横田酒造
代表銘柄:日本橋
埼玉県
SAITAMA
1805年創業
文化2年(1805年)、滋賀県出身の近江商人である初代横田庄右衛門が良い水を求めて現在の埼玉県行田市に創業した酒蔵です。代表銘柄の「日本橋」は、初代が江戸・日本橋の酒問屋で修業したことから「初心忘れるべからず」との思いを込めて命名されました。酒造りには、利根川と荒川に挟まれた地域の豊富な伏流水(弱軟水)を使用し、まろやかで味わいのしっかりとした酒を生み出しています。長年にわたり南部杜氏の技を受け継いだ丁寧な手造りを貫いており、全国新酒鑑評会において通算24回の金賞を受賞しています。
代表銘柄「日本橋」のほか、地元の忍城にちなんだ「浮城」や、日本最古の清酒酵母を使用した復刻酒「日本橋 濃醇純米 江戸の宴」などを展開しています。
横田酒造の歩み
横田酒造は、文化2年(1805年)の創業です。近江国日野(現在の滋賀県日野町)の出身で、近江商人として江戸の商圏で一旗上げようと考えた初代の横田庄右衛門が、関東近郊で水の良い土地を探し、現在の埼玉県行田市にあたる地に造り酒屋を開いたのが始まりです。利根川と荒川が県内で最も接近するこの一帯は伏流水が豊富な名水の産地です。
看板銘柄の「日本橋」は、初代が江戸・日本橋の酒問屋で修業を積み、独立するときに、「初心忘るべからず」という家訓を込めて、修業の地の名を酒銘にしたものです。五街道の起点である日本橋の名にあやかり、横田の酒が全国に広まるようにとの願いも込められています。もう一つの銘柄「浮城」は、地元・行田の忍城が石田三成の水攻めにも落ちなかったという故事にちなんで名づけられました。蔵は「初心忘るべからず」と「三方よし」を大切にしながら酒造りを続けています。
全国新酒鑑評会では、年はいずれも開催年で数えると、平成5年と6年、平成10年から13年まで4年連続、平成15年から21年まで7年連続、平成23年から27年まで5年連続で金賞を受賞しています。さらに平成29年・30年、令和3年・5年・7年と受賞を重ね、令和8年(令和7酒造年度)にも金賞を受賞しました。ここまでで金賞は24回に及びます。金賞に届かず入賞だったのは、平成2〜4年、8年、9年、14年、22年、28年、令和元年、令和6年です。
関東信越国税局酒類鑑評会でも、平成10年秋と平成19年に関東信越で第1位となり、平成11年春・秋、平成13年春、平成26年には埼玉県第1位に輝きました。令和3年と令和7年には、吟醸酒の部で優秀賞を受賞しています。南部杜氏自醸酒鑑評会では平成10年に全国第4位、平成12年に全国第7位、平成13年に全国第13位、平成14年に全国第16位、令和3年に全国第7位と上位に入っており、これまでに50回入賞しています。
現在の横田酒造株式会社は昭和25年12月に法人として設立され、生産高は約500石です。行田は埼玉県の名前の由来となった「さきたま」の地で、さきたま古墳群や忍城跡が知られ、映画『のぼうの城』の舞台、ドラマ『陸王』のロケ地にもなり、蔵も撮影地のひとつです。
酒造りの特徴
酒造りの要は、蔵の敷地内にある自家井戸の水です。秩父を源流とする荒川水系の伏流水で、「福寿泉」と名づけられています。水質は弱軟水で、発酵がゆるやかに進み、まろやかで味わい深い酒に仕上がります。この水は米に吸わせる浸漬にも使われ、飲んでもおいしい水として、近所や少し離れた土地からも汲みに来る人がいるほどです。
原料米は、兵庫県の山田錦、長野県の美山錦といった酒造好適米のほか、地元埼玉県産の朝の光や若水などを、すべて玄米のまま取り寄せています。そして全量を蔵で自家精米しているのが大きなこだわりです。毎年微妙に違う米の質や状態を、玄米の段階から正確につかむためで、いまでは設備している蔵が少なくなった大型の精米機を使い、杜氏と蔵人が丹念に磨いています。大吟醸の山田錦は精米歩合40%まで磨かれます。
杜氏は南部杜氏の流れをくみ、蔵では3代にわたって南部杜氏の技術が受け継がれてきました。吟醸造りに長けるとされる南部流の手による酒です。麹室は室温35度、湿度65%ほどに保たれ、衛生面から作業着と帽子を着けて麹造りにあたります。上槽には連続搾機、槽搾り、しずく搾りがあり、酒によって使い分けられています。全国新酒鑑評会の出品酒は、袋から自然に滴る酒だけを集めるしずく搾りで仕上げます。
酵母は、「日本橋 大吟醸」と「日本橋大吟醸しずく」に埼玉C酵母、本醸造・純米酒・純米大吟醸・浮城の各酒に協会9号系の酵母を使います。一方、「江戸の宴」には日本最古の清酒酵母とされるサッカロマイセス・サケを用い、文献をもとに江戸時代の酒の復刻に挑みました。酒のほかに、埼玉県皆野町産の柚子、国産の白加賀梅、行田市産の苺「あまりん」を使ったリキュールも手がけています。
代表銘柄
日本橋
蔵の看板銘柄で、純米大吟醸、大吟醸、本醸造、純米酒と幅広く揃います。大吟醸は兵庫県産山田錦を精米歩合40%まで磨き、洋なしのような香りと旨みが広がる芳醇辛口で、全国新酒鑑評会出品酒と同じ仕込みで搾りだけが違う酒です。本醸造は淡麗中口で毎日の晩酌向き、純米酒は酸を効かせた濃厚な味わいでぬる燗が合います。「江戸の宴」は日本最古の清酒酵母で醸した復刻の純米酒です。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵に販売所があり、日本橋・浮城の日本酒やリキュールを購入できます。オンラインショップもあります。
- 補足
- 見学は予約制で、まず電話(048-556-6111)で申し込みます。時間は土日を除く平日の午前9時から午後4時までで、案内は約30分です。内容は酒造りの簡単な説明と蔵内の見学で、希望すれば利き酒もできます。新酒しぼりたての試飲は12月中旬から2月下旬です。10名以上の団体は土日も案内してもらえます。最寄りは秩父鉄道の東行田駅です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 埼玉県行田市桜町2-29-3
- 創業
- 1805年
- 公式サイト
- yokota-shuzou.co.jp
出典
sakagura-press.com / saisake.com / yokota-shuzou.co.jp / goshu-pro.jp / fc2.com / pon.sh / ameblo.jp / gyoda-kankoukyoukai.jp / chocotabi-saitama.jp / nrib.go.jp
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