SAKE BREWERY — CHIBA
飯沼本家
紹介
千葉県印旛郡酒々井町に位置し、江戸元禄年間(1688年〜1703年)に創業した歴史ある酒蔵です。「甲子(きのえね)」や「一喜」などの銘柄を展開しています。酒造りでは、敷地内の地下100mから汲み上げる中軟水の井戸水を仕込み水に使用しています。自社の精米工場を備えており、米の雑味を効率よく削り落とす「扁平精米」を採用している点が特徴です。醸造管理にはコンピューター制御などの機械化を導入し、伝統技術と融合させることで品質の安定を図っています。また、フレッシュさを保つための瓶火入れ(パストライザー)や氷温冷蔵管理も徹底しています。受賞歴も豊富で、「Kura Master」でのプラチナ賞をはじめ、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の最高金賞、「全国燗酒コンテスト」の金賞など多数の賞を獲得しています。さらに、敷地内で直販店「きのえねまがり家」や飲食店、キャンプ場などを運営し、「おいしい酒づくり、たのしい場づくり」を理念に掲げた取り組みを行っています。
歴史
飯沼家は江戸時代初期の1600年代前半頃に千葉県印旛郡酒々井町馬橋の地に住み着いたと伝えられています。当主が代々住み継いできた「母屋」を調査したところ、350年以上前にさかのぼる建築技術が確認されており、徳川時代初期の痕跡も残っています。
江戸幕府の元禄年間(1688年から1704年)には、神社仏閣に奉納するための酒を造る許可を幕府から得て、この地での日本酒造りが始まりました。江戸時代末期には商売用の酒造りが本格化し、正式な酒屋として営業するようになりました。
明治初年には、10代目にあたる治右衛門が本格的な醸造所を新たに設け、「明治初年、醸舎ヲ大設シ、以て酒ヲ醸ス」と記録されています。昭和13年には石高を増やすとともに精米機を導入し、製造体制を強化しました。
昭和56年(1981年)には飯沼喜市郎が当主に就任しました。2023年には主力銘柄の呼称を「甲子正宗」から「甲子-Kinoene-」へと刷新し、現在は飯沼一喜が代表を務めています。
酒造り
仕込み水には、敷地内の地下およそ100メートルから汲み上げる井戸水を使用しています。この水は中軟水で、仕込み水のほか洗米水や割り水にも用いられ、柔らかい味わいの酒質につながっています。
千葉県内でも数少ない自社精米工場を保有しており、「扁平精米」と呼ばれる製法で米を磨いています。雑味のもととなるタンパク質を効率よく取り除くことで、清廉な酒質を追求しています。
大型の仕込みタンクでは、もろみを攪拌する「櫂入れ作業」をコンピューターで制御し自動化しているほか、温度管理を0.1度単位で行っています。こうした機械化と伝統的な醸造技術を組み合わせることで、品質の安定を図っています。
約500平方メートルの氷温冷蔵庫を備え、冬季に仕込んだ清酒を年間を通じて安定した品質で保管・出荷しています。「甲子 純米吟醸 はなやか 匠の香」など一部の商品では瓶での火入れを行い、生酒のようなフレッシュな味わいと発酵によるガス感を保つ工夫をしています。
蔵データ
代表銘柄
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- 一喜
甲子:元禄年間に酒造りを始めた飯沼本家の看板銘柄です。地下100メートルの井戸水と自社精米による「扁平精米」で雑味を抑えた酒質が特徴で、「純米 やわらか 地の恵」や「純米吟醸 はなやか 匠の香」など多彩な定番商品を展開しています。2023年に呼称を「甲子正宗」から「甲子-Kinoene-」へ刷新しました。
きのえね:「甲子」の読み仮名にあたる表記で、同一銘柄を指します。2023年に呼称を「甲子正宗」から「甲子-Kinoene-」へ刷新して以降、商品名や敷地内施設名にも広く用いられている表記です。Kura Masterの純米大吟醸酒部門でプラチナ賞を複数年にわたり受賞しており、受賞酒の「純米大吟醸きのえね」は山田錦を50パーセントまで磨いて醸されています。
一喜:「一杯にいっぱいの喜びを込めて」という願いから名付けられた、甲子とは別の銘柄です。かつて展開されていた銘柄で、公式サイトの現行商品一覧には掲載がありません。山田錦や美山錦、五百万石に加え、総の舞やふさこがねなど千葉県産米も使われ、直汲みのフレッシュな風味を特徴とする商品もあったとされています。
見学・購入
あり(要事前確認)
敷地内の直営店「きのえねまがり家」では、定番から季節限定までの甲子シリーズや酒蔵の素材を使った商品のほか、自家果樹園で育てたブルーベリーを使った糀ドリンクなどを販売しています。
蔵人が案内する酒蔵見学では、蒸米機や麹室、仕込みタンク、搾り場といった酒造りの工程や、明治から平成にかけての歴史ある建物を見て回ることができます。予約は「じゃらん」の予約ページから受け付けています。敷地内にはレストラン「きのえねomoya」、アートスペース「まがり家ギャラリー」、キャンプ施設「きのえねSAKE CAMP」なども併設されています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
iinumahonke.co.jp / saketime.jp / sakeno.com / kuramaster.com
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