本文へ移動

矢尾本店

代表銘柄:秩父錦・霞

埼玉県

SAITAMA

1749年創業

矢尾本店の建物
矢尾本店の建物(2024年撮影)「Yaohonten, Chichibu, Saitama-20240330.jpg」 — 写真:山田晴通 / CC0縮小・WebP変換

1749年(寛延2年)、近江商人の矢尾喜兵衛が秩父の地で酒造業を開始したことに始まる歴史ある酒蔵です。荒川水系の良質な水と寒暖差のある秩父の気候に育まれ、兵庫県産「山田錦」や長野県産「美山錦」などの原料米を自家精米して酒造りを行っています。主力銘柄の「秩父錦」や、冬から春の季節限定酒「霞」などを手掛けています。全国新酒鑑評会で平成14〜19酒造年度に6年連続金賞を受賞した実績や関東信越国税局酒類鑑評会での受賞歴などを持ち、高い評価を得ています。

醸造工場には酒蔵資料館や物産館を併設した観光施設「酒づくりの森」を構え、地域の酒造り文化の発信にも取り組んでいます。

矢尾本店の歩み

矢尾本店の創業は寛延2年(1749年)です。近江国から出た矢尾喜兵衛が、大宮郷(現在の秩父市)の名主松本氏から酒株を借り受けて酒造業を始め、屋号を升屋利兵衛と称しました。これが矢尾家の始まりです。寛政2年(1790年)には酒株を買い取って株主となり、明治5年(1872年)には酒造高450石を数えました。明治32年(1899年)には「花陽」を商標登録しています。

明治44年(1911年)に矢尾商店は合名会社となり、昭和25年(1950年)に株式会社へ改組しました。昭和45年(1970年)に矢尾商店は百貨店の営業許可を受け、翌昭和46年(1971年)には「秩父錦」を新発売しています。昭和56年(1981年)には本格焼酎「だんべえ」も発売しました。昭和63年(1988年)に矢尾商店から酒造部門と卸部門を分社して株式会社矢尾本店が設立され、同じ年に果実酒「秩父音楽寺ワイン」を発売しています。平成17年(2005年)4月には冷食部門が株式会社矢尾百貨店へ移行しました。

平成6年(1994年)に酒造工場を現在の別所に移し、醸造工場に酒蔵資料館と物産館を併設した観光酒蔵「酒づくりの森」として、秩父観光の拠点にもなりました。平成19年(2007年)には清酒製造免許の条件が解除され、リキュールの製造まで可能になりました。杜氏は鷹木祐助が長く務め、平成21年(2009年)に岩手県知事から卓越技能者表彰を受けました。鷹木は平成27年(2015年)冬に引退し、以降は社員杜氏の体制に移っています。

南部杜氏協会の自醸清酒鑑評会では、平成15年に第85回記念特別賞、平成18年に第六位の技術優秀杜氏特別賞を受け、令和5年には吟醸酒の部で優秀賞を受けました。蔵の発表では、令和6・7酒造年度にも吟醸の部で優等賞を受けています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度から平成19酒造年度まで6年連続で金賞を受賞しました。蔵の発表では、これに平成13酒造年度の金賞を加えた7年連続としています。その後も平成21・23・25酒造年度、令和3・4酒造年度、令和6・7酒造年度に金賞を受け、平成14酒造年度以降の入賞は17回、うち金賞は13回です。平成20・27、令和元・5酒造年度は入賞にとどまりました。令和元酒造年度は金賞が選ばれていません。蔵の発表では、平成10酒造年度にも金賞を受けています。

関東信越国税局酒類鑑評会では、平成20・21年に吟醸酒の部と燗酒の部の両方で優秀賞を受けました。平成22〜24年と28年は純米酒の部、令和4・5年は吟醸酒の部、令和6年は吟醸酒の部と純米吟醸酒の部、令和7年は吟醸酒の部で、いずれも優秀賞です。これより前にも、平成14年の第73回と平成19年の第78回(常温審査の部)で優秀賞を受けています。蔵の発表では、平成9年から平成24年までに優秀賞を計15回受けています。

埼玉県春季清酒鑑評会では、技術優秀賞で首席となった平成14・16・17酒造年度のほか、令和3・4・6酒造年度に最優秀の出品酒に贈られる埼玉県知事賞を受けています。全国燗酒コンテストの金賞は2017年と2019年のお値打ちぬる燗部門、2020年のお値打ちぬる燗部門と特殊ぬる燗部門、2022年の特殊ぬる燗部門です。フランスのKura Masterでは、純米大吟醸「至純」が2023年と2024年に純米大吟醸酒部門で金賞を受けました。

酒造りの特徴

水は、埼玉・山梨・長野の三県にまたがる甲武信ヶ岳に源を発する荒川水系の良質な水です。寒暖差の大きい秩父盆地の気候のもとで仕込みます。米には兵庫県産の山田錦や長野県産の美山錦を使い、自家精米しています。2021年時点で、自家精米機を持つ蔵は埼玉県内に数蔵だけだと蔵は説明しています。精米歩合40パーセントまで磨く米は、約50時間かけて精米します。

工程は、洗米した米を浸漬し、一般酒用の米は連続蒸米機で蒸します。麹室は温度約30度、湿度約60パーセントに保たれ、大吟醸用の麹室は職員が24時間温度を管理します。仕込室のタンクには温度センサーと冷却マットを巻き、発酵で温度が上がりすぎないよう調整しています。搾りやろ過も大きな冷貯蔵設備の中で行います。

主な銘柄の仕様は次のとおりです。特選大吟醸は山田錦を40パーセントまで磨いた酒です。大吟醸と純米大吟醸は美山錦の50パーセント、純米吟醸は美山錦の55パーセント、特別純米酒と特別本醸造は美山錦の60パーセントです。純米大吟醸「至純」は秩父産山田錦を100パーセント使い、自社精米で35パーセントまで磨いています。

新しい取り組みもあります。小さなタンク1本を杜氏以外の蔵人が責任をもって仕込む「責任仕込」で、CRAFT SAKEシリーズを造っています。令和2年には、埼玉県で初めて日本酒でヴィーガン認証を取得しました。毎年1月の本醸造無濾過原酒「甕口酒」、新酒を蔵内で低温貯蔵して瓶詰前に一度だけ加熱する星座シリーズ、秩父産キヌヒカリ100パーセントで白麹を使った純米吟醸原酒なども出しています。

代表銘柄

[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。

秩父錦の関連商品画像関連商品・楽天市場

秩父錦

蔵の主力銘柄で、昭和46年(1971年)に新発売されました。特選大吟醸から特別本醸造、カップ酒まで幅広く揃い、特選大吟醸は山田錦を40パーセントまで精米します。全国新酒鑑評会へも「秩父錦」の商標で出品し、平成14酒造年度以降に13回の金賞を受けています。秩父は神事や祭りの多い土地で、創業以来ずっと地域に根付いて飲まれ続けている酒です。

楽天で商品を見る

霞

長野県産の美山錦を100パーセント使い、精米歩合60パーセントで仕込む冬の終わりから春先に出る限定酒です。令和8年(2026年)発売分から、アルコール分を19度から15度に下げ、名前のとおりうすにごりの酒にしました。旨みを残しつつ、後味を軽くしたと蔵は説明しています。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
酒づくりの森の物産館で、秩父錦、秩父焼酎、リキュールを直売しています。試飲コーナーもあります。営業時間は9時から17時、定休日は火曜日と年始です。
補足
酒蔵資料館は9時から16時30分で、見学料は200円です。酒造りの道具や資料を展示し、仕込室を上から見学できます。春には蔵開放祭りを開き、2026年は4月12日に第17回を開催する予定で、西武秩父駅から無料送迎バスが出る案内でした。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
埼玉県秩父市別所久保ノ入1432
創業
1749年
公式サイト
chichibunishiki.com

出典

sakagura-press.com / chichibunishiki.com / okm-grp.co.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / pref.saitama.lg.jp / kansake.jp / kuramaster.com

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。