本文へ移動

三冠酒造

代表銘柄:三冠

岡山県

OKAYAMA

1806年創業

1806年(文化3年)に創業した岡山県倉敷市児島の酒蔵で、備中杜氏の伝統技術を受け継ぎ酒造りを行っています。「名脇役に徹し、食事を主役にする酒」を掲げ、料理を引き立てる食中酒造りに取り組んでいます。原料米には岡山県特産の「雄町」や「朝日」を使用し、仕込み水には蔵から約300m離れた児島の山裾に水源を持つ清冽な仕込み水(みこえの水)を用いています。近隣の下津井港で水揚げされる魚介類をはじめとする料理の旨味に寄り添う、芳醇な辛口の味わいが特徴です。

代表銘柄「三冠」の名は、明治時代の「内国勧業博覧会」で二度天皇陛下より褒状を授与された歴史から、三度目の褒状授与を祈願して改名されたことに由来します。近年では「三冠 雄町 純米大吟醸 一回火入れ」が2024年にパリで開催された「サロン・デュ・サケ」にてプロフェッショナル入場者賞を受賞したほか、「和井田 生酛純米」が2025年雄町サミットの燗酒部門で最優等賞を獲得するなど、国内外で評価されています。

三冠酒造の歩み

三冠酒造は、倉敷市児島下の町に蔵を構える酒蔵で、創業は江戸時代後期の文化3年(1806年)です。初代・洲脇吉蔵が、現在の倉敷市児島にあたる山沿いの地で、屋号「ますや」として酒造業を始めたのが起こりと伝えられています。3代目の安太郎の代には、当地の地名「前畑」にちなんで洲脇から前畠へと改姓し、「前畠酒場」と称して酒造りに打ち込みました。蔵のある児島は繊維の街として知られ、かつては作業服や学生服、現在は国産デニム発祥の地としても名高い土地です。

近くには下津井の漁港があり、蔵はこの港にいちばん近い酒蔵として、水揚げされる魚介との相性を第一に酒を造ってきました。

銘柄名「三冠」の由来は、明治期の褒状にあります。4代目・前畠平三郎が代表を務めていた明治36年(1903年)、第五回内国勧業博覧会で、蔵の「富士正宗」が天皇陛下から褒状を授与されました。その後、商標を「祇園」に改め、明治44年(1911年)にも「祇園」が同様に褒状を授与されています。そこで三度目の褒状を祈念して、銘柄を現在の「三冠」に改めました。「三冠」は水島新司の野球漫画「あぶさん」にも児島の酒として登場し、劇中で主人公がこの酒を飲んで三冠王を獲得する場面があります。

5代目・前畠頼三の時代の昭和20年代には、戦後の統制によりやむなく酒造りを一時休止しました。その後、昭和31年(1956年)1月に三冠酒造有限会社を設立し、酒造りを再開しています。昭和51年(1976年)には、東京農業大学で学んだ6代目・前畠敏成が、備中杜氏の伝統的な技を引き継ぎました。敏成は平成23年(2011年)に、産業の振興や社会福祉の増進に優れた業績をあげた人に贈られる藍綬褒章を授与されています。また、平成24年(2012年)には、創業200年以上の企業として「倉敷の老舗」の感謝状を授与されました。

昭和40年代後半から50年代ごろの蔵は、灘の大手酒造会社に全量を桶売りしており、地元の販売店にも自社の酒が並ばない時期がありました。その後に桶売りの契約が切られ、自社ブランドへの転換が遅れたところへ日本酒の低迷期が重なり、先代は大変な苦労をしたと、7代目の前畠眞澄は語っています。販売の長期低迷により、2010年代前半には廃業の危機にも陥りましたが、2012年にIT関係の仕事をしていた長男の眞澄が後継者となる決断をして蔵の再興に取り組みました。

令和元年(2019年)には藤井時弘杜氏を迎え、三冠らしい酒の表現に取り組みました。現行商品の表示でも、杜氏は藤井時弘です。

令和8年(2026年)7月の時点では、6代目の前畠敏成が代表取締役を務め、7代目の前畠眞澄専務が日本酒バルを運営しています。そこでは毎月、県内外の蔵元を招いて酒造りへの思いを聞き、料理とのペアリングを楽しむ会「SAKE TERAKOYA」を開き、蔵元が自ら語る場づくりを続けています。海外では、韓国向けに毎月の注文が続き、タイや台湾でも取引の拡大に取り組んでいます。今後は雄町の比重をさらに高め、生酛、速醸の定番、初心者向けといった製法や対象層を意識した3系統ほどへの商品整理を検討しています。

酒造りの特徴

蔵が掲げるのは「名脇役に徹し、食事を主役にする酒」です。下津井港で水揚げされる魚介との飲み合わせを考え、魚料理の旨みを引き立てつつ、魚の脂に負けない辛口に仕上げることを心がけています。米本来の味がしっかりとして、ご飯の代わりになるような、飲み飽きしない辛口の食中酒をめざしています。酒造りは、能登杜氏に次ぐ二番目の歴史を持つとする備中杜氏の伝統的な手法を受け継いでいます。

酒米には、岡山を代表する雄町と朝日を使います。雄町は安政6年(1859年)に岡山で見いだされた酒造好適米で、蔵は岡山の米のよさを全国や世界に伝えたいという思いから、この2種を軸にしています。仕込み水は、蔵から約300メートル離れた山裾に水源を持つ水です。かつて児島の沿岸が入浜式塩田で埋め尽くされていたころ、炎天下で働く浜子たちが「みこえの水」と呼んで列をなして求めた冷たくおいしい水で、花崗岩の地質で磨かれた清冽な硬水です。海に近くても塩分は含まず、素材の味を引き出す、すっきりとした水質です。

麹は箱麹で手作りし、仕込みタンクはすべて小型のものを使って醪の温度を管理しやすくしています。蔵は全量を特定名称酒で造る蔵で、蔵から数キロの距離にある委託精米の大手、新中野工業の精米を利用できる環境にあります。仕込みは初添、仲添、留添の三段に分けて行い、初添の翌日は酵母を増やすために一日置き、仲添は初添の2倍、留添はその2倍の量を加えます。その後、およそ20日から30日かけて発酵させ、搾って酒と酒粕に分けます。

銘柄は「三冠」と「和井田」が中心です。「三冠」は純米、純米吟醸、純米大吟醸、生酛造り、アッサンブラージュなど米と水で造る酒を主とし、本醸造の「酒趣深遠」は濃厚芳醇な辛口です。長期貯蔵の古酒「秘造酒」には最長で40年近いものもあります。生原酒を炭酸で割る「酒ボール」という飲み方も提案しています。受賞では、IWC 2020で1990年醸造の秘蔵酒が古酒の部の銅メダル、IWC 2022で「三冠 秘蔵古酒 大吟醸 1992」が古酒の部の銀メダル、「三冠 雄町純米吟醸生原酒」が純米吟醸酒の部の銅メダルを受けました。

IWC 2023では、雄町の純米大吟醸無濾過生原酒が純米大吟醸酒の部で銀メダルに選ばれています。2024年9月にパリで開かれた第10回Salon du SAKEでは「三冠 雄町 純米大吟醸 一回火入れ」がサロン・デュ・サケ プロフェッショナル入場者賞を受賞しました。2025年8月の第16回雄町サミットでは、燗酒の部で「三冠 和井田 雄町 生酛純米」が最優等賞に選ばれています。

代表銘柄

[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。

三冠の関連商品画像関連商品・楽天市場

三冠

蔵の名を冠した代表銘柄です。純米、純米吟醸、純米大吟醸、生酛造り、アッサンブラージュなど、米と水で造る酒を主とし、原料は岡山の雄町と朝日です。料理を引き立てる辛口の食中酒をめざしています。名は、明治期に前身の銘柄が二度褒状を受けたことから、三度目を祈念して付けられました。IWCでは2022年に古酒の部の銀と純米吟醸酒の部の銅、2023年に純米大吟醸酒の部の銀を受け、2024年にはパリのSalon du SAKEでプロフェッショナル入場者賞を受賞しました。

楽天で商品を見る

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵に併設の直売所です。築100年以上の精米蔵を改装した建物で、日本酒のほか、下津井港で水揚げされた魚介の加工食品を販売しています。営業は10時30分から16時30分まで、火曜日が定休です。角打ちでは日本酒を楽しめ、飲み比べはおつまみ付きで1,000円(税込)で、仕込み水を使ったコーヒーのほか、夏季は吟醸酒粕のかき氷、冬季は特製の甘酒を提供しています。オンラインショップもあります。
補足
直売所に酒造ギャラリーを併設し、蔵の歴史と酒造工程を展示しています。展示は予約不要で、直売所の営業時間内に見学できます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岡山県倉敷市児島下の町2-9-22
創業
1806年
公式サイト
www.sankan.co.jp

出典

japansake.or.jp / sankan.co.jp / kurashiki-tabi.jp / city.kurashiki.okayama.jp / okayama-kanko.jp / liqlog.com / goshu-pro.jp / maff.go.jp / omachi.marumaru-okayama.jp / zennoh.or.jp / news.ksb.co.jp / sakesamurai.jp / 349.life

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。