田中酒造店
代表銘柄:真鶴
宮城県
MIYAGI
1789年創業
1789年(寛政元年)、宮城県加美郡(現・加美町)の中新田で創業した老舗蔵元です。初代の田中林兵衛が呉服商のかたわら酒造業を開始しました。かつては「東華正宗」の銘柄で親しまれていましたが、城主の命により「真鶴」へと改称されました。
奥羽山脈の豊かな伏流水に恵まれた環境で、伝統的な酒造りの技を200年以上にわたり継承しています。造りの大きな特徴は「山廃造り」と「生酛造り」で、2010年には宮城県の蔵元として67年ぶりとなる生酛造りを復活させました。全量麹蓋による製麹や甑での蒸米、杉暖気樽など昔ながらの道具と職人の手造りにこだわり、奥深いコクと旨みを持つ酒を醸しています。
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021」プレミアム純米部門最高金賞(真鶴 純米吟醸)や「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2023」金賞(真鶴 純米大吟醸)などの受賞歴があります。
田中酒造店の歩み
田中酒造店は、宮城県加美郡加美町字西町に蔵を構える蔵元です。伊達藩のもとで呉服商を営んでいた初代・田中林兵衛が、米の有効利用を目的として寛政元年(1789年)に酒造業へ進出したことが始まりとされています。当時の田中家は呉服商を中心に貸金業や質屋、地主、醤油醸造業なども手がける多角的な家でしたが、昭和期の物資統制を機に、酒造業を事業の中心に据えるようになりました。この一帯はかつて中新田と呼ばれ、奥州探題を務めた大崎氏の城下町として栄えた中心地でした。中新田は平成の合併を経て、現在は加美町の一部となっています。
創業当初、蔵は「東華正宗」の銘柄で酒を売り出していました。この酒を愛飲していた中新田城主・只野図書の命を受け、銘柄名は「真鶴」に改められたと伝えられています。酒名の由来には、城主の奥方で女流詩人としても知られた只野真葛が、庭で舞う鶴を愛し歌にも詠んだことにちなむという説もあります。現在の代表銘柄は真鶴で、ほかに田林やTANAKA 1789といった商品ラインも展開しています。なまこ壁と瓦屋根を備えた母屋は、加美町の中心部でもひときわ目を引き、町のシンボル的な存在となっています。
2025年10月には、兵庫県神戸市の株式会社山下誠志堂が株式会社田中酒造店を吸収合併し、現在の商号は株式会社山下誠志堂 田中酒造店となっています。この合併に先立ち、蔵元が亡くなった後にジーライオングループの田畑氏が田中酒造店の経営を引き継ぎ、酒蔵の歴史を受け継いできました。現在の代表者は小林正典氏で、事業内容は清酒製造業、所在地は宮城県加美郡加美町字西町88-1です。
酒造りの特徴
造りの特徴は、奥羽山脈の伏流水と良質な地元の米を使い、山廃造りを長く受け継いできた点にあります。全量を麹蓋で製麹し、甑で米を蒸し、杉の暖気樽を酒母造りに用いるなど、手間のかかる道具と手造りの工程にこだわり続けています。醸造には岩手県南部杜氏の郷出身の盛川杜氏があたり、2016年に蔵に加わってからは、2018酒造年度以降、自身の名前を冠した酒造りにも取り組んでいます。
平成22年(2010年)1月には、宮城県の蔵元として67年の中断を経て生酛造りを復活させました。生酛は乳酸菌を人工的に添加せず、米・麹・水を櫂棒ですりつぶす「酛摺り」の工程を経て酒母を育てる手法で、長年蔵で働いてきた蔵人たちにとっても未経験の大きな挑戦でした。江戸時代の文献を読み解き、試行錯誤を重ねてようやく完成させた生酛の純米酒は、しっかりとした酸味とコクのある味わいに仕上がっています。
新しい取り組みにも積極的で、純米吟醸の仕込みタンクに音響機器を設置し、県内の音楽家が日本酒醸造の工程をモチーフに作曲した楽曲を聴かせながら醸す試みを行っています。2018年にはカナダ出身のフランソワ・シャルティエ氏を「マスターブレンダー」に迎え、山廃や生酛で仕込んだ酒をブレンドする商品ライン「TANAKA 1789」を立ち上げました。
2021年4月には、真鶴 純米大吟醸(紫)、真鶴 純米吟醸(緑)、真鶴 生もと純米大吟醸、田林 純米大吟醸、田林 純米吟醸、TANAKA39 純米大吟醸、TANAKA39 純米吟醸の7品目で日本酒のヴィーガン認証を取得し、10か国・地域に酒を輸出していました。
全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても合計10回入賞しており、平成21・平成22・平成25の各酒造年度は金賞を受賞しています。出品名は長く「金紋 真鶴」でしたが、近年は「真鶴」として入賞しています。このほか、全国燗酒コンテストでは2013年に真鶴 生酛特別純米が極上燗酒部門の金賞、2016年に真鶴 本醸造がお値打ち熱燗部門の最高金賞、2018年に真鶴 きもと特別純米酒がプレミアム燗酒部門の金賞を受賞しています。
ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2011年に食中酒部門クラス2で真鶴 吟醸が金賞、2017年に大吟醸酒部門で真鶴 純米大吟醸が最高金賞、同年メイン部門で真鶴 特別純米 美山錦が金賞を受賞しました。2018年にはメイン部門で真鶴 特別純米 美山錦、スパークリングSAKE部門でmanatsuru Sparkling、大吟醸部門で真鶴 純米大吟醸がそれぞれ金賞となり、2019年にもメイン部門で真鶴 特別純米 美山錦が金賞を受賞しています。
2021年にはプレミアム純米部門で真鶴 純米吟醸が最高金賞、2022年に同部門で真鶴 純米吟醸が金賞、2023年にはプレミアム大吟醸部門で真鶴 純米大吟醸、プレミアム純米部門で真鶴 特別純米美山錦がそれぞれ金賞を受賞しています。
代表銘柄
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真鶴
蔵を代表する銘柄です。精米歩合40%の純米大吟醸や、受注生産の美山錦28%磨きから、山廃仕込み・生酛造りの特別純米、本醸造まで幅広いラインナップを揃えています。全国新酒鑑評会では平成21・平成22・平成25の各酒造年度に金賞を受賞し、ワイングラスでおいしい日本酒アワードでも純米吟醸・純米大吟醸・特別純米が最高金賞や金賞を重ねてきました。
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- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵の直売所では普通酒から大吟醸酒まで店頭で購入でき、見学時には無料で試飲もできます。人数によって対応が変わる場合があります。
- 補足
- 蔵見学は事前予約制で、見学日時は予約時に決定します。酒造期は見学をお断りする場合があるほか、経営体制の変化により受け入れ状況が変わることもあるため、事前の問い合わせをおすすめします。新酒(しぼりたて原酒)は例年12月下旬ごろに発売しています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 宮城県加美郡加美町字西町88-1
- 創業
- 1789年
- 公式サイト
- www.manatsuru.co.jp
出典
manatsuru.co.jp / tohokukanko.jp / miyagisake.jp / sakenomy.jp / aeontohoku.net / nrib.go.jp / finesakeawards.jp / kansake.jp / atpress.ne.jp / tohoku-sakurakaido.jp / mottox.co.jp / tanaka1789xchartier.com / houjin-bangou.nta.go.jp
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