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滝澤酒造

代表銘柄:菊泉

埼玉県

SAITAMA

1863年創業

1863年(文久3年)に埼玉県小川町で創業し、1900年(明治33年)に現在の深谷市へ移転した酒蔵です。敷地内にはシンボルである高さ20メートルを超える煉瓦製の煙突が立ち、2007年(平成19年)からは六代目当主の滝澤英之氏が蔵元杜氏を務めています。

酒造りでは荒川水系の伏流水や埼玉県産米「さけ武蔵」などを原料とし、手造りの伝統製法により料理を引き立てるすっきりとした淡麗な地酒「菊泉」を醸造しています。また、シャンパン製法(瓶内二次発酵)を応用して濁りのない透明な発泡性清酒「菊泉 ひとすじ」を開発し、2019年に製法特許を取得するなど革新的な取り組みも行っています。

受賞歴としては、1993年に全国新酒鑑評会で初の金賞を受賞。2013年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)での金メダル獲得をはじめ、2021年のIWCでは「菊泉 ひとすじ」がスパークリング部門の最高位であるトロフィーを受賞するなど、国内外で高く評価されています。

滝澤酒造の歩み

滝澤酒造は、文久3年(1863年)に埼玉県小川町で創業しました。明治33年(1900年)には、中山道の宿場町として栄えた深谷宿の街道沿いに蔵を移しています。現在の所在地は深谷市田所町で、いまも蔵のシンボルとして立つ全高20メートルを超える煉瓦製の煙突は、昭和5年(1930年)の建造です。深谷にはかつて日本煉瓦製造の工場があり、良質な煉瓦が生産されていました。滝澤酒造でも煙突のほか、麹室や製品を貯蔵する蔵がこの煉瓦で建てられています。会社の設立は昭和34年(1959年)です。

現在の当主は六代目の滝澤英之氏です。平成7年(1995年)に東京都の石川酒造で修業して酒造りの基礎を学び、平成10年(1998年)からは南部杜氏の指導のもと、滝澤酒造で製造技術を磨きました。平成19年(2007年)に先代の親方である南部杜氏を引き継いで自ら杜氏に就任し、以来、蔵元杜氏として酒造りを担っています。伝統を礎に新しい技術や価値観を取り入れながら挑戦を続けており、蔵見学や酒造り体験の受け入れ、お客様と交流できるイベントへの参加も大切にしています。

当主が酒造りの中で強く惹かれたのが、発酵途中のもろみに生じるピリピリとした味わいと、口の中で調和する甘味と酸味でした。この味わいを製品にしたいという思いから、平成22年(2010年)に酵母の発酵による自然の炭酸ガスを瓶内に閉じ込めた微発泡の純米酒「彩のあわ雪」を発売します。これは日本酒になじみのなかった女性を中心に好評を得ましたが、泡が見えにくい、発泡感が弱いという課題も残りました。

そこで瓶内二次発酵の技術をもとにフランスのシャンパンの製造技術に着目し、試行錯誤の末、平成28年(2016年)に透明で発泡性の高い「菊泉 ひとすじ」の開発に成功しました。この製法は令和元年(2019年)に「発泡性清酒の製造方法」として特許を取得しています。「ひとすじ」の開発中だった2014年、群馬県の永井酒造から発泡性日本酒の協会をつくりたいという相談を受けました。この構想に共感し、賛同する全国の酒蔵8社で一般社団法人awa酒協会を2016年11月1日に設立しています。

続いて、瓶内二次発酵で天然の泡を閉じ込め、オリを除いた透明なロゼタイプの本格的な発泡性日本酒として、蔵が世界初と位置づける「菊泉 ひとすじロゼ」を、赤色酵母を用いて開発し、2018年8月にawa酒協会の認定を受け、同年11月に発売しました。

全国新酒鑑評会では、1993年に初めて金賞を受賞しました。金賞は2026年までに、1993年、1994年、1996年、2001年、2002年、2004年から2007年、2011年から2014年、2022年、2023年、2025年、2026年の17回にのぼります。2003年以降に限ると、2026年までに21回入賞し、うち金賞は2004年から2007年、2011年から2014年、2022年、2023年、2025年、2026年の12回です。

入賞にとどまったのは2003年、2010年、2015年から2020年、2024年でした。

海外では、2013年にIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門で大吟醸が初めて金メダルを受賞しました。その後も2014年に大吟醸秘蔵酒、2017年に大吟醸、2021年にひとすじとひとすじロゼ、2025年に大吟醸が金メダルを獲得しています。このうち2021年はスパークリング部門で「菊泉 ひとすじ」がスパークリングトロフィーに、「菊泉 ひとすじロゼ」が埼玉・スパークリングトロフィーに輝き、2025年には「菊泉 大吟醸」が埼玉・大吟醸トロフィーを受賞しました。

フランスのKura Masterでもスパークリング部門で、2022年と2023年にひとすじレイ、2025年にひとすじがプラチナ賞を受賞し、金賞は2019年にひとすじとひとすじロゼ、2020年にひとすじ、2021年にひとすじとひとすじロゼ、2023年と2024年にひとすじ、2025年にひとすじレイが受けています。国内では「菊泉 純米酒」が関東信越国税局酒類鑑評会の純米の部で多数の優秀賞を受賞しています。

酒造りの特徴

滝澤酒造は、昔ながらの道具と蔵人の経験と勘に基づく手造りの伝統製法を守っています。酒造りでもっとも重要とされる麹造りの出来は、洗米と蒸米で決まると考え、吟醸酒以上の洗米はやさしく手洗いします。吟醸酒では、米が水を吸い過ぎないよう10キロずつ小分けにし、15度ほどのやや高めの水で、タイマーを使って秒単位の限定吸水を行います。蒸米は、直径2メートルほどの和釜に甑を置き、1時間以上かけて一粒一粒に蒸気を通します。外側が硬く内側が軟らかい、ムラのない蒸米に仕上げるため、機械ではなく和釜と甑を使い続けています。

麹造りでは、伝統的な製法のなかでも個体差を少なくできる箱麹法を採用しています。蒸米に種麹を振りかける種付けから温度管理が始まり、約24時間後に130センチ×60センチほどの木箱に小分けして、より繊細に管理します。温度が上がれば混ぜたり広げたりして冷まし、低ければ箱を二段三段と積み重ねる作業を3〜4時間置きに繰り返し、約48時間かけて麹を育てます。混ぜすぎても怠っても温度が狂うため、習熟した技術が欠かせません。こうして出来上がる、もろみの中で溶け過ぎない締まった硬めの麹が、すっきりとした味や香りを生みます。

吟醸酒の仕込みは、完成した酒母を約1,500リットルのタンクに移し、翌日に水・麹・蒸米を加える添から始まります。翌日の踊は仕込みを休んで酵母の増殖を促し、その翌日に仲、さらに翌日に留と、三段で仕込みます。一般的な発酵温度より低温で発酵させて酵母にストレスをかけることで、そのストレスが香りを引き出します。もろみ日数が23日から27日になるよう仕込み温度と発酵温度を管理し、吟醸酒は厳寒期の1月にもろみを仕込んで、洗米から上槽まで約45日をかけます。

深谷産の煉瓦で造った麹室は、保温性と保湿性に優れ、繊細な温度管理を求められる麹造りに欠かせません。仕込み水の荒川水系の伏流水は発酵に有利な硬水で、目指す淡麗な口当たりに適しています。麹が乾燥しやすい深谷の冬の気候も、すっきりとした酒質に向いています。発泡性の「ひとすじ」は、さけ武蔵と五百万石(いずれも埼玉県産)を精米歩合60%で仕込み、瓶内二次発酵で透明に仕上げます。ロゼに使う赤色酵母は発酵力が弱いため、他のもろみが少なくなる酒造期間の終盤に、仕込みの配合を変えたり専用の道具を用いたりして慎重に発酵させます。

代表銘柄

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菊泉

菊泉は、菊のように香り高く泉のように清らかな伝承の酒という思いから名づけられた、蔵の代表銘柄です。目指す酒質は、料理を引き立てる名脇役です。大吟醸は兵庫県産山田錦を精米歩合40%で仕込み、青リンゴのような香りとシャープなキレがあります。純米酒は長野県産美山錦を65%に磨き、心地よい酸味とコクのある旨みが特長です。同じ菊泉の名で、瓶内二次発酵の透明な発泡性純米酒「ひとすじ」も展開しています。

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見学・購入

直売所
蔵に併設の店舗で菊泉の各種商品を販売しています。オンラインショップも開設しています。
補足
蔵見学や酒造り体験の受け入れに取り組んでいますが、実施の可否や時期は事前に蔵へ問い合わせるのが確実です。日曜・祝日と一部の土曜が休業日で、休業日はお知らせで案内されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
埼玉県深谷市田所町9-20
創業
1863年
公式サイト
kikuizumi.jp

出典

sakekasu-kobokudo.jp / kikuizumi.jp / sakenomy.jp / sakeworld.jp / jaycee.or.jp / nrib.go.jp / saisake.com / sai2.info / jp.sake-times.com / agatajapan.com

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