SAKE BREWERY — SAITAMA

神亀酒造

埼玉県蓮田市馬込3-74 1848年創業

紹介

神亀酒造は、嘉永元年(1848年)に創業した埼玉県の酒蔵です(当時の屋号は伊勢屋本店)。1987年(昭和62年)には仕込む酒のすべてを純米酒に切り替え、戦後初となる全量純米蔵となりました。

代表銘柄「神亀」の名称は、かつて蔵の裏手にあった天神池に棲むとされる「神の使いの亀」の言い伝えに由来しています。酒造りにおいては「酒は、米から。」という原則のもと有機栽培米も採り入れ、米・米麹・水のみを原料に職人の技で丁寧に仕込んでいます。

また、時間による「熟成」に強いこだわりを持つ点も大きな特徴です。3年以上の熟成を経て出荷される「ひこ孫」をはじめ、「小鳥のさえずり」「仙亀」といった銘柄を手掛け、じっくり熟成させることで米本来の豊かな旨みを引き出し、常温やお燗で映える味わいを追求しています。

歴史

神亀酒造の創業は嘉永元年(1848年)で、当時の屋号は「伊勢屋本店」と称していました。蔵の名の由来は、かつて蔵の裏手にあった天神池に「神の使いの亀」が棲んでいたという言い伝えによるとされています。

蔵の歴史を語るうえで欠かせないのが、7代目当主であった小川原良征氏(1946〜2017年、社内では「センム」と呼ばれていました)による全量純米蔵化への挑戦です。東京農業大学で塚原寅次教授に師事した小川原氏は、戦時中に軍の要請で開発され、米不足を理由に戦後も業界の「常識」として定着していたアルコール添加による三倍増醸酒(三増酒)に疑問を抱き、大学卒業後の1968年に自ら初めての純米酒を試験醸造しました。1972年には三増酒の製造を撤廃し、1987年(昭和62年)にはついに仕込む酒のすべてを純米酒に切り替え、戦後初の全量純米蔵となりました。

この転換の過程では税務署との対立もありました。蔵内で熟成させている純米酒を「不良在庫」として扱われ、処分するまで新年度の書類を通さないという対応を受けたと伝えられています。小川原氏は後年の手記に「純米酒造りを続けて、飲む人にわかってもらえないと、いつかワインに日本酒が潰されてしまうだろう」と記し、信念を貫きました。

2017年に良征氏が逝去した後は、8代目として小川原貴夫氏が代表取締役を務めています。小川原貴夫氏は1979年東京生まれで、高校卒業後に実家の酒販店「ニシザワ酒店」を継ぎ、23歳のときに良征氏と出会ったことをきっかけに同店を純米酒専門店へと転換しました。2013年に神亀酒造へ入社し、2017年4月に代表取締役に就任しています。

酒造り

神亀酒造は「米と米麹と水のみ」で醸す純米酒造りを貫いており、仕込み水には秩父系荒川の伏流水(硬水)を使用しています。醸造米は契約農家による酒造好適米を中心とし、銘柄によっては特定の産地・栽培方法の山田錦を指定して仕込んでいます。

杜氏は太田茂典氏です。1963年埼玉県生まれ、明治大学卒業後、30歳でコピーライターから転身して奈良県の酒蔵で修行を積み、1999年に神亀酒造へ入社、2005年の造りから杜氏を務めています。南部杜氏協会会員、一級酒造技能士、日本酒造杜氏、清酒専門評価者認定の資格を持っています。

神亀酒造の酒質は骨格のしっかりとした辛口純米酒で、燗をつけることでしみじみとした旨みが引き出される点が特徴です。出荷前には蔵内で最低でも2〜3年以上、商品によっては氷温や常温で10年以上にわたり長期熟成させており、雑味を澱として沈殿させることで、まろやかで深みのある味わいに仕上げています。

蔵データ

所在地

埼玉県蓮田市馬込3-74

創業

1848年(埼玉県)

公式サイト

shinkame.co.jp

代表銘柄

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小鳥のさえずり:鳥取県の田中農場で堆肥のみを用いて栽培された山田錦を100%使用し、精米歩合50%まで磨いた純米吟醸です。氷温(マイナス10℃)の氷温庫で3年以上熟成させ、飲み頃を見極めてから出荷されます。ぬる燗(40℃前後)でまったりと味わうと、やさしい甘みと穏やかな吟醸香、繊細な米の旨みが広がります。

神亀:神亀酒造の看板銘柄で、2年以上の熟成を経て出荷される純米酒です。精米歩合はおよそ60%、日本酒度+5〜+6、アルコール分15.5度前後で、骨格のしっかりとした辛口に仕上がっています。熱燗・ぬる燗が特におすすめで、燗をつけることで米由来のふくよかな旨みとキレが一層引き立ちます。

ひこ孫:「曾孫」を意味する銘柄名のとおり、搾ったのち蔵内で最低3年以上熟成させてから瓶詰・出荷される長期熟成の純米酒です。精米歩合は純米酒で55%、純米吟醸で50%。徳島県産山田錦などを使用し、協会9号酵母による発酵でコハク酸・乳酸を多く生み出すことで、辛口ながら上品な甘みとキレのある深いコクを実現しています。熱燗・ぬる燗との相性が良いとされます。

仙亀:飲食店での取り扱いを想定して開発された、神亀・ひこ孫よりも手頃な価格帯の純米酒ブランドです。現在確認できる商品には、アルコール分10度に仕上げた軽やかなにごり酒「仙亀にごり酒 かるくいっぱい」があり、気軽に楽しめる食中酒として展開されています。

見学・購入

蔵見学

なし

直売所

神亀酒造は蔵元での直接販売は行っておらず、蓮田市内の「今宮屋酒店本店」「今宮屋酒店支店」で取り扱われています。営業時間は9時から18時、定休日は月曜日です。

補足

JR蓮田駅東口から国際興業バス「のくぼ通り南」下車、徒歩約4分。駅から徒歩の場合は約16分(1.2km)です。車の場合は東北自動車道 蓮田スマートICから約6〜8分でアクセスできます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

sakedata.jp / saisake.com / shinkame.co.jp / saitama-supportdesk.com / e-yoshinoya.co.jp / katidoki.shop / ozakishouten.com / shinkame.jp / ja.wikipedia.org / dancyu.jp / chocotabi-saitama.jp

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