SAKE BREWERY — MIYAGI
寒梅酒造
紹介
宮城県大崎市に蔵を構える寒梅酒造は、1918年(大正7年)に創業し、「こころに春をよぶお酒」を理念に掲げる酒蔵です。蔵の前に広がる自社田で「美山錦」や「愛国」などの酒米の栽培から醸造までを一貫して行う「栽培醸造蔵」であり、自社米と宮城県産米のみを使用して酒造りを行っています。
2011年の東日本大震災では仕込み蔵が全壊する被害を受けましたが、同年末に新蔵を建て直し再開を果たしました。伝統的な職人技を守る一方、もろみの温度管理等にIoT機器を導入・活用するなど先進的な酒造りにも取り組んでいます。
代表銘柄「宮寒梅」は、米の旨味と爽やかな香りを併せ持つ酒質を目指して醸されており、シンガポール航空国際線の提供酒にも採用されました。受賞歴としては、「宮寒梅 純米吟醸」がSAKE COMPETITION 2016の純米吟醸部門で金賞を獲得したほか、「宮寒梅 醇麗純香」が2024年東北清酒鑑評会の純米酒の部で最優秀賞を受賞しています。
歴史
寒梅酒造は1918年(大正7年)、地主だった岩﨑碩次郎が地元産の米から清酒を醸造したのが始まりです。当初は「岩崎酒造店」として「誉の高川」という銘柄を販売し、地域に根差した酒蔵として歩み始めました。
第二次世界大戦中は国の統制により酒造りを中断せざるを得ない時期がありましたが、1956年(昭和31年)に銘柄を「宮寒梅」へと改め、酒造りを再開しました。「宮」は良質な酒に欠かせない宮水を、「寒梅」は厳しい冬を耐え抜き人々の心を和ませる梅の花を象徴しているとされます。
転機となったのは2011年3月の東日本大震災です。仕込み蔵が全壊するなどの被害を受け、被害総額は約1億5,000万円にのぼり、廃業も検討されるほどの打撃でした。しかし全国の消費者から「宮寒梅」を求める声が寄せられたことに背中を押され、当時20代で次期5代目であった岩﨑健弥氏が再建を決断し、同年12月には新たな仕込み蔵を建設して酒造りを再開しました。復興にあたっては、セキュリテを通じた応援ファンドの募集も行われています。
震災前の生産量では純米酒が約60%を占め、吟醸酒を含めると80%以上が個性豊かな地酒であったとされますが、震災を機に、使用する酒米を宮城県大崎市産に徹底することを決定し、栽培から醸造までを自前で手掛ける「栽培醸造蔵」としての姿勢を一層強めました。2018年には岩﨑健弥氏が正式に5代目として代表社員・製造責任者に就き、妻の真奈氏とともに、蔵の新たな酒質づくりに取り組んでいます。
酒造り
寒梅酒造は宮城県内で唯一、酒米の栽培から醸造までを一貫して手掛ける「栽培醸造蔵」です。蔵周辺の自社田や契約農家の田で、「美山錦」に加え、幻の米ともいわれる「愛国」、「ひより」、「山田錦」を栽培しており、苗づくりから田植え、稲刈りまでを家族総出で行っています。自社栽培米以外もすべて宮城県産米を使用し、地元の米にこだわった酒造りを徹底しています。
酒造りの現場では伝統的な手作業による丁寧な仕事を守る一方、先進的な技術導入にも積極的です。2018年10月から2019年9月にかけて、NTT東日本・ラトックシステムと共同で、仕込みタンクへの温度センサーやCO2濃度センサー、IoTカメラの設置による実証実験を実施しました。センサーやカメラの記録はクラウド上に保存・記録され、杜氏の経験と勘に数値データを組み合わせることで、品質向上や技術伝承、遠隔での状況把握につなげています。
蔵を率いるのは5代目の岩﨑健弥氏とその妻真奈氏で、「一杯で旨い酒」を酒造りの軸に据え、華やかな香りと米の旨みを生かした酒質を追求しています。
蔵データ
代表銘柄
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- 感謝酒
- 鶯咲
- 三米八旨
宮寒梅:「宮」は良質な酒に欠かせない宮水、「寒梅」は厳しい冬を耐え抜き人々の心を和ませる梅の花に由来する、寒梅酒造の代表銘柄です。華やかでフルーティーな香りと、米の旨みを生かしたやわらかな口当たり、キレの良い後味を追求しています。純米吟醸はANA国際線のファーストクラス・ビジネスクラスに採用(2016年12月)されたほか、「宮寒梅 純米吟醸」がSAKE COMPETITION 2016の純米吟醸部門で金賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
鶯咲:鶯咲は、大崎の「崎」を「咲」に置き換え、復興を願う地元への想いを込めて名付けられた銘柄です。魚料理など和食に合わせやすい食中酒として造られており、バナナやマスクメロンを思わせるほのかな香りと、米の旨みを生かしながらもキレのある辛口の後味に仕上げられています。
三米八旨:「三米八旨(さんまいはっし)」は、精米歩合35%まで磨き上げたEXTRA CLASSの純米大吟醸です。会長自らが栽培する「美山錦」「愛国」「ひより」の3種の酒米を使用しており、3つの米が生み出す8つの旨みという意味が名称に込められています。芳醇な香りと厚みのある米の旨み、上品な甘さとキレの良さを兼ね備えた、寒梅酒造の中でも上位に位置づけられる一本です。
Mr.Summer Time:Mr.Summer Timeは、精米歩合55%の純米吟醸でつくる夏酒です。名称はコーラスグループ・サーカスの楽曲「Mr.Summer Time」に由来し、蔵で行われた記念ライブに合わせてメンバーの直筆サインをあしらったラベルで販売されました。華やかな香りと熟したいちごのような甘み、穏やかな酸が調和した一本です。
見学・購入
あり(要事前確認)
蔵内には直売所(ショップ)が併設されており、日本酒や酒粕、蔵オリジナルグッズなどを購入できます。敷地内には酒粕菓子を扱う「おやつ工房ハルリッカ」もあります。
蔵見学は公式サイト経由の事前予約制です。所要時間は約1時間30分〜2時間で、試飲なし(1,100円)、試飲あり(1,760円)、試飲と大崎市特産のおつまみ付き(2,420円、おつまみの品目は時期により変更)のプランがあります。最寄りはJR陸羽東線西古川駅から徒歩約10分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
sakenomy.jp / miyakanbai.com / mynavi.jp / reserva.be / miyagisake.jp / jcci.or.jp / sake-times.com / meti.go.jp / yamauchi-f.com / tfu.ac.jp / sakenopage.com / securite.jp / tohoku-sakurakaido.jp / itmedia.co.jp / jozo.or.jp / tohoku-bishu-shoku-tourism.jp / sakeweb.jp / saketime.jp / rakuten.co.jp
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