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多胡本家酒造場

代表銘柄:加茂五葉

岡山県

OKAYAMA

1661年創業

多胡本家酒造場の建物
多胡本家酒造場の建物(2017年撮影)「Tagohonke brewery products.jpg」 — 写真:KASEI / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

岡山県津山市にて江戸寛文年間(1661〜1673年)に創業した、約350年の歴史を持つ酒蔵です。代表銘柄「加茂五葉(かもいつは)」の名は、創業時に植えられた五葉の松と、蔵の近くを流れる清流「加茂川」にちなんで命名されました。

仕込み水には「おかやま清流37」にも選ばれている加茂川の伏流水(ミネラル分を含む硬度70の水)を使用しています。原料米には近隣の契約農家が育てる「日本晴」や兵庫県産特等「山田錦」などを厳選。備中杜氏らの技を受け継ぎ、吟醸酒をはじめとする一部の酒は、ほぼ全ての工程を手作業で丁寧に醸造しています。酒質はまろやかな旨みとふくよかな香り、キレの良さが特徴で、食中酒としての味わいを大切にしています。

全国新酒鑑評会での金賞受賞歴があるほか、日本酒に加えてクラフトビール「作州津山ビール」や焼酎、果実リキュールの製造も手掛けています。

多胡本家酒造場の歩み

多胡本家酒造場は、岡山県北部、現在の津山市楢にあたる楢村で、江戸の寛文年間(1661〜1673年)に創業しました。楢村は江戸時代には高瀬舟の終着点であり、因幡街道が交差する陸と河川交通の要衝として栄えた土地です。清い水、良い米、集う人に恵まれた、酒造りには理想的な環境です。以来約350年、地元の素材にこだわり、決して派手ではないけれどふだんの食卓に寄り添えるお酒を目指して造り続けています。

蔵のはじまりは清酒「加茂五葉」です。酒名は、創業時に植えられた五葉の松と、近くを流れる加茂川にちなんで付けられました。「ごよう」「いつは」とも呼ばれ、古くから地元で愛されてきました。中国山地の秀峰、那岐山麓から流れる加茂川の伏流水を汲み上げ、杜氏と蔵人が受け継いだ技で仕込んでいます。

全国新酒鑑評会では、平成元年度、2年度、7年度に金賞を受賞したとされます。蔵は幾度となく金賞を受けてきたとしています。平成14酒造年度以降は、平成15、16、26酒造年度の3回入賞しています。

岡山県を管轄する広島国税局の清酒鑑評会では、平成16年と17年の吟醸酒の部、平成18年の純米酒の部で入賞しました。優等賞は平成21年から令和3年までの7回で、計8点を受けています。平成22年と23年には純米酒の部で純米雄町が2年続けて受け、平成24年は燗酒部門の本醸造酒の千年緑、平成27年は大吟醸酒と純米酒の2点、令和3年は純米酒部門のひやおろし純米原酒が受けました。

創業から300年余りを経た1996年4月には、世界のブルワリーを訪ねて研究を重ねたうえで「作州津山ビール」の醸造を始めました。最初に造ったのはケルン地方の伝統的なケルシュタイプです。蔵は、津山ビールが国際ビール品評会「ワールド・ビア・チャンピオンシップ」で最高評価の金メダルを受賞したと発表しています。2001年からは津山地域の特産素材を生かしたリキュールと焼酎の製造も加わりました。法人としては、令和3年(2021年)4月に合資会社から株式会社多胡本家酒造場へ商号を変更しました。現在の代表取締役社長は多胡真尚氏です。

蔵は呑み手と造り手が紡いできた酒の文化を守るだけでなく、新たな形で創造していきたいと掲げています。

酒造りの特徴

仕込み水は、おかやま清流37にも選ばれた加茂川の伏流水です。カリウムやマグネシウムなどを多く含む硬度70の水で、酒造りに適した名水です。原料米の中心は、津山市内の近隣農家が契約栽培する日本晴と、兵庫県産の特等山田錦です。純米雄町には岡山県産の雄町米を100パーセント使い、別格純米吟醸には岡山県産の日本晴を50パーセントまで磨いて用いています。

吟醸酒をはじめとする一部の酒は、洗米、酒母・麹づくりから瓶詰めまで、ほぼすべての工程を手作業で、手間ひまを惜しまず醸しています。その背景には、受け継がれてきた備中杜氏と但馬杜氏の知とわざがあります。日本酒の仕込みは冬の間だけで、夏の間は果実リキュールや焼酎の仕込みの季節になります。

商品は、山田錦を40パーセントまで磨き熊本9号酵母で醸す大吟醸、山田錦50パーセントの純米吟醸、日本晴の純米酒、本醸造酒の千年緑、昔でいう二級酒にあたる普通酒の「五葉(イツハ)」などがそろいます。同じタンクの酒でも出荷の時期によって味わいが変わっていくのが日本酒の楽しみのひとつで、できたての新酒、無濾過の生酒、ひと夏を越したひやおろし、熟成させた古酒と、季節ごとの限定酒も出しています。春には赤色清酒酵母で天然の薄桃色に色づいた純米酒を出し、1995年2月に醸造した原酒を20年以上蔵内で熟成させた古酒もあります。

津山ビールは、麦芽100パーセントで米やコーンスターチなどの副原料を使わず、チェコ・ザーツやドイツ・ハラタウなどのファインアロマホップを用います。酵母は上面発酵酵母を生きたまま残し、濾過も加熱処理もせずに瓶詰め・樽詰めする生ビールで、仕込みから出荷まで約2週間です。リキュールは無添加で、南高梅は手作業でヘタを取り6か月以上漬け込み、清水白桃は近隣の桃農園から提供された規格外品を6か月漬け込んでいます。

代表銘柄

加茂五葉

銘柄名は、創業時に植えられた五葉の松と、近くを流れる加茂川にちなんでいます。「ごよう」「いつは」とも呼ばれてきました。味わいは、まろやかな旨口で香りがふくよかな淡麗タイプです。ふだんの食事に合わせやすい食中酒を大切にしています。山田錦を40パーセントまで磨く大吟醸から、昔でいう二級酒にあたる普通酒の五葉(イツハ)まで、幅広くそろいます。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵に併設の直売所で、季節の酒、クラフトビール、限定商品を販売しています。営業時間は9:00〜17:00です。定休日は日曜・祝日で、土曜は不定休です。夏期(4月後半〜10月前半)は土曜休業、冬期(10月後半〜4月前半)は土曜営業です。中国自動車道の津山インターから車で約10分で、JR津山駅からはバスで「成名小学校前」下車、徒歩約5分です。
補足
酒蔵見学は団体のみで、事前予約が必要です(お問い合わせフォームまたは電話で受け付けています)。直売所での試飲は、現在できません。3月中旬に蔵祭り、5月中旬に地ビール祭りが開かれています。2026年の開催日は、蔵祭りが3月21日・22日、第26回の地ビール祭りが5月23日・24日でした。取扱製品や休業日の案内は、公式のFacebookとInstagramで発信されています。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
岡山県津山市楢69
創業
1661年
公式サイト
tagobrewery.co.jp

出典

japansake.or.jp / compalyze.co.jp / sakeworld.jp / tagobrewery.co.jp / fecom.or.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / kotobank.jp / houjin-bangou.nta.go.jp / okayama-kanko.jp

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