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玉旭酒造

代表銘柄:玉旭・おわら娘

富山県

TOYAMA

1808年創業

富山県富山市八尾町(「越中八尾おわら風の盆」で知られる地域)に位置する、1808年創業の老舗酒造場です。仕込み水には北アルプス立山連峰の恵みである常願寺川水系の軟水地下水を使用し、すべての酒に富山県産米を採用するなど、水・米・蔵人にいたるまで富山県産にこだわった酒造りを行っています。大量生産を行わず、一本一本真心を込めた手造りを徹底しており、代表銘柄「玉旭」のほか「おわら娘」などの商品を展開しています。

創業以来、地元を中心に「淡麗辛口」の清酒を提供してきましたが、近年の食生活の多様化に伴い、伝統技法を踏襲しつつ新たな取り組みも実施。全国的にも珍しい「酒母搾り」という製法を用いて造る新感覚の純米酒「ECHOES」や、富山県のブランド米「富富富」を使った日本酒の開発など、酒造りの新たな可能性を探る挑戦を続けています。

玉旭酒造の歩み

玉旭酒造は、富山市南西部の八尾町にある酒蔵です。八尾は毎年9月1日から3日に開かれる「越中八尾おわら風の盆」で知られ、毎年約20万人の観光客が訪れます。昔ながらの家並みが続く坂の町にあり、蔵は八尾おわら資料館から徒歩1分ほどの場所に構えています。創業は1808年(文化年間)で、二百年を超える歴史を持つ県内有数の老舗です。

八尾町は富山県内でも低温で雪深い土地で、その地域性を生かせると考えた先祖がこの地で酒造りを始めたと伝わります。50〜60年ほど前まで町内に7軒あった造り酒屋は、いまは玉旭酒造と福鶴酒造の2蔵になりました。この2蔵は互いの酒を混ぜたブレンド酒「八尾ブレンド」を商品化し、サンヨー食品「サッポロ一番」のテレビCMにも共演しました。撮影は町内の老舗旅館、宮田旅館で行われました。

先代の時代までは、能登杜氏組合に所属する杜氏と蔵人が酒を造ってきました。13代目にあたる玉生貴嗣さんは、1997年に蔵へ入り、2002年に専務取締役に就きました。社長となった玉生さんと嶋杜氏は、ともに能登杜氏のもとで酒造りを学びました。蔵では「温故知新」を合言葉に伝統の酒造りを大切にしながら、「未来は過去の延長にはない。思い切って挑戦することを忘れるな」という受け継いだ精神を掲げています。

挑戦の成果は、酒の姿に表れています。2012年から、少なくとも2023年まで毎年、富山市奥田本町の奥田神社の境内に湧く御神水「無病の水」を仕込み水に使い、純米吟醸「さら宮」を仕込んできました。2013年には地域の活性化をきっかけに稲作りを始め、現在は八尾町桐谷で酒米を育てています。2024年のKura Master日本酒コンクールでは、玉旭ECHOESが純米酒部門のプラチナ賞を受けています。

2024年1月の能登半島地震の際は、石川県と富山県の酒造組合を支援するため、1月18日から復興支援大吟醸を売り出しました。わずか4日で694本が売れ、総売上の1,603,140円を両県の酒造組合の口座へ等分して寄付しています。2024年2月には、富山県酒造組合の全蔵が参加した復興支援ボトル「玉旭ブラックスワン」(一升瓶・限定10本)の3月1日発売を発表しています。先代まで能登の杜氏とともに歩んできた蔵にとって、能登の人と酒は忘れてはならない存在です。

酒造りの特徴

酒造りの柱は、水・米・人のすべてを富山県産にすることです。仕込み水は北アルプス立山連峰の恵みである常願寺川水系の軟水地下水で、2020年時点では上水道を使わず100%天然水で仕込んでいました。2025年時点で、酒米は10年ほど前から全量が富山県産米で、蔵人も同じく10年ほど前からすべて富山の人です。使う米は雄山錦、山田錦、富富富などで、山田錦は2020年時点で25年ほど前から富山県内で先駆けて使い、大吟醸にはすべて富山県産の山田錦を使っています。

酒質の軸は淡麗辛口です。大吟醸は協会酵母を使い、低温でゆっくり長く発酵させる低温長期型の吟醸造りで、吟醸香が高く、淡麗辛口ながらまろやかな口当たりに仕上げます。「風の盆恋唄」は富山県産山田錦を40%まで磨いた限定の大吟醸で、「おわら娘」の大吟醸は山田錦50%精米です。純米吟醸「おわらの里」は雄山錦を55%まで磨き、本醸造原酒の「おわら祭」は18度の力強い酒です。生酒には、山田錦の大吟醸BLUE、雄山錦の純米吟醸BLACK、純米うすにごりのWHITE、純米無濾過原酒のDESPERADOが並びます。

最大の特徴が、全国でもごくわずかな酒母搾りです。本仕込みの前の酒母の段階で搾る方法で、本仕込みで得られる量の10%ほどしか取れませんが、旨味と甘味と酸味が共鳴する味になります。玉旭ECHOESはアルコール度数12度、日本酒度マイナス55前後、酸度8.0前後、精米歩合60%で、発泡性のECHOES Σや貴醸酒のECHOESも造っています。富富富を70%まで磨いた酒母搾りもあり、富山のブランド米を使った新しい挑戦になっています。

原料の米は自分たちでも育てています。八尾町桐谷の集落で雄山錦を作り、田植えや稲刈りには酒販店や中学生も手伝いに訪れます(2022年時点)。2025年5月11日にも桐谷で田植え会を開きました。仕込みは11月から2月に行い、約4,800リットルが入る緑色の大きなホウロウ樽で、冷えた場所に貯蔵しています。

代表銘柄

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玉旭

玉旭は蔵の名を冠した銘柄で、玉は誰からも愛されるおおらかさ、旭は酒と時間を共にする料理やおわらの踊り手、祭りの曳山を照らす存在でありたいという願いを込めた名です。生酒のBLACK、BLUE、WHITE、DESPERADOに加え、酒母搾りのECHOESが代表格です。玉旭ECHOESは2024年のKura Master日本酒コンクールで純米酒部門のプラチナ賞を受け、甘味、旨味、酸味が響き合う新感覚の日本酒です。

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おわら娘

おわら娘は、八尾の唄と踊り「おわら」にちなんだ代表銘柄で、観光客のお土産にも選ばれています。大切に育てた娘を嫁に出したいが離れるのは寂しい、という親心を酒に重ねた名前で、ラベルにはおわらの歌詞の一節「酔えばおのずと踊りの手振り、酒よ八尾のオワラ玉旭」が入っています。大吟醸は山田錦50%、上撰本醸造は淡麗な中にコクと旨みがある昔ながらの辛口で、幅広い温度帯で楽しめます。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵の売店(富山市八尾町東町2111)があります。営業は9時から19時で、日曜と祝日が休みです。コインサーバーで楽しむ利き酒体験は、1杯100円、6杯500円で、20歳以上が対象です。
補足
一般の方向けの蔵見学は行っておらず、見学は酒販店からの相談に限られます。田植え会などのイベントに参加すれば、蔵の酒造りに触れられます。蔵は八尾おわら資料館から徒歩1分ほどで、駐車場は5台分です。八尾曳山祭の日は蔵の周辺一帯が交通規制となります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
富山県富山市八尾町東町2111
創業
1808年
公式サイト
tamaasahi.jp

出典

sakedata.jp / tamaasahi.jp / sakenomy.jp / info-toyama.com / maff.go.jp / sakagura-press.com / kuramaster.com / toyama-sake.or.jp / jozo.or.jp / yamanaka-sake.jp / sakearchive.hatenablog.jp

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