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吉崎酒造

代表銘柄:吉壽

千葉県

CHIBA

1624年創業

千葉県君津市久留里に位置する吉崎酒造は、寛永元年(1624年)創業と伝えられる千葉県最古の酒蔵です。代表銘柄には「吉壽(きちじゅ)」や大吟醸「月華」などがあります。

酒造りの要となる仕込み水には、平成の名水百選に選ばれた「久留里の水」を使用しています。自社所有の井戸から湧き出る地下水はやや軟水で、やわらかく優しい口あたりを生み出します。原料米には千葉県産の「総の舞」をはじめ「八反錦」「山田錦」などを使用し、精米歩合に合わせて使い分けています。

明治時代から受け継がれた酒蔵では、米を蒸す和釜といった昔ながらの道具を大切に用いながら、一部の工程で機械を導入して伝統の仕込みを行っています。純米吟醸や本醸造、発泡清酒のほか、竹の節の間に酒を封入する独自技法を用いた「ふしぎな竹酒」など、時代やニーズに合わせた幅広い製品を手がけています。

吉崎酒造の歩み

吉崎酒造は、上総国の城下町として栄えた久留里、現在の千葉県君津市久留里市場で酒造りを続ける蔵元です。創業は寛永元年(1624年)と伝えられ、千葉県に現存する酒蔵のなかで最も古い蔵とされています。千葉は江戸時代に利根川や江戸川の水運とともに醸造業が発展した土地で、明治期には県内に237軒もの酒蔵がありました。

当主の吉崎明夫さんは17代目にあたります。江戸時代に越前、いまの福井県の方から久留里へ移ってきたことから、屋号は「越前屋」です。越前から上総へ移った理由は分かっていません。酒は近くを流れる小櫃川の舟運で木更津へ運ばれ、そこから東京湾を経て江戸へ送られていました。東京湾の海上交通が発達するにつれて、久留里周辺でも酒造りが盛んになったのです。

蔵のある久留里は、水の町でもあります。江戸時代の嘉永4年(1851年)には、千葉県で最初の水道を試みた土地として知られ、明治16年以降は上総掘りの井戸が町内各地に掘られました。町内各地の上総掘りの井戸からは、地下水が自噴しています。久留里の水は平成20年6月に、千葉県では唯一、平成の名水百選に選ばれました。吉崎酒造の酒造りは、この水に支えられてきました。

主力の商標「吉壽」は昔からある銘柄です。大吟醸ブームのあとには大吟醸を造るようになり、「月に華」と書く「月華」の名で出しています。蔵は明治時代に建てられたものをそのまま使い、古い道具も使えるものは使い続けています。一方で、運搬のような重労働の部分は機械化するという形で、時代に合わせた変化を重ねてきました。

地元の催しにも力を入れており、コロナ禍の前は毎年3月の第1週に、久留里の酒蔵が新酒を持ち寄る新酒祭りを開いていました。コロナ禍のあいだは宴会や祭りが開けず、蔵元は、酒を皆で楽しむ文化が失われてしまうのではと心配しました。2023年の春にその新酒祭りが復活しました。

酒造りの特徴

仕込み水は、平成の名水百選に選ばれた「久留里の水」です。蔵の敷地には上総掘りの自噴井戸があり、吉崎酒造は3つの井戸を所有しています。地下数百メートルから湧き出る水はやや軟水で、やわらかくやさしい口あたりの酒になります。久留里では上総掘りによって、地下400メートル以上から水を引き出す井戸が掘られています。

酒米には、千葉県産の「総の舞」、広島県産の「八反錦」、兵庫県産の「山田錦」などを使います。どの米を使うかは精米歩合に合わせて決めており、たとえば純米吟醸「吉壽」は精米歩合60パーセント、大吟醸「月華」には山田錦を精米歩合40パーセントまで磨いたものがあります。明治時代から使い続ける蔵では、米を蒸す和釜が今も現役で、かつては薪や石炭を熱源にしていましたが、いまはボイラーを使っています。蒸した米はかつて人力でかついでいましたが、現在はエアシューターや電動リフトで運び、重労働を減らしながら昔ながらの製法を守っています。

商品の幅は広く、本醸造や吟醸、純米吟醸、大吟醸のほか、純米吟醸を常温の土蔵で5年以上寝かせた長期貯蔵酒「雨城乃夢」があります。発泡清酒は、甘さをひかえめにし、お酒好きにも満足してもらえるよう度数を10度にした炭酸入りの一本です。粕取焼酎も造っており、久留里の水を使った地サイダー「久留里サイダー」も手がけています。

ネット販売で人気なのが「ふしぎな竹酒」です。切り出した生の青竹や、表面を焼いた焼竹の節と節のあいだに、独特の技法で酒を封じ込めたもので、中身は本醸造と本格焼酎から選べます。どこからどうやって詰めたのか分からないように作られており、飲むときは節に穴を開けて注ぎます。注文を受けてから竹に詰めるため、発送までに時間がかかります。飲み頃は詰めてから3日目から3週間で、還暦や古希、米寿といった長寿の祝いの贈り物に選ばれています。

代表銘柄

吉壽

「吉壽」は、吉崎酒造の主力の商標です。代表的な純米吟醸は精米歩合60パーセントで、純米のふくよかさと吟醸のさわやかさをあわせもつ甘辛中庸の味わいです。日本酒度はプラス1、酸度は1.8、アルコール度数は15度以上16度未満です。このほか本醸造、吟醸、発泡清酒、長期貯蔵酒、粕取焼酎などが「吉壽」の名前で出ています。

見学・購入

蔵見学
なし
直売所
蔵の敷地内に酒を買える店舗があり、「吉壽」の各種のほか、発泡清酒や久留里サイダーも並んでいます。営業時間は平日が8時から18時、土曜・日曜・祝日が11時から18時で、定休日は不定休です。駐車場は5台ほどで無料です。通信販売も行っています。
補足
蔵見学は行っていません。アクセスはJR久留里線の久留里駅から徒歩5分です。毎年3月ごろに久留里の酒蔵が新酒を持ち寄る「久留里新酒まつり」が開かれ、2025年3月2日の第8回では吉崎酒造も試飲会場になりました。久留里駅前の久留里観光交流センター内にある「生きた水久留里 酒ミュージアム」でも、吉崎酒造を含むかずさ8蔵の酒を試飲できます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
千葉県君津市久留里市場102
創業
1624年
公式サイト
kichiju-gekka.com

出典

sakenomy.jp / japansake.or.jp / chiba-sake.jp / chibakeikyo.jp / kimitsu.lg.jp / chibasake.com / maruchiba.jp / kimitsu-kankou.com / city.kimitsu.lg.jp / kichiju-gekka.com / program.bayfm.co.jp / online.perie.co.jp / jp.sake-times.com / deepland.blog / kisarepo.jp

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