SAKE BREWERY — CHIBA

和蔵酒造

千葉県富津市竹岡1 1874年創業

紹介

和蔵酒造は、明治7年(1874年)創業の池田酒造(富津市竹岡・銘柄「聖泉」)と、江戸時代から続く原本家(君津市貞元・銘柄「鹿野山」)が、平成18年(2006年)に事業統合して誕生した千葉県の酒蔵です。

日本酒の製造を担当する「竹岡蔵」と、焼酎・リキュールの製造や直営ショップ「酒菜館」を担う「貞元蔵」の2つの拠点を備えています。伝統的な杜氏制度から地元の社員による酒造りへと移行し、「基本に忠実であること」「手間を惜しまないこと」をモットーに酒造りを行っています。

仕込み水には敷地内の深井戸から湧き出る清水を使い、米は千葉県産の「総の舞」や「ふさこがね」を主体に採用しています。房総の海の幸や山の幸といった料理を引き立てる「包容力のある酒」を目指しており、代表銘柄には「聖泉」「鹿野山」「竹岡」のほか、フルーティーで甘口な「APPLE PRINCESS」などを手掛けています。

歴史

和蔵酒造は、江戸時代から千葉県君津市貞元の地で清酒「鹿野山」を醸造してきた原本家と、明治7年(1874年)に千葉県富津市竹岡で清酒「聖泉」を醸造してきた池田酒造が、平成18年(2006年)3月に事業を統合して誕生した酒蔵です。社名の「和蔵」には、日本の文化である「和」の酒を大切に守り育み、人の「和」をもって良酒を醸すという願いが込められています。

統合にあたっては、それまで各蔵が個別に抱えていた杜氏制度からの脱却が図られ、地元の社員が一年を通して酒造りに取り組める体制へと転換しました。現在は日本酒の醸造を担う竹岡蔵と、焼酎・リキュールの醸造を担う貞元蔵の2拠点で製造機能を分担しており、貞元蔵は関東では数少ない焼酎専用蔵として、黒麹仕込みなど伝統的な製法を受け継いでいます。

2020年4月には、住宅事業を中心とする新昭和グループの一員としての歩みを始めました。同年、新型コロナウイルス感染拡大に伴う消毒用エタノールの深刻な不足を受け、貞元蔵で高濃度アルコール製品「WAKURA77」を約500本製造したところ想定を上回る早さで完売し、続いて「WAKURA66」を1,000リットル製造して医療機関や福祉施設向けを優先に販売するなど、酒蔵の製造技術を生かした社会対応も行いました。

現在の酒造りを率いる杜氏の渡邉和哉さんは、もともと建設業で図面を引く仕事をしていましたが、35歳で酒造りの世界に転身し、東京の酒蔵でアルバイトから修行を始めました。その後、東京・茨城・千葉の複数の蔵で山内杜氏(秋田県)と南部杜氏(岩手県)に師事して技術を磨き、2015年に和蔵酒造の杜氏に就任しました。

酒造り

和蔵酒造は「基本に忠実であること」「手間を惜しまないこと」を信条に掲げ、謙虚な姿勢で微生物の声に耳を傾ける酒造りを続けています。仕込み水には竹岡蔵敷地内にある上総掘りの深井戸から湧き出る清水を使用しています。貞元蔵に隣接する酒菜館の前には仕込水汲み場が設けられ、誰でも自由にこの水を汲むことができます。

米は千葉県産の酒造好適米「総の舞」や「ふさこがね」を主体に用いており、渡邉杜氏は「千葉県は新米が早くできるので、早く酒の仕込みができるのが利点」と話しています。麹造りでは昼夜を問わず2時間おきに麹の状態を確認し、40数時間かけて丁寧に米麹を仕上げるなど、手間を惜しまない工程を大切にしています。精米歩合を高めるほど米は砕けやすくなるため、大吟醸酒や吟醸酒の醸造にはより多くの手間と時間がかかるといいます。

日本酒を担う竹岡蔵に対し、貞元蔵では本格焼酎・リキュールを製造しており、関東では珍しい焼酎専用蔵として黒麹仕込みなど伝統的な製法を採用しています。房総の海の幸・山の幸を引き立てる「包容力のある酒」を目指す姿勢は両蔵に共通しており、蔵人たちは自らを「和蔵人」と称して日々の酒造りに向き合っています。

蔵データ

所在地

千葉県富津市竹岡1

創業

1874年(千葉県)

公式サイト

wakura-sake.jp

代表銘柄

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鹿野山:君津市貞元の原本家から受け継いだ銘柄で、地元の名峰・鹿野山の名を冠しています。純米吟醸は千葉県産の「ふさこがね」や「総の舞」を用い、精米歩合60%に仕上げており、料理との相性を重視した「包容力のある」味わいを目指しています。しぼりたてやにごり酒、ひやおろしなど季節限定商品も豊富に展開しています。

竹岡:竹岡蔵のある地名を冠した銘柄で、千葉県産の酒米を用いた特別純米酒を中心に、山田錦・備前雄町・五百万石を用いた純米吟醸や純米大吟醸も展開しています。お米の旨みと爽やかな酸味が調和したふくよかな味わいが特徴で、竹岡の新鮮な魚介類との相性を意識して造られた食中酒として、聖泉・鹿野山と並ぶ代表銘柄の一つに位置づけられています。

聖泉:竹岡蔵の看板銘柄で、上総掘りの深井戸から湧き出る清水で仕込まれたことに由来する名を持ちます。大吟醸は山田錦を35%まで磨いた華やかな味わい、純米吟醸は料理を引き立てる食中酒、吟醸酒は透明感のあるスッキリとした辛口でぬる燗にも向きます。2021年発売の「St.Spring」は純米吟醸原酒(アルコール分13%)で、2026年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」メイン部門2000で金賞を受賞しました。

APPLE PRINCESS:リンゴ酸高生産性酵母を使用して造られた純米酒で、従来の日本酒とは異なる爽やかな酸味を前面に出した新しい味覚を提案する銘柄です。500ミリリットルの飲み切りやすい容器で販売されており、フルーティーな味わいから日本酒になじみの薄い層にも親しみやすい一本として位置づけられています。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

貞元蔵に隣接する直売所「酒菜館」では、和蔵酒造の日本酒や貞元蔵で造る芋焼酎・麦焼酎、柚子リキュールなどの試飲コーナーを備え、千葉県の物産品も販売しています。営業時間は9時から17時ですが、休業日がある場合があるため訪問前に電話での確認が推奨されています。

補足

見学は電話または公式サイトのメールフォームからの事前予約が必要です。竹岡蔵では酒造期にあたる11月下旬から3月上旬にかけて実際の仕込み作業を見学でき、無料ながら20名までの予約制です。なお公式サイトによると、貞元蔵『酒菜館』での団体受付は2026年3月31日をもって終了しました。個人の見学予約は引き続き受け付けています。貞元蔵・酒菜館へは、JR君津駅北口からコミュニティバス小糸川循環線で「自動車学校前」下車後徒歩10分、車の場合は君津ICから国道127号線経由で約15分です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

wakura-sake.jp / goshu-pro.jp / sakedata.jp / chibasake.com / sakenomy.jp / japansake.or.jp / chiicomi.com / futtsu-kanko.info / chiba-sake.jp / finesakeawards.jp / sake-times.com / shinshowa.co.jp

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