吉乃友酒造
代表銘柄:よしのとも
富山県
TOYAMA
1877年創業
1877年(明治10年)創業、富山県富山市婦中町に位置する酒蔵です。代表銘柄の「よしのとも」をはじめ、原料米には富山県産米を100%使用し、立山連峰の伏流水で醸す純米酒造りにこだわっています。
2014年に地元の酒米農家の有志が「株式会社越乃めぐみ」を設立し、のちに同社の子会社となりました。2017年には精米機を導入して米の栽培から精米、醸造までを一貫して自社グループで手掛ける体制を構築しました。
伝統的な「よしのとも」シリーズのほか、純米大吟醸ブランド「后(kisaki)」などを展開しています。「后 28 Black」が2018年にロンドンの「NAMAZAKE AWARD」でグランプリを獲得したほか、「后 スプラッシュPINK」が「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2025」のプレミアムスパークリングSAKE部門で最高金賞を受賞しています。
吉乃友酒造の歩み
富山市婦中町下井沢にある吉乃友酒造は、西南戦争の年にあたる1877年(明治10年)に創業した酒蔵です。銘柄の「吉乃友」は、蔵元の姓の吉田から「吉」を、酒を酌み交わす友を意味する「友」を取ったものです。米だけを原料とする本来の日本酒を理想に掲げ、地元に根ざした酒造りを続けてきました。
純米酒への取り組みは早く、1965年ごろから他社に先がけて純米酒を造りはじめました。1985年ごろには純米酒の比率が5割を超え、2005年時点では全体の95%を占めていました。現在は純米酒しか造らない純米蔵です。販売面でも、1965年ごろから問屋に頼らず、東京周辺の酒屋を直接訪ねて売り込み、試飲即売会も積極的に開いてきました。当時5代目の吉田満さんが社長を務め、「越中田舎酒・よしのとも」と染め抜いたはっぴを着て出張先を回っていました。
製造量は700石、社員は8名という規模で、蔵で分離した自家酵母を使った濃醇辛口の燗酒が持ち味でした。主力の「よしのとも 純」は、富山県地産呼称委員会から平成16年度の「富山のお酒」に認定されています。
転機は2014年7月でした。酒米を育てる地元の農家の有志が、酒米の栽培から精米、酒造り、販売までを一貫して手がける6次産業化をめざし、株式会社越乃めぐみを設立します。新たに酒造免許を取るのは難しいため、まずは酒米を近隣の吉乃友酒造に託して醸造を委託し、平成27酒造年度に自家栽培の山田錦を使った純米大吟醸「一粒一水」を世に出しました。吉乃友酒造は後継者が定まらなかったことから越乃めぐみに蔵を託し、農家が主体となる越乃めぐみの子会社となりました。
また2017年には北陸初の酒米専用の最新鋭精米機を導入し、米づくりから精米、醸造までをグループで担う体制がととのいました。
2018年には純米大吟醸のブランド「后(kisaki)」を立ち上げ、「后 Black 28」と「后 Black 50」を発売しました。同じ年にロンドンで開かれた生酒のイベント「NAMAZAKE AWARD」で、「后 28 Black」が来場者の審査により出品39銘柄の中から最高賞(グランプリ)に選ばれています。同年から海外への輸出事業も始め、米国、ヨーロッパ、アジアの国々と取引があります。2022年からはスパークリング日本酒の開発に着手し、2024年に「后 Pink Splash」を完成させました。
この酒は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2025」のプレミアムスパークリングSAKE部門で最高金賞を受賞しています。
近年は受賞と協業が相次いでいます。2025年9月には画家・町山耕太郎さんとの「后 Art Series」を発売し、同月にはロッテのビックリマン地方創生企画で「よしのとも×ブラックゼウス」を数量限定で出しました。2026年3月にはアーティストの空山基さんとの限定スパークリング純米大吟醸「アフロディーテ」を発表しています。
2026年にはIWCで「后 50 Black」と「よしのとも 純」がシルバー賞、「富然 暁」がブロンズ賞を受賞し、SAKE COMPETITION 2026の純米大吟醸部門では「后 50 Black」がGOLDに選ばれました。同年5月には定番の「よしのとも 純」を、辛口からマスカットを思わせる瑞々しい味わいへ刷新しています。
酒造りの特徴
吉乃友酒造は、純米酒しか造らない純米蔵です。酒米には富山県産の山田錦と五百万石を使い、「后」シリーズや「富然」には山田錦を、定番の「よしのとも 純」には五百万石を用いています。酒米の個性を丁寧に見極め、酵母が健やかに働く状態へ整えることを大切にしています。目指すのは、飲むほどに旨さを感じ、飽きがこない酒質です。和食はもちろん、幅広い料理と調和し、日本酒の初心者にも気軽に楽しんでもらえる酒を掲げています。杜氏は青木宏志さんです。
酒造りの特色は、精米を自社で行うことです。蔵では「ダイヤモンドロール精米機」を使い、米に傷がつかないよう低温でゆっくりと、真珠のように丸く磨き上げます。米一粒ひと粒の性質を深く理解したうえで醸せることが強みで、精米の技術が評価され、近年は有名酒蔵の精米も手がけています。「后」シリーズは精米歩合の違いで個性を打ち出し、「后 50 Black」は発酵の過程で失われがちな旨味成分を丁寧に引き出して、米の旨味と甘味、酸味を調和させた仕上がりです。
「后 ∞ Pink」は山田錦を50%まで磨き、粕歩合をあえて高めた贅沢な仕込みで、アルコール度数11%の軽やかな飲み心地です。
仕込み水には、標高3,000メートル級の山々が連なる立山連峰を水源とする伏流水を使います。蔵の敷地内の地下から汲み上げており、富山県は全国有数の降雨地域で、冬は雪も多く、山々に降り積もった雪が水源となっています。この水は蔵を訪れた際に試飲することもできます。また、スパークリングの「后 Pink Splash」は瓶内二次発酵によるきめ細かな泡が特徴で、「日本酒での乾杯酒」を求める海外の取引先の声から生まれました。
純米酒を軸にしながら、リキュール類も手がけており、幅広い飲み手に向けた商品づくりを続けています。
代表銘柄
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よしのとも
蔵の名を冠した定番の純米酒「よしのとも 純」です。富山県産の五百万石を65%まで磨き、蔵で汲み上げた立山連峰の伏流水で仕込みます。この「よしのとも 純」はIWC 2026でシルバー賞に選ばれています。2026年5月のリニューアルで、従来のキリッとした辛口から、マスカットを思わせる瑞々しい果実味へと味わいを改めました。甘味と酸味が心地よく調和し、口当たりはなめらかで、軽快なキレが後味を引き締めます。
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- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵に併設された販売所で、お酒の販売と試飲ができます。営業時間は8時から17時です。
- 補足
- 蔵見学は予約制で、2026年は4月から9月まで受け付け、仕込みの時期にあたる10月から3月は休止しています。休止中も、販売所での販売と試飲は通常どおりです。仕込み水は蔵を訪れた際に試せます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 富山県富山市婦中町下井沢3285-1
- 創業
- 1877年
- 公式サイト
- yoshinotomo.com
出典
prtimes.jp / yoshinotomo.com / doyu.jp / info-toyama.com / sake-times.com / wikipedia.org / jp.sake-times.com / projectdesign.jp / finesakeawards.jp / sakecompetition.com
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