梅一輪酒造
代表銘柄:梅一輪
千葉県
CHIBA
1868年創業
千葉県山武市に位置する酒蔵。前身である明治元年(1868年)創業の若林酒造店と、昭和59年(1984年)に合併した中田商店(大正元年創業)により株式会社山武酒造店が設立され統一銘柄「梅一輪」を発売、平成5年(1993年)に「梅一輪酒造株式会社」へ改称した。銘柄名は服部嵐雪の句「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」に由来する。
「地元のお客様の食生活に溶け込む高品質な日常酒」「料理を引き立てる名脇役」を理想に掲げ、地産地消の酒造りに取り組む。原料米には千葉県産の「ふさこがね」や地元・山武市産の「山田錦」などを用い、全量千葉県産米での酒造りを実現している。醸造面では上品な香りを生む協会酵母901号を使用し、麹づくりでは洗米後に厳密な時間・重量管理を行う「限定吸水」を取り入れるなど、手造りの良さを生かした丁寧な酒造りを行っている。
梅一輪酒造の歩み
梅一輪酒造は、千葉県山武市、九十九里平野のほぼ中央に蔵を構える酒蔵です。前身の一つは明治元年(1868年)創業の若林酒造店(酒銘「若緑」)、もう一つは大正元年創業の中田商店(酒銘「正元」)です。昭和59年(1984年)9月、大蔵省の指導を受けた酒造業近代化の第一号として両社が合併し、株式会社山武酒造店を設立して、統一銘柄「梅一輪」を発売しました。平成5年(1993年)10月1日には社名を梅一輪酒造株式会社に改め、現在に至っています。
銘柄名と社名は、江戸時代中期の俳人、服部嵐雪の句「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」に由来します。たくさんのつぼみの中から一輪だけ梅が咲き、冬景色のなかに春がひっそりと訪れたことを詠んだ句で、その控えめな奥ゆかしさが社風に合うこと、飲んだ人にほんの少しでも幸せを感じてほしいという願いから名づけられました。目指すのは、料理にそっと寄り添う名脇役のような、地元の食卓に自然と並ぶ高品質な日常酒です。千葉県内の多くの小売店や飲食店で扱われる一方、千葉県以外ではほとんど流通しません。
蔵では、九十九里エリアで最も出荷石数の多い蔵元になったと考えています。
原料米の千葉県産化は、地酒は地元の米で造るものという信念のもとで進められました。2010年頃には、全国新酒鑑評会の出品酒と一部の大吟醸酒に使う山田錦を除いて、千葉県産米への切り替えが終わっていました。残る山田錦については、地元山武市の農家から栽培するので使ってほしいと申し出があり、その米を仕込んだところ杜氏から品質は確かだと報告があったため、令和2酒造年度以降に使う山田錦は全量をこの農家の米としました。これにより、令和2酒造年度以降は原料米の全量が千葉県産米になっています。
2011年の東日本大震災では、直後は被害がないと思われていた建物に、のちに壁・天井・柱の損傷が見つかり、余震で少しずつ広がったため補強と修理を重ねました。停電で丸一日作業が止まったものの、造りは全て酒にして終えています。同年4月には、市原産コシヒカリ100パーセントで市原市限定・数量限定の「市原のしずく」を発売し、まもなく蔵の出荷分が終わる人気となりました。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に8回入賞し、うち金賞は平成14酒造年度、平成16酒造年度、令和2酒造年度の3回です。ほかの5回は、平成22・29・30酒造年度と令和元・3酒造年度の入賞です。平成22酒造年度の入賞は、賞を取りやすいとされる香り系の酵母を使わず、食中酒の究極を目指す方向に進んでから初めての入賞でした。
全米日本酒歓評会では、2006年に「鑑評会出品酒 梅一輪」(大吟醸酒部門A)、「吟醸純米 梅一輪」(吟醸酒部門)、「純米酒 梅一輪」(純米部門)の3点が金賞となり、2007年は「純米酒 梅一輪」、2010年は「鑑評会出品酒 梅一輪」が金賞を受けています。2017年度のKura Master(純米部門)では「純米酒 梅一輪」と「吟醸純米 梅一輪」の2点がプラチナ賞でした。東京国税局酒類鑑評会では、平成22年から24年まで3年連続で清酒燗審査部門の受賞製造場に選ばれ、「純米酒 梅一輪」が出品されました。
平成23年は優等賞です。
燗酒コンテストでは、2010年から2026年までに最高金賞を7点得ています。2012年は「上撰 梅一輪」(お値打ち熱燗部門)、2018年は「大吟醸 梅一輪」(プレミアム燗酒部門)、2019年は「佳撰 梅一輪」(お値打ち熱燗部門)、2020年は「吟醸純米 梅一輪」(プレミアム燗酒部門)、2022年は「純米大吟醸 虚心坦懐」(プレミアム燗酒部門)、2023年は「佳撰 梅一輪」(お値打ちぬる燗部門)と「純米大吟醸 梅一輪」(プレミアム燗酒部門)です。
金賞は16点で、「純米大吟醸 梅一輪」が2010年と2011年、「大吟醸 梅一輪」が2012年、「吟醸純米 梅一輪」が2014年・2015年・2019年・2025年、「佳撰 梅一輪」が2015年・2018年・2021年、「吟醸辛口 梅一輪」と「純米大吟醸 虚心坦懐」が2021年、「純米辛口 梅一輪」が2025年です。2026年には「純米酒 梅一輪」(お値打ちぬる燗部門)、「純米大吟醸 梅一輪」(極上お値打ちぬる燗部門)、「吟醸純米 梅一輪」(極上お値打ち熱燗部門)の3点が金賞でした。
ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2011年に「純米大吟醸 梅一輪」が食中酒部門クラス2で最高金賞、「純米酒 梅一輪」が同クラス1で金賞となりました。「吟醸純米 梅一輪」は2013年・2014年・2015年・2019年にメイン部門で金賞、「大吟醸 梅一輪」は2016年に大吟醸酒部門で金賞を受け、2021年には「大吟醸 梅一輪 鑑評会出品酒」がプレミアム大吟醸部門で金賞を受けています。
全日本国際酒類振興会主催の全国酒類コンクールでは、2006年秋季の古酒・その他部門で「蔵内熟成純米吟醸 梅一輪」が第1位となり、2011年秋季に「純米酒 梅一輪」が第1位、2014年秋季に「吟醸純米 梅一輪」が純米吟醸・純米大吟醸部門、「吟醸辛口 梅一輪」が吟醸・大吟醸部門でそれぞれ第1位となりました。
酒造りの特徴
酒造りは南部杜氏の流れを汲みます。杜氏は南部杜氏協会に所属しています。2006年の冬は岩手から高橋杜氏と熊谷麹屋が造りに加わり、この年に高橋杜氏は千葉県の卓越した技能者「千葉県の名工」として表彰されました。2000年代に製造課長を務めていた持地氏は、2014年には杜氏を務めていました。2014年には製造担当の一人が南部杜氏協会の杜氏資格選考試験に合格しています。2019年春にも、岩手から来た蔵人が造りを終えて地元へ戻りました。
2012年から2017年にかけては、造りが9月中旬から下旬に始まり、3月中旬から下旬に甑倒し(仕込み終了)を迎え、4月に皆造となりました。仕込み本数は平成25酒造年度に過去最高の83本を数え、平成26・27酒造年度は80本、平成29酒造年度は71本の計画で、平成30酒造年度は72本でした。
米の主力は、千葉県産の「ふさこがね」です。9割以上の商品の原料に使い、純米酒、吟醸純米、吟醸辛口、純米辛口などは九十九里産のふさこがねで仕込みます。大吟醸や純米大吟醸の一部には千葉の酒米「総の舞」を使い、特別純米酒は千葉県産のコシヒカリを精米歩合60パーセントまで磨いて造ります。「八〇精米 旨口純米酒」は、千葉県産米100パーセントを精米歩合80パーセントと60パーセントの組み合わせで仕込み、米のうまみを生かしました。
古酒の「純米大古酒 蔵の白梅」は、1999年醸造の純米酒を瓶詰め後、蔵の中で20年以上熟成させたもので、限定1800本にシリアルナンバーが付きます。酵母は、品のよい香りを生む協会酵母901号を使います。
麹づくりは「一麹、二もと(酒母づくり)、三つくり(もろみの仕込み)」といわれるほど重要だと考え、米の原料処理から丁寧に行います。洗米後は、厳密な時間管理と重量測定で過度な吸水を防ぐ「限定吸水」を行い、普通酒から大吟醸まですべての麹づくりで吸水率に目標を定めています。2017年には麹室の傷んだ床を張り替えて改装し、床用製麹機にロードセルを採用して重量を測れるようにしました。甑は2016年の造りから改良し、蒸気の漏れが大きく改善しています。
貯蔵の面では、2013年にタンクを増設して貯酒能力を高め、2014年には屋外の貯蔵タンクを屋根付きに改め、洗瓶機も新しくしました。
商品は、大吟醸・吟醸、純米酒、本醸造、普通酒、古酒、季節商品に分かれます。純米大吟醸「虚心坦懐」は総の舞を50パーセントまで磨き、上品な吟醸香と旨味・酸味の調和が楽しめる食中酒です。純米吟醸「稲魂一滴」は総の舞を使い、旨味と甘みがバランスよく広がります。純米酒「梅一輪」は、濃厚な味を40〜45℃の燗にすることで酸と調和させる酒です。「純米辛口 梅一輪」は2015年秋に発売され、発酵中のもろみを低温に保ってゆっくり発酵させ、日本酒度プラス10の辛口に仕上げました。
季節商品は、秋は夏を越して熟成が進んだ味わいを狙ったアルコール度16度の「秋あがり純米酒 風立ちぬ」、冬は毎年11月下旬に出る吟醸生原酒、吟醸しぼりたて生酒、特別本醸造のにごり原酒と発泡にごり酒です。冬の4種は火入れをしていない生酒で、発泡にごり酒は瓶詰め後も酵母が発酵を続けて微発泡に仕上がります。
代表銘柄
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梅一輪
蔵の統一銘柄で、名は服部嵐雪の句に由来します。大吟醸から普通酒、純米酒、古酒まで揃え、料理に寄り添う食中酒を目指します。純米酒と吟醸純米は九十九里産のふさこがねで仕込み、純米酒は40〜45℃の燗で酸と調和する味わいです。吟醸純米は全国燗酒コンテスト2020のプレミアム燗酒部門で最高金賞、純米大吟醸「虚心坦懐」も2022年に最高金賞を得ました。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 公式オンラインショップで通販を行っています。千葉県内の多くの小売店や飲食店でも取り扱われています。
- 補足
- 食品衛生上の理由や、小規模な蔵で対応する人員がいないこと、機械など危険な道具があることから、年間を通して蔵見学は受け付けていません。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 千葉県山武市松ヶ谷イ2902
- 創業
- 1868年
- 公式サイト
- www.umeichirin.com
出典
sammukanko.jp / umeichirin.com / sakenomy.jp / perie.co.jp / chibasake.com / umeichirin.shop / chiba-sake.jp / japansake.or.jp / nanbutoji.jp / kansake.jp / finesakeawards.jp / sakeappraisal.org / kuramaster.com / nrib.go.jp / web.archive.org
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