と平成27年に金賞を受賞しています。
本陣
蔵の由来である平戸藩主の宿所「本陣」を銘柄名に冠し、平戸松浦氏の家紋「三つ星」を印としています。地元契約農家の山田錦のみで醸す純米吟醸は、フランス・パリの日本酒コンクール「Kura Master」純米酒部門で2022年から2024年まで金賞を、2025年にはプラチナ賞を受賞しました。大吟醸「本陣 ふるさと讃歌」は全国新酒鑑評会で平成15・16・17・20・22・23酒造年度に金賞、福岡国税局主催酒類鑑評会吟醸の部で令和4年に金賞を受けている、蔵を代表する看板銘柄です。
神の光
伊勢神宮の献上米として知られる「イセヒカリ」を原料米に用いた本醸造酒です。風にも強く美味なことから「驚異の稲」とも呼ばれる品種で、精米歩合65%まで磨いています。日本酒度+2.5、酸度1.3とすっきりとした辛口に仕上げ、冷やでも燗でも楽しめる味わいです。アルコール度数15度で、本醸造・特別本醸造酒に分類されています。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 本社社屋の1階に直売所を併設しており、特約店限定の「みずの光彩」や通販限定商品、地元の特産品などを購入できます。
- 補足
- 毎年春と秋に酒蔵の祭り「蔵開き」を開催しているほか、本陣屋敷と酛蔵の見学も受け付けています(5名様より、2〜7日前までに要予約)。ただし12月は酒造り繁忙期のため見学を受け付けておらず、1〜3月も本陣屋敷のみの見学となる場合があります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 長崎県佐世保市江迎町長坂209
- 創業
- 1688年
- 公式サイト
- www.senryuu.jp
出典
youtube.com / nagasakisanpin-database.jp / sake-honjin.com / senryuu.jp / nrib.go.jp / sakenowa.com / h-toyojiro.com
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