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小原酒造

代表銘柄:くらしっく・国光

福島県

FUKUSHIMA

1717年創業

福島県喜多方市に位置する、1717年(享保2年)に味噌・醤油・麹の製造で創業し、明治初期から酒造りも手がける老舗酒蔵です。代々受け継がれてきた銘柄「国光(コクコー)」のほか、発酵中の醪(もろみ)にモーツァルトなどのクラシック音楽を聴かせて醸す日本初の音楽酒「蔵粋(くらしっく)」で広く知られています。醸造中に音楽を聴かせることで酵母の発酵が活性化し、雑味が少なくまろやかで香り高い味わいに仕上がるのが特徴です。

2009年からは製造する酒を純米酒のみに絞った「純米蔵」へと転換しており、大吟醸の酒米はすべて手で洗うなど、一つひとつの工程に手間を惜しまない酒造りを続けています。

小原酒造の歩み

小原酒造は、享保2年(1717年)に初代の小原嘉左衛門が創業した酒蔵です。蔵の説明では、創業時は味噌・醤油・麹の製造が家業で、明治初期に敷地で伏流水が見つかったのを機に酒造りも始めたといいます。所在地の喜多方は会津盆地の北にあり、江戸時代には会津若松と米沢を結ぶ街道の町として、また物資の集散地として栄えました。いまも蔵の町として知られ、小原酒造が構える南町のおたづき蔵通り界隈は、とりわけ蔵の多い町並みです。現在の当主は十代目の小原公助さんで、創業からは300年を超えています。

小原酒造を広く知らしめたのが、平成に入って世に出した「蔵粋(くらしっく)」です。酒に超音波をあてる研究が東京の醸造試験所で行われていた中で、公助さんは、人の耳に聞こえる音を酒造りに生かせないかと考えました。最初はロックやジャズ、演歌、クラシックなど50種類以上の音楽を聴かせて比べ、クラシックの中でもモーツァルトを聴かせた酵母の増殖が速く、味わいも苦味や酸味が少なくまろやかで香り高くなりました。1984年にはクラシックを聴かせながら純米大吟醸を仕込み、低い温度でじっくり熟成させてきたのが「長期熟成酒1984」です。

以来、モーツァルトを聴かせた音楽酒を造り続けています。日本で初めてクラシックを聴かせて酒を醸したのが、この蔵です。銘柄名は、蔵の町・喜多方にふさわしく、音楽を聴かせた酒も連想させる名として付けられました。

酒の中身についても、時代に合わせて方針を改めてきました。1989年からはすべての酒を特定名称酒とし、2009年からは純米酒だけを造って販売する純米蔵になりました。代々造ってきた「國光」も純米酒となり、現在は蔵粋シリーズを中心に8銘柄、およそ50種類の酒を送り出しています。

2025年2月27日には、大雪の重みで蔵の2階の屋根瓦が雪とともに崩れ落ち、3段31列分が落ちました。蔵が創業した1717年以来初めての雪害で、人や通行の車に被害はなく、安全のため一時営業を休みました。復旧は二期にわたる工事で進められ、2026年9月には2階屋根の瓦約1,500枚の補修が終わって、1階の下屋の白壁を落とし、かやとわらで土台を造る作業に移っています。その間も蔵は店頭と通信販売を続け、2026年10月には新しい酒造りが始まっています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に9回入賞しており、うち金賞は平成14・18・19・20・21・22・24酒造年度の7回です。平成18酒造年度から22酒造年度までは5年連続の金賞で、いずれも「蔵粋」の出品酒です。蔵は、これより前の平成8年度の金賞も受賞歴に挙げています。東北清酒鑑評会(仙台国税局主催)では、平成20年の吟醸酒・純米酒の2部門、平成23年の純米酒、平成25年の吟醸酒・純米酒の2部門で、優等賞を受けました。

蔵の発表では、純米協奏曲が福島県の清酒鑑評会で県知事賞を受け、アマデウスは全国酒類コンクールで2005年度と2011年度にグランプリ受賞酒となり、大吟醸純米の交響曲は2015年の同コンクールで特賞第一位を受賞しています。

酒造りの特徴

小原酒造の酒造りの核にあるのが、発酵中の醪に音楽を聴かせることです。仕込みタンクの上にスピーカーを備え、フルレンジのスピーカーに低音用のウーファーを組み合わせた音響システムで、クラシックを流します。酵母に聴かせる曲は複数あり、聴かせる時間なども変えながら、よりよい酒の状態を探っています。醪の酸度やアミノ酸度、酵母の密度や死滅率を比べた試験では、モーツァルトを聴かせた醪は酵母密度が高く保たれて死滅率が低く、そこから造った酒はアミノ酸の生成が少なく、雑味のないきれいな酒質になりました。

仕込みは昔ながらの十石の規模を守り、ブレンドはしません。ブレンドは仕事に甘えが出るというのが社長の考えで、時には夜中に起きてタンクの温度を調整します。仕込み水は飯豊山の伏流水です。米は、大吟醸には兵庫県産の山田錦を40%まで磨いて使い、その酒米はすべて手で洗います。純米酒には喜多方産の米を用いた酒もあります。福島県産の煌酵母を使った純米協奏曲や、東北復興宇宙酵母を使った酒も出しています。

蔵粋シリーズは、山田錦40%精米で袋吊りのしずく酒に仕上げる大吟醸純米「マエストロ」、鑑評会用の大吟醸を純米で造る「交響曲」、純米大吟醸の「管弦楽」、純米の「協奏曲」「アマデウス」「アリア」と、音楽にちなんだ名が付いた多彩な顔ぶれです。このほか、桃色にごり酒の「桜」「紅寒梅」、白いにごり酒の「白霞」といった紅白にごりのシリーズや、季節の生酒、ひやおろしなども並びます。マイナス5度から0度の低温で熟成させる「長期熟成酒1984」は、円熟した深みのあるふくよかな味わいが特徴です。

代表銘柄

くらしっく

蔵粋(くらしっく)は、発酵中の醪にモーツァルトなどのクラシックを聴かせて醸す、小原酒造の看板銘柄です。名前は蔵の町・喜多方にちなみ、音楽を聴かせた酒を連想させる名として付けられました。すべて純米酒で、鑑評会用の大吟醸を純米で仕上げた「交響曲」は、兵庫県産の山田錦を40%まで磨いた酒です。福島県産の煌酵母を使った純米の「協奏曲」、淡麗辛口の特別純米「アマデウス」、濃いめの味わいの「アリア」、袋吊りのしずく酒「マエストロ」など、音楽にちなんだ名が並びます。

国光

国光(コクコー)は、小原酒造が代々造り続けてきた銘柄で、2009年に蔵が純米酒だけを造る純米蔵になったのに合わせて、純米酒となりました。純米酒は日本酒度+1.0、酸度1.5、アミノ酸度1.2、アルコール分15.3度で、淡麗ながら米の旨味のある味わいです。720mlの四合瓶と1.8リットル瓶が販売されています。ほかに、純米大吟醸の無濾過酒「国光50」(180mlのカップ付き)もあります。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵の店頭で蔵粋シリーズや國光などを販売しています。試飲もできます。
補足
見学は予約不要で無料ですが、仕込み期間(冬場)は入り口からの見学になります。喜多方駅から会津バスに乗り、南小田付で降りてすぐです。営業は年末年始を除く通年で、雪害の復旧工事のため、2026年は年内いっぱい足場を組んで工事を進める予定です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
福島県喜多方市字南町2846
創業
1717年
公式サイト
www.oharashuzo.co.jp

出典

oharashuzo.co.jp / sakenomy.jp / tohoku-sakurakaido.jp / saketime.jp / co-trip.jp / fukunosake.com / fukushima-kensakeoroshi.co.jp / kennan-syuhan.co.jp / mapple.net / nrib.go.jp / nta.go.jp

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