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室町酒造

代表銘柄:櫻室町

岡山県

OKAYAMA

1688年創業

元禄元年(1688年)頃に創業した、岡山県で最も古い歴史を持つ蔵元のひとつです。代表銘柄は「櫻室町」。戦前は東京・日本橋の三越百貨店の手印(プライベートブランド)商品として「室町」の銘で納められていましたが、戦中・戦後の混乱期に商標権の事情から「櫻」の一文字を加えた「櫻室町」の商標を登録した歴史を持ちます。

酒造りでは、地元赤磐産の最高級の酒米「雄町米」と、日本の名水百選に選ばれている「雄町の冷泉」を仕込水に使用することに徹底してこだわっています。雄町米が持つふくよかな旨味と深い味わいを生かした酒造りを特徴とし、純米吟醸「備前幻」や極大吟醸原酒「室町時代」などの銘柄を手がけています。その質の高い酒造りは海外でも高く評価されており、モンドセレクションにおける長年の連続受賞をはじめ、フランスのKura Masterで金賞を受けています。

蔵の公表では、イギリスのIWSCやアメリカのBTIといった国際コンテストの日本酒部門でも上位の評価を受けたとしています。

室町酒造の歩み

室町酒造を営む花房家が酒造りを始めたのは、元禄元年(1688年)頃です。蔵では、岡山県内に現存する蔵元のなかで最も古い蔵だと説明しています。江戸時代、赤磐地方は幕府直轄の天領で、花房家は在郷の庄屋を任された家でした。大庄屋を務めた花房十右衛門が余った米で酒を造ったのが起こりです。酒屋としての初代は文政2年(1819年)頃の花房卯衛門で、明治維新後、七代目の花房寶吉が当主となってから酒造業に専念しました。明治期には全国の酒類製造石数番付で1,577石を醸造する「千石酒屋」に成長し、「花房本家酒造」を名乗ります。

八代目の花房卯一郎の時代には、銘酒「敬花」が岡山県内の清酒品評会で優等賞を重ね、全国清酒品評会でも重賞を重ねました。

その評判を聞いた三越から注文が入り、日本橋の室町にある三越の手印(プライベートブランド)の酒として生まれたのが、銘酒「室町」です。太平洋戦争中は統制下で製造量が800石まで落ちましたが、酒質への評価が高かったため、操業の停止や廃業は免れました。戦中・戦後の混乱期には商標登録の制度が厳密でなく、「室町」の名は灘の蔵元に先に登録されて使えなくなります。そこで頭に「櫻」の一文字を付けて生まれたのが、現在の銘柄「櫻室町」です。

昭和26年(1951年)には、九代目の花房誉雄が花房本家酒造から「室町酒造株式会社」へと改組しました。「室町」の名は、取得していた蔵元の廃業により、2004年に室町酒造へ戻っています。

昭和36年(1961年)に誉雄の長男・守が代表取締役に就くと、大手メーカーから請け負う未納税酒(桶売り)が中心になり、昭和52年(1977年)には守の妻の実家である生本本家酒造株式会社を合併して、昭和61年(1986年)には9,000石に迫りました。しかし、吟醸酒など地酒の人気が高まり、東京の得意先の求めで出した「櫻室町」の本生酒が好評を得たことで、製造方針を「備前の酒屋への回帰」へ大きく転換します。

昭和60年(1985年)頃には山田錦での酒造りをやめて全面的に備前雄町米へ切り替え、平成4年(1992年)には花房満が代表取締役に就任しました。花房満は十一代目にあたり、現在も社長を務めています。

海外では、ベルギーのモンドセレクションに2000年に初めて出品して以来、毎年受賞を続け、2024年には最高金賞・金賞などを25年間に20回以上受けた企業に与えられる特別賞「The 25 Years Trophy(プレステージトロフィー)」を受けました。「極大吟醸 室町時代」は2008年から2026年まで19年連続でグランド・ゴールドメダル(最高金賞)で、「純米大吟醸 ゴールド雄町米の里」も2015年から2021年まで7年連続の最高金賞です。

フランスのKura Masterでは、2019年に純米大吟醸部門で「純米大吟醸 ゴールド雄町米の里」、2022年に純米酒部門で「櫻室町 雄町米純米吟醸 感動の出会い」が金賞を受けています。このほか蔵の公表では、米国シカゴのBTIで室町時代が2005年から2013年まで毎年ゴールドメダル以上を受け、英国のIWSCでは2009年に大吟醸 備前幻が大吟醸部門、2010年に室町時代が日本酒部門で、それぞれベスト・イン・クラスとトロフィーに選ばれたとしています。

国内では、全国新酒鑑評会に、平成14酒造年度以降に限っても平成14・15・17・18・20・21・25・26・28酒造年度の9回入賞し、平成17酒造年度は金賞を受けています。広島国税局清酒鑑評会(開催年)では、平成15年から29年にかけて13回、入賞・優等賞を受けています。平成28年は、香りを主たる特徴とする清酒の部門が極大吟醸 室町時代、味を主たる特徴とする清酒の部門が無濾過純米大吟醸 備前幻、燗酒の部門が契約栽培米 純米酒 瀬戸雄町で、3部門すべてで優等賞です。翌29年も香りの部門で室町時代が優等賞でした。

雄町サミットでも、第6回(2014年)の瀬戸雄町、第8回(2016年)の無濾過純米大吟醸 備前幻、第11回(2019年)のゴールド雄町米の里、第15回(2024年)の室町時代が優等賞または優等酒賞を受けています。

酒造りの特徴

日本酒は雄町米で醸します。契約栽培の田は、旧赤磐郡瀬戸町(現在の岡山市瀬戸町)にあります。蔵では、雄町米の主産地のなかでも最高位にランクされる圃場として、JA東岡山瀬戸支部の生産者が組織する「瀬戸雄町部会」(34軒)と契約を結んでおり、生産者は全員がエコファーマーです。精米は委託せず自社で行い、製造計画に合わせて40%、50%、60%、65%に磨きます。雄町米は心白が大きく軽石のように柔らかいため、40%が精米の限界と蔵は判断しています。

仕込み水は、日本の名水百選に選ばれた岡山市雄町の「雄町の冷泉」です。旭川の伏流水が湧き出す地下水で、やわらかい口あたりの軟水です。古くから池田藩の御用水として知られ、「殿様井戸」とも呼ばれて、明治半ば頃まで世襲の水奉行が厳重に管理していたと蔵は説明しています。仕込みの時期には、日に何回もローリーで水を汲みに出向いています。

仕込み蔵は「宝生蔵」で、令和2年(2020年)と令和3年(2021年)の仕込みは、10月に蔵内の神棚の前で祈祷を受けて始まりました。造りの指揮を執る杜氏は守中杜氏です。新しい試みも続けており、岡山理科大学の滝澤昇教授から提供された桜の花びらの酵母で純米酒「桜華」(500本限定)を仕込み、自社精米で出る破砕米を使った酒の試験醸造にも取り組みました。令和5年(2023年)1月には、食品安全の国際規格ISO22000の認証を取得しています。

主な酒は、極大吟醸原酒「室町時代」(精米歩合40%・日本酒度+4)、純米大吟醸「ゴールド雄町米の里」(40%)、純米吟醸「備前幻」(60%)で、備前幻は蔵の人気の筆頭です。精米歩合65%の純米酒「瀬戸雄町」や、2種類の酵母をブレンドして海外向けに開発した純米吟醸「佐近レアル」(蔵でのみ販売)もあります。「佐近」の名は、瀬戸町の雄町米づくりの名人・佐近肇さんから譲り受けたものです。

日本酒のほか、赤磐産の清水白桃を使った桃のリキュールやピオーネ酒などのリキュール、雄町米と大吟醸の酒粕で造る本格米焼酎「吟香 室町」も手がけます。海外にも販路があり、令和7年度の輸出先はアメリカ、カナダ、中国、台湾、香港、フランス、スペイン、スイス、イギリスなどです。

代表銘柄

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櫻室町

戦前に三越の手印酒だった「室町」に、頭文字の「櫻」を冠した名です。雄町米と名水「雄町の冷泉」で醸し、極大吟醸原酒の室町時代、純米大吟醸のゴールド雄町米の里、蔵の人気の筆頭である純米吟醸 備前幻などを揃えます。モンドセレクションでは、2000年の初出品以来、受賞を続けています。

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見学・購入

直売所
蔵の事務所で購入できます。オンラインショップでも販売しています。
補足
アクセスは、山陽ICから車で約10分、JR山陽本線の瀬戸駅からタクシーで約15分です。所在地は赤磐市西中1342-1です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岡山県赤磐市西中1342-1
創業
1688年

出典

kuramotokai.com / sakuramuromachi.co.jp / okayama-kanko.jp / securite.jp / tamarun.jp / okasake.com / nta.go.jp / nrib.go.jp / maff.go.jp

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