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落酒造場

代表銘柄:大正の鶴

岡山県

OKAYAMA

1893年創業

落酒造場の建物
落酒造場の建物(2017年撮影)「Ochi shuzoujou.jpg」 — 写真:KASEI / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

1893年(明治26年)、初代の落眞太郎が良質な水を求めて現在の岡山県真庭市下呰部に創業した酒蔵です。当初は「丸三合名会社」として始まり、1951年(昭和26年)に「株式会社落酒造場」へ改称されました。代表銘柄の「大正の鶴」は3代目の落実により命名されています。仕込み水にはカルスト地形から流れ出る備中川の伏流水(ミネラル豊富な中硬水)を使用し、原料米には主に「朝日」や「赤磐雄町」といった岡山県産米を取り入れています。

現在は5代目の落昇氏が代表取締役兼杜氏を務め、「ひと手間を惜しまない」伝統の手造りによる酒造りを継承しています。杜氏の名前を冠した食中酒シリーズ「RISING」や、季節限定のにごり酒「雪小僧」などを展開しています。

落酒造場の歩み

落酒造場は、岡山県北部の真庭市下呰部で酒造りを続ける蔵です。創業は1893年(明治26年)で、初代の落眞太郎が良質な水を求め、現在の真庭市北房の下呰部にあたる地で、丸三合名会社として酒造業を始めました。社名から「丸三正宗」、屋号から「丸三の酒」と呼ばれ、地元で親しまれました。蔵のある北房は、古くから備中国と美作国を結ぶ往来の中継地として栄え、伊勢国亀山藩(現在の三重県亀山市)の飛地領でもあった土地です。

昭和22年(1947年)ごろ、のちに3代目となる落実が、代表銘柄を「大正の鶴」と命名しました。昭和26年(1951年)には2代目の落治平が社名を株式会社落酒造場に改め、昭和49年(1974年)に4代目の落泰明が代表取締役に就きました。昭和57年(1982年)には創業100年に向けて「目指せ、100年」「ゼロからのスタート、オンリーワン」というスローガンを掲げ、平成元年(1989年)からは、岡山を代表する米である朝日米にこだわった純米酒造りを始めています。平成5年(1993年)には創業100年を迎えました。

5代目の落昇は、2001年に東京農業大学農学部醸造学科を卒業し、百貨店勤務を経て2005年2月に落酒造場へ入社しました。2007年に製造責任者となり、2009年には岡山県赤磐市赤坂産の朝日米の契約栽培米を使い始め、創業120年にあたる2013年に杜氏へ就任しました。2019年(令和元年)には代表取締役に就き、現在は蔵元と杜氏を兼ねています。

真庭市には発酵を生業とする企業が多く、落酒造場を含む7社は、発酵文化を若い世代や真庭ゆかりの人々、そして全国に伝えようと、2012年に「まにわ発酵's」というチームを発足させました。お客様が参加して学べるイベントを開き、地域に貢献する取り組みです。

品評会では次のような評価を受けています。岡山県酒造組合が主催する岡山県清酒品評会では、平成20・21・24の各酒造年度に純米酒部門で金賞を受けました。市販酒を審査する形となった平成26年度には一般酒部門の「大正の鶴 上撰」、平成27年度と平成30年度には純米酒部門で金賞に選ばれています。令和元年度は、純米吟醸酒部門の「大正の鶴 純米吟醸 中取り」と純米酒部門の「大正の鶴 RISING 60 特別純米」がそろって金賞でした。

備中杜氏自醸清酒品評会では第101回までの5回連続で優等賞に入賞し、第101回では優等賞名誉賞を、杜氏の落昇と落酒造場の双方が受けました。第106回備中杜氏自醸清酒品評会と同時に審査された第2回JA全農岡山米特別奨励賞(令和5年)では、杜氏の落昇が「大正の鶴 特別純米酒 RISING60」で第4位、第3回(令和6年)では「大正の鶴 RISING 赤磐雄町」で第2位となっています。

酒造りの特徴

仕込み水は、蔵の敷地内から汲み上げる備中川の伏流水です。中国山地のカルスト地形から流れ出る、ミネラルを豊富に含む中硬水で、蔵のこだわりは「岡山産のお米を使うこと」と「呰部の水を使うこと」にあります。蔵の周辺には鍾乳洞が複数あります。原料米は、岡山県の代表的な米である「朝日」が中心です。純米大吟醸と純米吟醸には、契約栽培の備前赤磐赤坂産の朝日米を使い、それぞれ40パーセントと50パーセントまで精米します。

特別純米は備前朝日米を100パーセント使って精米歩合60パーセント、純米酒の「75精米」は朝日米をあえて磨かず、お米本来の旨味を生かします。「RISING 赤磐雄町米」は、赤磐雄町米を100パーセント使い、精米歩合は60パーセントです。

洗米から浸漬、蒸米、製麹、酒母、醪づくりまで、長年の経験とデータにもとづき「ひと手間を惜しまない」手造りで仕込みます。日々変わる気温や水温、湿度に向き合い、毎年の酒造りで蓄積したデータと五感で酒質を決め、人間の役割は微生物を支えることだと考えています。中硬水の水でお米の旨味と力強さ、芳醇な香りとコク、キレのよい味わいを引き出すことを目指しています。

品質管理では貯蔵を重視しています。純米酒以上のお酒は温度管理を徹底し、酒質や状態に合わせて、蔵内タンク貯蔵、マイナス5度、0度、プラス3度、プラス5度と温度を使い分けます。蛍光灯の光でも直に当たれば1時間で酒質が変わり、極端な温度変化も老化を早めるため、光と温度の管理を欠かしません。

熟成酒にも力を入れています。「Vintage」は1990年度に醸造した備前朝日米の純米酒を、20年目から瓶貯蔵に移して7年間、蔵内で常温熟成させた古酒です。1996年度産の本醸造の秘蔵酒は淡い琥珀色で、豊かな熟成香とシャープさを備えます。季節限定では、搾りたての特別純米を無ろ過で火入れして瓶詰めし、急冷して熟成させる秋あがりや、蔵内の冷暗所で二夏越えの熟成をさせた純米酒があり、燗に向く純米酒「落花流水」も醸しています。

代表銘柄

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大正の鶴

落酒造場の代表銘柄で、昭和22年ごろに、のちの3代目の落実が命名しました。原料米の中心は岡山県産の朝日米で、純米大吟醸から純米75まで精米歩合を変えて醸し分けています。杜氏の名を冠したRISINGシリーズは、落昇の挑戦を形にしていく上昇志向の継続を込めたお酒で、備前朝日米100パーセント・精米歩合60パーセントの特別純米は、原酒より度数を少し抑えた食中酒です。11月から3月には、季節限定のにごり酒「雪小僧」も楽しめます。

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見学・購入

直売所
ご注文は電話、FAX、メールで受け付けています。岡山県内と真庭市内のほか、北海道から福岡まで各地の酒販店が取扱店です。
補足
蔵のそばを流れる備中川では、5月下旬から6月にゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルの乱舞が見られます。蔵の向かいには古民家を再生した和風カフェ「あざえ茶屋」、隣には和風レストラン「ほたる庵」があります。車では中国自動車道の北房ICから約3.3キロ、公共交通ではJR備中高梁駅の高梁バスセンターから備北バスの呰部行に乗り、呰部で降りて北へ徒歩3分です。2018年には「秋の蔵開き」が開かれ、蔵の見学や試飲、蔵開き限定酒の販売が行われました。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岡山県真庭市下呰部664-4
創業
1893年
公式サイト
taishonotsuru.com

出典

maniwa.or.jp / taishonotsuru.com / sakenomy.jp / japansake.or.jp / okasake.com / maff.go.jp / i-maniwa.com / jozo.or.jp / cocomaniwa.com / matsuri-no-hi.com / umashikuniproject.jp

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