キング醸造
代表銘柄:さくら浪漫・播州錦
兵庫県
HYOGO
1900年創業
1900年(明治33年)に兵庫県加古郡稲美町で創業した老舗醸造メーカーです。「日の出」ブランドで親しまれるみりんや料理酒などの総合調味料メーカーとして広く知られていますが、1993年に錦工場が完成して清酒製造免許を取得し、清酒の生産を開始しました。代表銘柄には「播州錦」や「さくら浪漫」のほか、「稲美」などがあります。清酒は、豊かな香りとキレのある淡麗な味わいで、クセのない軽やかな飲み心地を持ち味としています。
地元・稲美町産の原料を活かした特産商品の開発にも取り組んでいるほか、海外53カ国(2025年時点)へ清酒等を輸出するなど、伝統的な技術を軸に国内外に向けた展開を進めています。
キング醸造の歩み
キング醸造は、兵庫県加古郡稲美町蛸草に本社を置く酒類・調味料メーカーです。創業は1900年(明治33年)で、創業者の大西猪太郎が粕取焼酎を発売したことに始まります。翌1901年には「日の出白味淋」の製造販売を始め、1927年に大西合名会社を設立、1961年にキング醸造株式会社となりました。「日の出」ブランドのみりんや料理酒で広く知られ、1960年には調味料としての「日の出新味淋」の製造も始めています。
この会社が清酒づくりに踏み出したのは平成に入ってからです。1993年(平成5年)7月に「播州錦」の上撰・佳撰を1.8リットルパックで発売し、同年9月に錦工場が完成して清酒製造免許を取得、清酒の生産を始めました。翌1994年5月には「播州錦」が知事賞を受賞しています。2008年(平成20年)10月には清酒蔵として新在家工場が完成し、当初は但馬杜氏組合に加わって技術を学び、2012年(平成24年)からは社員杜氏制に移りました。2018年時点では、2つの製造場が年間を通じて仕込む四季醸造を行っていました。
みりん造りで培った米と麹の醸造を土台に、いつかは国酒である日本酒を手がけたいという思いから始まった事業です。
2020年に創業120周年、2025年には創業125周年を迎えました。社長の大西浩介氏は、家庭での調理様式の変化を受けて業務用・加工用や海外展開に力を入れる方針を示しており、現在は53カ国に輸出しています。中心にあるのは、日常の食卓に寄り添う価格帯の清酒と、地元稲美町の米を使った「稲美」シリーズの二本立てです。
令和5年度の大阪国税局清酒鑑評会では、新在家工場の「稲美」が吟醸酒の部で優秀賞を受けています。蔵の発表では、近年は「稲美」シリーズが国内外のコンクールで評価を集めており、2023年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門では大吟醸の部でシルバーメダル、同年のアジア・パシフィック・サケ・アワードでは特別純米酒山田錦が純米酒部門の金賞でした。
Kura Master日本酒コンクールでは、特別純米酒山田錦が2025年度と2026年度に純米酒(51-65%)部門で金賞を重ね、2026年度には稲美大吟醸GIはりまが大吟醸酒部門で金賞に選ばれています。
美酒コンクールのフルーティー部門では、稲美大吟醸GIはりまが第2回(2024年)と第3回(2025年)で金賞を受賞し、第3回では稲美特別純米酒も金賞でした。ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、2025年に稲美大吟醸山田錦がプレミアム大吟醸部門、2026年に稲美特別純米酒がメイン部門2000で、いずれも金賞です。さらに2026年には、全国燗酒コンテストの極上お値打ち熱燗部門で稲美特別純米酒が金賞、IWC 2026では稲美特別純米酒がシルバーメダル、稲美大吟醸山田錦がブロンズメダルを獲得しました。
酒造りの特徴
原料や造りの方向性は、大きく二つに分かれます。ひとつは、パックや小容量で届ける普通酒です。播州錦や桜浪漫などは、米・米こうじ・醸造アルコール・糖類を原料とし、和・洋・中のどんな料理にも合わせやすい、クセのない淡麗で軽やかな飲み心地を持ち味としています。大規模な設備を備えた製造場で、2018年時点では2つの製造場で1日に白米6トンの仕込みができ、浸漬から連続蒸米機、回転式自動製麹機へと続くほぼ自動化された生産ラインが年間を通じて稼働していました。上槽には大型のヤブタが使われています。
もうひとつが、地元の米で醸す「稲美」シリーズです。稲美町は印南野台地に広がる兵庫県屈指の穀倉地帯で、二毛作が盛んな「稲が美しい町」です。キング醸造は稲美町の農家と組み、みりんの主原料となるもち米づくりに取り組み、現在は日本酒に使う米の契約栽培も行っています。なるべくシンプルな製法で仕上げることを掲げ、特別純米酒山田錦(精米歩合60%)や大吟醸山田錦(精米歩合35%)に稲美町産の山田錦を使います。
最高峰に位置づけられるのが稲美大吟醸GIはりまです。兵庫県特A地区産の山田錦を100%使い、精米歩合35%まで磨いた数量限定の大吟醸酒で、「GIはりま」の認定を受けています。2026年10月には、稲美町で契約栽培した雄町を100%使い、精米歩合70%に仕上げた稲美純米酒雄町を発売しました。ふくよかなうまみと心地よい酸味が特徴で、冷でも燗でも楽しめる純米酒です。
清酒のほかにも、稲美町特産の六条大麦で仕込んだ本格麦焼酎「六条の雫」があり、東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2026で金賞を受賞しました。麹にも六条大麦を使い、長年培った醸造技術を焼酎造りに応用して、減圧蒸留ならではの軽やかな味わいに仕上げています。
代表銘柄
さくら浪漫
キング醸造の清酒の一つで、公式の商品名は「桜浪漫」、ラベルには「さくら浪漫」と書かれています。180ミリリットルの小容量で、アルコール度数は13度以上14度未満です。原料は国産米と国産米の米こうじに醸造アルコールと糖類を合わせ、豊かな香りとキレのある淡麗な味わいに仕上げています。クセのない軽やかな飲み心地で、和・洋・中のどんな料理にも合わせやすく、気軽に楽しめる一本です。
播州錦
1993年7月の発売以来続く、キング醸造の清酒の看板銘柄です。1.8リットルパックで発売された佳撰と上撰があり、国産米と米こうじに醸造アルコールなどを合わせた淡麗な味わいで、和・洋・中の料理に合わせやすい普段使いの清酒です。1994年には知事賞を受賞しました。稲美町産山田錦を使った特別純米酒が限定醸造されたこともあります。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 公式オンラインショップで商品を購入できます。
- 補足
- 蔵の見学・試飲は受け付けていません。清酒は、2018年時点ではスーパーや量販店が主な販路でした。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 兵庫県加古郡稲美町蛸草321
- 創業
- 1900年
- 公式サイト
- hinode-mirin.co.jp
出典
japansake.or.jp / hinode-mirin.co.jp / sbic-wj.co.jp / sakenomy.jp / inami.or.jp / hinode-hd.co.jp / toiku-shukatsu.net / king-jozo.hinode-mirin.co.jp / moromikoji.net / nta.go.jp
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