佐藤酒造店
代表銘柄:越生梅林
埼玉県
SAITAMA
1844年創業
弘化元年(1844年)創業。関東三大梅林の一つに数えられる埼玉県越生町に蔵を構える。黒山三滝を源流とする越辺川の清麗な伏流水を仕込み水に使用し、小さなタンクを用いた手造り・小仕込みによる丁寧な酒造りを行っている。「ふくらみがあり、後味の軽い酒」をモットーとし、喜怒哀楽の場面にそっと寄り添うような優しい味わいの日本酒を目指している。
埼玉県初の女性杜氏が酒造りを手掛ける蔵としても知られ、代表銘柄「越生梅林」特別純米酒は全国燗酒コンテストでの金賞受賞や「Made in SAITAMA優良加工食品大賞2023」での特別賞受賞など高い評価を得ている。また、自家梅園の梅と清酒による梅酒造りや、大学との産学連携による花酵母を使用した日本酒開発など、伝統を守りながら地域に根差した酒造りにも取り組んでいる。
佐藤酒造店の歩み
佐藤酒造店は弘化元年(1844年)の創業で、現在の越生町にあたる地で酒造りを続けてきた蔵です。越生は関東三大梅林のひとつに数えられる越生梅林で知られ、蔵の近くには日本観光地百選にも選ばれた黒山三滝があります。かつての主銘柄は「魁雪」で、越生梅林にある樹齢約700年ともいわれる梅の古木の名に由来します。店内には、「魁雪」と書かれた大きな陶器の容器が今も残されています。現在の主銘柄は「越生梅林」で、現在の代表者は佐藤徳哉さんです。
転機は2011年の東日本大震災でした。老朽化が進んでいた蔵は壁や瓦に被害を受け、造れるだけ造ったら廃業することも視野に入れた家族会議が重ねられました。当時まだ学生だった長女の麻里子さんと弟の徳哉さんは、「私たちの代で終わりにしたくない」と家業を継ぐ決意を固めました。これを受けて、父で当時の社長だった忠男さんが蔵の全面的な建て直しを決断し、2014年の春に工事が始まり、2015年に新しい蔵が完成しました。
新しい蔵での造りが始まった2015年に、1991年生まれの佐藤麻里子さんが杜氏に指名されました。埼玉県内で初めての女性杜氏であり、このとき蔵人も20代の若い世代に切り替わっています。麻里子さんは杜氏就任1年目から、自らラベルや設計を手がける「まりこのさけ」を毎年造り、2026年の第12弾でシリーズを完結させました。2016年には屋号である「中田屋」を銘柄として復刻し、原料米ごとに色を分けたシリーズを展開しています。2024年には創業180周年を迎え、記念のロゴも作られました。
受賞歴では、全国新酒鑑評会で1993年に金賞を受賞しています。これとは別に、平成14酒造年度以降に限ると、平成14酒造年度、平成22酒造年度、平成28酒造年度の3回入賞しています。平成28酒造年度は麻里子さんが杜氏になって初めて出品した年で、2017年5月の発表で入賞が告げられました。関東信越国税局酒類鑑評会では、第60回から第65回、第68回、第70回から第73回、第77回から第79回、第81回、第82回の計16回受賞しています。
全国酒類コンクールでは、第21回の純米酒部門第2位、第23回の純米吟醸・純米大吟醸部門第3位、第25回の純米酒部門第1位と古酒・新開発部門(梅酒)の審査員特別賞を受けました。第26回は純米吟醸・純米大吟醸部門第2位と古酒・新開発部門(赤紫蘇酒)第2位、第27回は梅酒、第28回は赤紫蘇酒で、いずれも古酒・新開発部門の第1位です。第35回にはレギュラー酒部門で第1位の特別優秀賞を受けています。
全国燗酒コンテストでは金賞を重ねています。2019年はお値打ちぬる燗部門で「越生梅林 純米酒」、2020年と2022年はプレミアム燗酒部門で「越生梅林 特別純米酒」が金賞でした。2024年はお値打ちぬる燗部門の「越生梅林 特別純米酒」とお値打ち熱燗部門の「越生梅林 辛口」の2点が金賞に選ばれています。2026年は極上お値打ち熱燗部門の「越生梅林 純米大吟醸(雄町)」が金賞、極上お値打ちぬる燗部門の「越生梅林 純米大吟醸(山田錦)」とお値打ちぬる燗部門の「越生梅林 純米酒」が推奨に選ばれました。
県内では、2023年のMade in SAITAMA優良加工食品大賞で「越生梅林 特別純米酒」が特別賞を受賞しています。さらに、麻里子さんは令和3年度の埼玉県荻野吟子賞で大賞(個人・団体部門)を受け、県内初の女性杜氏として蔵人を率いる姿が評価されました。
酒造りの特徴
仕込み水には、黒山三滝を源とする越辺川の清冽な伏流水を使います。蔵は小さなタンクを用い、人の目と手が行き届く量で丁寧に醸す手造り・小仕込みを続けています。モットーは「ふくらみがあり後味の軽い酒」で、料理の邪魔をせず、喜怒哀楽の場面にそっと寄り添う優しいお酒を目指しています。酵母は自社酵母が基本で、蒸米は外側が硬く内側に柔らかさが残る「外硬内軟」を目指して仕上げます。仕込み水の井戸の水量が減ってきたため、2017年には井戸をもう1本掘ることにしました。
新しい蔵には、最新の洗米機と放冷機、温度と湿度を別々に設定できる二部屋式の麹室が入りました。サーマルタンクが並ぶ仕込み場も、酒母場も搾り場もすべて完全空調で、火入れの工程にも新しい機械が導入されています。麻里子さんは杜氏になってから、酒造好適米の割合を増やし、麹造りを改善し、仕込みの温度を以前より下げて吟醸造りを徹底しました。2017年当時は麹造りを人任せにせず、すべて自分で行っていました。2017年には新商品の純米大吟醸や、これまでにない高精白の純米吟醸も増やしています。
品質管理では冷蔵設備を重視しています。できあがったお酒はすぐに瓶詰めして冷蔵庫で貯蔵し、できる限り熟成させないようにしています。一部の商品だけは、温度管理機能付きのサーマルタンクでタンク貯蔵しています。熟成貯蔵用の冷蔵庫は2017年と2019年に増設し、2023年には冷蔵車を導入しました。2024年には、四季醸造での品質管理ができるよう、発酵室と貯蔵室により出力の高い冷蔵設備を導入しています。
原料と酵母にも工夫があります。「越生梅林 香梅」は鑑評会出品酒を斗瓶囲いした大吟醸原酒で、山田錦を40%まで磨いています。純米大吟醸は兵庫県産山田錦を50%精米し、別の純米大吟醸は岡山県産雄町を100%使います。「越生梅林 特別純米酒」は、県育成品種のさけ武蔵と自社酵母を使っています。「中田屋 Pink」は埼玉県産の彩のきずなを100%使い、50%まで精米した純米吟醸です。山廃仕込みの純米酒や辛口の商品もあります。
東洋大学の工業技術研究所とは産学連携で花から分離した酵母を研究し、峯岸宏明准教授の研究室がホトケノザから分離した酵母で、2023年に「越生梅林 エスティ」を発売しました。その後もヤマユリ、アジサイ、ネモフィラの酵母による酒を出しています。自社梅園の梅の花から分離した梅酵母を使う「うめのはな」もあり、自家梅園の梅と清酒で梅酒も造っています。
代表銘柄
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越生梅林
「越生梅林」は梅林の名を冠した蔵の主銘柄で、ふくらみがあり後味の軽い味わいを目指しています。山田錦40%の大吟醸原酒「香梅」、山田錦50%や雄町100%の純米大吟醸、山廃仕込みの純米酒など幅広く揃います。全国燗酒コンテストでは2019年・2020年・2022年・2024年・2026年に金賞を受けました。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵に併設の直営店があり、蔵限定の商品も扱っています。営業時間は10時から16時が目安で、定休日は月曜日が基本です(祝日は営業)。
- 補足
- 酒蔵見学は行っていません。夏季限定で、黒山三滝の伏流水で削るかき氷「ぽわ雪」の販売も行われています。越生梅林や黒山三滝が近く、2月下旬から3月には越生梅林まつりが開かれます。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 埼玉県入間郡越生町大字津久根141-1
- 創業
- 1844年
- 公式サイト
- satoshuzou.co.jp
出典
goshu-pro.jp / satoshuzou.co.jp / saisake.com / goope.jp / sake-times.com / saitama.lg.jp / digitalpr.jp / kansake.jp / pref.saitama.lg.jp / sakagura-press.com / sake-journal.com / sai-sake.jp
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