SAKE BREWERY — OKAYAMA
辻本店
紹介
1804年(文化元年)に創業し、岡山県真庭市勝山に蔵を構える老舗酒蔵です。旧美作勝山藩主の三浦家に酒を献上したことから「御前酒」の銘が授けられました。仕込み水には旭川の伏流水を使用しています。大きな特徴として、すべての酒を岡山県産の酒米「雄町(おまち)」のみで醸す全国唯一の「全量雄町蔵」であることが挙げられます。また、全国に先駆けて復刻させた古典的醸造法「菩提酛(ぼだいもと)」造りにも注力しています。2007年からは岡山県初の女性杜氏である辻麻衣子氏が酒造りの指揮を執り、伝統を受け継ぎながらなめらかでキレのある旨口酒を醸しています。代表銘柄には「御前酒」「炭屋彌兵衛」「GOZENSHU 9(NINE)」などがあります。なお、店舗兼主屋などの建造物は国の登録有形文化財に登録されています。
歴史
辻本店の前身は、江戸時代に「炭屋」の屋号で呉服商を営んでいました。三代目にあたる辻彌兵衛が呉服商を番頭に譲り、1804年(文化元年)に岡山県真庭市勝山の地で酒造業を創業しました。屋号「炭屋」と創業者の名を合わせた「炭屋彌兵衛」は、のちに酒銘としても用いられていましたが、2021年12月をもって終売となりました。
創業地の勝山は旧美作国にあり、旭川沿いの水運で栄えた城下町でした。旧美作勝山藩を治めた三浦家に清酒を献上したことから「御膳酒」の名を賜り、これが現在の代表銘柄「御前酒」の由来となりました。1861年(万延2年)に藩主へ清酒を献上した記録が、この由来にまつわる出来事として伝えられています。
1935年(昭和10年)には株式会社辻本店に組織変更し、酒造業の近代化を進めました。1980年代には先代杜氏の原田巧氏が、室町時代に奈良の菩提山正暦寺を起源とする古式の酒母造り「菩提もと」に着目し、蔵独自の製法として試行錯誤の末、1984年に全国に先駆けて復刻させ、1986年に菩提もとにごり酒として商品化しました。2014年(平成26年)には、本社周辺の主屋や酒蔵など9棟の建造物が国の登録有形文化財に登録されています。
2007年、蔵に入っていた辻麻衣子氏が岡山県で初めての女性杜氏に就任し、原田杜氏の技を受け継ぎました。2020年には「全量雄町蔵」を目指す方針を掲げ、2022酒造年度から岡山県産の酒米「雄町」への全量切り替えを進め、2023年に全国で唯一、全量を雄町のみで醸す蔵となりました。さらに菩提もと復刻から40年の節目となる2026年には、全量を菩提もとで仕込む体制への移行にも取り組んでいます。
酒造り
辻本店の酒はすべて岡山県産の酒米「雄町」のみを使用しており、他の酒米を一切用いない全国唯一の「全量雄町蔵」です。仕込み水には、蔵の脇を流れる旭川の伏流水を地下から汲み上げて使用しています。なめらかでキレのある旨口の酒質を目指しています。
看板技法の「菩提もと」は、生米と蒸米を水に浸けて蔵に自生する乳酸菌を繁殖させた「そやし水」を仕込み水として用いる、生酛系よりもさらに古い酒母造りです。辻本店ではこの伝統製法をもとに、乳酸が十分に生成された後で一度加熱殺菌を行うことで安全性を高めるという、蔵独自の工夫を加えています。醸造用乳酸を添加する速醸もととは異なり、蔵付きの乳酸菌が生む酸を活かした酒母から醸されるため、爽やかな酸味とヨーグルトを思わせる香り、雄町由来の複雑な旨味を併せ持つ酒質になります。
蔵データ
代表銘柄
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御前酒
1375円
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- 炭屋彌兵衛
- GOZENSHU9
- 9 NINE
- 午前酒
GOZENSHU9:2009年に発売された、女性杜氏の辻麻衣子氏を筆頭とする若手蔵人9人が手掛けた看板シリーズです。岡山県産雄町米のみを使用し、菩提もとで仕込む辛口の純米酒で、蔵を代表するシリーズとなっています。正式表記は「GOZENSHU9(NINE)」で、レギュラーボトルのほか限定ボトルも展開されています。
御前酒:美作勝山藩への献上酒に由来する、辻本店を代表する銘柄名です。全量雄町米・旭川伏流水を用いた純米酒を中心に、雄町が発見された1859年にちなむ「御前酒1859」や、菩提もとで仕込む「にごり酒」「別誂」など、季節や製法違いの多彩なシリーズ酒が「御前酒」の名のもとに展開されています。
見学・購入
あり(要事前確認)
登録有形文化財の建物を活用した直営ショップ「SUMIYA」を併設し、御前酒シリーズなどを販売しています。営業時間は10時から17時まで(木曜・年末年始休)で、同じ敷地内には食事処「西蔵」やカフェも併設されています。
蔵見学は要予約制です。座学と試飲がセットの「Good Plan」(1名1,500円)と、蔵見学も含む「SURPRISING Plan」(1名5,000円)の2プランがあり、1〜40名まで受け入れ可能。開催日の2日前までに公式サイト・電話・メールのいずれかで申し込みが必要です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
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出典
sakeworld.jp / japansake.or.jp / maniwa.or.jp / wikipedia.org / gozenshu.co.jp / meimonshu.jp / sakestreet.com / ja.wikipedia.org / okayama-kanko.jp / saketime.jp
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