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岡部

代表銘柄:松盛

茨城県

IBARAKI

1875年創業

岡部合名会社は、1875年(明治8年)に初代・岡部林吉により創業された茨城県常陸太田市の酒蔵です。代表銘柄の「松盛(まつざかり)」は、屋敷内にあった松、家業の末長い繁栄、そして酒の神を祀る松尾大社が栄えるようにとの願いを込めて命名されました。里川流域の水田地帯に位置し、「手造りの精魂込めた酒造り」をモットーとしています。全国新酒鑑評会では平成9酒造年度以降に13回の金賞を受賞するなど、優れた酒造技術が高く評価されています。

近年では限定流通の新ブランド「岡部」の展開をはじめ、参加者が美山錦を育て、その米で「ご縁だね」を醸す「常陸太田自酒プロジェクト」を発足させるなど、地域の風土が息づく地酒造りや新たな酒造りへの挑戦を続けています。

岡部の歩み

岡部合名会社は、茨城県常陸太田市小沢町で「松盛」を醸す蔵です。創業は1875年(明治8年)10月で、初代・岡部林吉が、いまの常陸太田市小沢町にあたる久慈郡西小澤村小澤で「松盛」を造り始めました。1919年(大正8年)10月に岡部合名会社を設立し、1970年(昭和45年)10月には蔵の敷地内に瓶詰工場を設けています。現在は6代目の岡部彰博さんが社長を務め、5代目の岡部守博さんが会長です。

「松盛」の名は、屋敷内にあった松、家業が末代まで栄えるようにという願い、そして酒の神を祀る松尾大社が栄えるようにという願いを重ねて付けられました。初代から長く越後杜氏の流れを汲み、二級酒を主力に造ってきた蔵は、杜氏の後継者不足をきっかけに1997年から徐々に南部杜氏へ切り替えます。このとき大吟醸や純米酒などの特定名称酒の割合を増やす方針に転換し、平成9酒造年度から平成12酒造年度まで全国新酒鑑評会で4年連続の金賞を受賞しました。これは茨城県内の蔵では初めてのことでした。

全国新酒鑑評会では、平成13酒造年度に入賞したのち、平成14酒造年度以降も入賞を重ねています。平成9酒造年度以降の金賞は、平成9〜12酒造年度の4回と平成15〜30酒造年度の9回を合わせて13回で、ほかに入賞が6回あり、直近の入賞は令和3酒造年度です。関東信越国税局酒類鑑評会では、平成27年の第86回から令和4年の第93回までの8回のうち、第92回を除く7回で優秀賞を受け、吟醸酒の部と純米吟醸酒の部の両方で受賞した回もあります。蔵の発表では、平成28年10月に「岡部」が茨城県市販酒総選挙で第一位を獲得しています。

2002年5月には、同年のFIFAワールドカップの公式ライセンス認定商品を発売しました。2006年(平成18年)4月には、蔵元の名字を冠した限定の新ブランド「岡部」を立ち上げ、新しい味への挑戦を始めています。2012年(平成24年)2月には、地元の有志とともに常陸太田自酒プロジェクトを発足させ、「ご縁だね」ブランドを発売しました。

参加者が酒米の美山錦を田植えから稲刈りまで手がけ、そのすべてを使って日本酒を醸す取り組みで、田植えとどろんこ祭り、新酒を祝う会、稲刈り、酒蔵見学からなる「ご縁祭」は、市外や県外からも人が集まる行事になっています。

2020年(令和2年)11月からは、6代目の岡部彰博さんが蔵元杜氏となり、社員とともに酒造りを担う新体制になりました。岡部さんは東京の大学を出て神奈川の酒販店で約10年営業を経験したのち家業に戻り、南部杜氏のもとで約7年酒造りを学んで杜氏になりました。日本ソムリエ協会のワインソムリエの資格も持ち、その視点を日本酒の表現に生かしています。2025年は創業150周年を迎え、10月4日には蔵で「創業150周年の宴」が企画され、記念の特別なお酒のお披露目も予定されました。

酒造りの特徴

蔵は、常陸太田市南部の里川流域の低地にあり、周囲には水田が広がっています。仕込みには里川を水源とする、鉄分が少なく酒造りに適した軟水を使います。「松盛 竜伝説」では、竜神峡の亀ヶ淵を仕込み水の源流の最上部と位置づけ、商品の物語にしています。蔵は、いい米といい水、心が通う仲間たちとの手造りの精魂込めた酒造りをモットーとし、大手ブランドにはない風土の息づく地酒を目指しています。

酒造りは、洗米と吸水、蒸し、麹造り、酒母づくり、もろみの発酵、搾り、貯蔵へと進みます。2019年時点では、蔵に吟醸仕込み室があり、貯蔵タンクのほか木樽も置かれ、創業当時からの煙突が残っていました。純米大吟醸「祥」は山田錦を使い、手造り・自然しぼり・斗びん囲いで仕上げる酒です。「特上松盛 大吟醸」は、大吟醸を冷蔵貯蔵庫で低温のまま1年じっくり熟成させます。2022年ごろには、酒の品質向上のため種麹を変更しています。

原料米は商品ごとに使い分けています。純米吟醸「松盛 竜伝説」は、常陸太田市の契約農家・栗原農園の美山錦を100パーセント使い、精米歩合55パーセントで仕込みます。納豆に合う純米吟醸は五百万石の精米歩合55パーセント、チーズに合う純米酒は美山錦の精米歩合65パーセントです。「男盛」純米吟醸は、常陸太田市商工会青年部が田植えから手がけたコシヒカリを使い、この蔵として初めて飯米で醸しました。純米ひやおろしには一番星を使い、精米歩合は70パーセントです。

食との相性を軸にした商品づくりにも力を入れています。納豆に合う純米吟醸とチーズに合う純米酒は、茨城県産業技術イノベーションセンターの協力を得て開発しました。納豆向けの酒は、余分な甘みや香りを抑え、辛口のキレを際立たせる設計です。チーズ向けの酒は、まろやかな旨味とほどよい甘みでチーズのコクと塩味を受け止めます。清酒のほか本格焼酎、梅酒などのリキュール、大吟醸の酒粕、松盛の純米酒で漬けた珍味も販売しています。

代表銘柄

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松盛

蔵の創業以来の代表銘柄で、屋敷内の松と家業の繁栄、松尾大社の隆盛への願いが名の由来です。大吟醸から純米酒、辛口、ひやおろしまで幅広く醸し、美山錦、五百万石、一番星、山田錦などの米を酒に合わせて使い分けます。大吟醸では山田錦を用い、冷蔵貯蔵庫での熟成も行います。全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても金賞を9回受賞しています。

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見学・購入

直売所
公式オンラインショップで通販しています。蔵の営業時間は8時から17時で、定休日は日曜、祝日、月2回の土曜です。
補足
蔵見学は、2019年時点では無料で、2021年時点では事前予約制でした。常陸太田自酒プロジェクトの「ご縁祭」では酒蔵見学も行われます。見学の可否は蔵(電話0294-74-2171)に確認してください。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
茨城県常陸太田市小沢町2335
創業
1875年
公式サイト
www.matsuzakari.co.jp

出典

matsuzakari.co.jp / sakenomy.jp / jimdoweb.com / nakamurasaketen.com / nrib.go.jp / nta.go.jp / web.archive.org / sakemeguri.com / exports.pref.ibaraki.jp / weekendibaraki.com / note.com / kanko-hitachiota.com

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