SAKE BREWERY — CHIBA

木戸泉酒造

千葉県いすみ市大原7635-1 1879年創業

紹介

明治12年(1879年)創業の千葉県いすみ市に所在する酒蔵です。昭和31年(1956年)に独自開発した「高温山廃仕込み」を導入し、天然の生乳酸菌を用いて高温で酒母を仕込む、調味薬品類を使用しない自然醸造を基本としています。昭和41年(1966年)には添加物や防腐剤(サリチル酸等)を使わずに劣化しない長期熟成酒(古酒)の開発に成功し、1971年に「オールド木戸泉」を発売したほか、昭和42年(1967年)からは無農薬・無化学肥料の自然農法産米を使用した酒造りを開始しました。昭和47年(1972年)には一段仕込みの多酸酒「afs(アフス)」を発売。代表銘柄の「木戸泉」のほか、果実のような酸味が特徴の「afs」、原料米に山田錦を使用した山廃純米酒「白玉香」など、伝統と独自の醸造技術を活かした酒造りを展開しています。

歴史

木戸泉酒造の創業は明治12年(1879年)です。もとは醤油・味噌の商いや塩の元売り、漁業など複数の生業を営む家で、港にゆかりがあり、使い手のなくなった酒造用の桶を引き取ったことが酒造りの始まりと伝えられています。当初の商号は「泉藤」でしたが、のちに現在の「木戸泉」に改められました。屋号の「木戸」に酒をあらわす「泉」を合わせた名です。昭和27年(1952年)には資本金700万円で株式会社として発足し、経営の体制を整えています。

蔵の性格を大きく決定づけたのは昭和31年(1956年)、三代目蔵元の代の転換でした。それまで一般的だった保存料添加による酒質の安定化をやめ、天然の生きた乳酸菌を用いて高温で酒母を仕込む「高温山廃仕込み」の実験に着手しています。三代目は、合成保存料の使用が法令で禁止される昭和44年(1969年)よりも10年以上前に、自らの判断で保存料の使用をやめていました。体に入るものだからこそ余分なものを使わず、害のないものを造りたいという考えが背景にあったといいます。

昭和40年(1965年)、保存料を使わずに劣化しない長期熟成酒の開発に成功します。この技術をもとに昭和46年(1971年)、9年ものの古酒「オールド木戸泉」を東京都内で発売し、人気を集めました。続く昭和47年(1972年)には、三段仕込みではなく原料を一度に仕込む一段仕込みによる多酸酒「アフス」を発売し、昭和51年(1976年)には純米古酒「古今」を世に送り出しています。

米づくりへの取り組みも三代目の思想から始まりました。昭和42年(1967年)より、農薬や化学肥料を使わない自然農法産の米を酒造りに取り入れています。平成に入ってからも古酒への取り組みは続き、平成13年(2001年)にはアフスの仕込みを復活させ、平成20年(2008年)にはヴィンテージシリーズの古酒「玉響」の発売を開始しました。平成25年(2013年)には地元大原で「外房いすみ酒蔵開き」が初めて開催されています。平成28年(2016年)に荘司勇人氏が五代目蔵元に就任し(杜氏就任は平成25年)、三代目が確立した酒造りの方針を変えることなく受け継いでいます。

酒造り

木戸泉酒造を象徴するのが「高温山廃仕込み」です。一般的な山廃酛が7〜9度前後の低温で仕込まれるのに対し、木戸泉ではすべての酒母を55度前後の高温で仕込みます。この温度は麹菌がでんぷんを糖化するのに適した温度であると同時に、雑菌の多くが死滅する温度でもあり、天然の生きた乳酸菌が働くことで、通常の山廃仕込みよりも短い期間で力強い酒母を仕上げることができます。防腐剤や調味のための添加物を一切使わずに長期保存・長期熟成に耐える酒質は、この酒母造りによって支えられています。

仕込み水にはいすみ市の中硬水を用いており、蔵ではミネラル分を含んだ酒造りに適した水と位置づけています。使用米は昭和42年(1967年)以降、農薬や化学肥料を用いない自然農法産の米への切り替えを進めており、自然栽培米には五百万石や華吹雪を用い、そのほか山田錦なども使用しています。将来的には使用する米のすべてを自然栽培米にすることを目標に掲げ、少しずつ切り替えを進めています。現在は五代目蔵元兼杜氏の荘司勇人氏が造りを統括しています。東京農業大学醸造学科で学び、平成13年(2001年)に蔵へ入り、平成25年(2013年)に杜氏、平成28年(2016年)に五代目蔵元となり、三代目が確立した醸造方針を変えることなく踏襲しています。

蔵データ

所在地

千葉県いすみ市大原7635-1

創業

1879年(千葉県)

公式サイト

www.kidoizumi.jp

代表銘柄

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木戸泉:蔵の看板銘柄で、高温山廃仕込みによって生まれる乳酸由来の豊かな酸とコク、ふくらみのあるボディが持ち味です。防腐剤などの調味薬品類を一切使わない自然醸造を基本とし、三代目蔵元以来60年以上守り続けている酒母造りを反映した、料理と合わせやすい濃醇な味わいに仕上げています。

afs:原料の米や米麹を三段仕込みではなく一度に仕込む一段仕込みで醸す、蔵の個性を象徴する多酸酒です。弾けるような強い酸のあとに上質な蜂蜜を思わせる甘みが広がり、日本酒というより白ワインに近い感覚の味わいで、外食産業の広がりを背景に酸のある日本酒を模索する中で生まれました。

白玉香:酒米の代表格である山田錦を用いた山廃仕込みの特別純米無濾過生原酒です。高温山廃仕込みならではのコクと幅のある味わいに、乳酸菌由来の豊かな酸味と芳醇な香りが重なり、精米歩合60パーセント・アルコール分18パーセントという濃醇な酒質に仕上がっています。加水も濾過もしない原酒として低温で貯蔵されています。

見学・購入

直売所

酒蔵併設の売店があり、平日月曜日から金曜日の午前9時から12時、午後13時30分から16時までの2部制で営業しています。土曜日・日曜日・祝日は休業です。

補足

外部イベントなどの都合により不定期に休業する場合があるため、来店前に公式サイトやSNSでの確認が推奨されています。所在地は千葉県いすみ市大原7635-1です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

jreast.co.jp / kidoizumi.jp / wikipedia.org / binchoutan.com / jizake.or.jp / yajima-jizake.co.jp / sakenomy.jp / ja.wikipedia.org / mizu-navi.jp / greenz.jp

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