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茨木酒造

代表銘柄:来楽

兵庫県

HYOGO

1848年創業

茨木酒造の建物
茨木酒造の建物(2019年撮影)「IbarakiShuzo 03.jpg」 — 写真:ママチャリ / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

江戸末期の1848年に創業した兵庫県明石市の酒蔵です。敷地内にある大正初期建築の洋館や歴史ある酒蔵は兵庫県の登録有形文化財に登録されています。代表銘柄の「来楽(らいらく)」は論語の「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」に由来し、友と酒を酌み交わす歓談の時間に寄り添う酒であってほしいという思いが込められています。酒造りでは、東京農業大学で醸造学を学んだ9代目蔵元杜氏を中心に少数精鋭で小仕込みを行っており、洗米や麹造りから瓶詰めまで手作業を重視した昔ながらの造りを守り続けています。

原料には山田錦など兵庫県産の酒米や中軟水の湧水を使用しています。全国新酒鑑評会での金賞受賞歴をもつほか、花酵母を使用した日本酒や甘酒の製造、蔵を開放した各種イベントなど新たな取り組みも行っています。

茨木酒造の歩み

茨木酒造は、江戸時代末期の嘉永元年(1848年)に創業した兵庫県明石市魚住町の酒蔵です。蔵は現在の明石市魚住町西岡にあり、明石市の西部は神戸の灘に対して「西灘」と呼ばれてきた酒どころです。明石の酒造りは江戸時代初期に江井島の卜部八兵衛が藩主の許可を得て醸造を始めたことに始まるとされ、明治時代の最盛期には60軒から70軒ほどの酒蔵がありました。現在、明石市内に残る酒蔵は6軒で、茨木酒造はその一つです。

敷地には、酒造りの歴史を伝える建物が残っています。洋館は大正初期に建てられた木造寄棟造瓦葺き2階建てで、昭和初期に茨木酒造が譲り受け、現在も事務所として使われています。精米所、仕込み蔵、澄まし蔵は明治中期、引返し蔵と瓶詰め場は大正初期の建築です。これらは平成20年(2008年)8月1日に兵庫県の登録有形文化財に登録されました。酒蔵は「北流れ」と呼ばれる造りで、東西に長く、夏の日差しを遮るために南側が土壁になっており、北側からは冬の寒風が入りやすい、酒造りに向いた構造になっています。

現在の当主は、9代目の茨木幹人氏です。東京農業大学で醸造学を学び、丹波杜氏のもとで2年間修業を積んだのちに、蔵元兼杜氏として酒造りを担っています。蔵では平成17年から花酵母を使った日本酒に取り組み、平成10年からは落語家を招く「酒蔵寄席」を毎年春と秋に開いてきました。田植えから酒搾りまでを体験できる「来楽仕込みの会」や、毎年200樽ほどを漬ける「奈良漬けの会」、春と秋の蔵開きなど、蔵を地域に開く催しも続けています。

令和3年には兵庫県の若手蔵元5社による日本酒蔵集団「HYO5KURA」に参加しました。「播州一献」の山陽盃酒造、「純青」の富久錦、「盛典」の岡田本家、「仙介」の泉酒造と茨木酒造の5蔵が、加西市の同じ生産者の同じ田んぼで採れた山田錦を使い、同じ精米歩合で各蔵が純米吟醸を醸しました。2022年3月に純米吟醸生「五蔵一田」として期間限定で発売され、茨木酒造は「来楽」の名で出しています。

全国新酒鑑評会では、平成14酒造年度以降に限っても8回入賞しており、そのうち金賞は平成26酒造年度、令和3酒造年度、令和4酒造年度、令和5酒造年度の4回です。令和3酒造年度から令和5酒造年度は3年連続の金賞で、平成26酒造年度と令和3酒造年度の金賞酒は「来楽 大吟醸35」です。平成30酒造年度、令和元酒造年度、令和2酒造年度の3年連続と、令和7酒造年度にも入賞しています。令和元酒造年度は金賞が選定されなかった年です。

令和3酒造年度(2022年の発表)には、江井ヶ嶋酒造の「神鷹大吟醸35」とともに、明石の2つの蔵が同時に金賞を受けました。蔵の発表では、明石の蔵元が同じ年に2蔵そろって金賞を受けたのは初めてのことで、茨木幹人氏は江井ヶ嶋酒造の杜氏とともに明石市長を表敬訪問しました。

酒造りの特徴

茨木酒造の酒造りは、少人数で行う昔ながらの手造りです。米洗いと麹造り、発酵管理から、瓶詰めとラベル貼りまで、すべてを杜氏と蔵人の手で行う一元管理の体制をとっています。仕込みのタンクは小さく、2021年時点の年間醸造量は200石から250石です。一升瓶にして2万本から2万5千本ほどにあたります。

原料米は、山田錦を中心に、五百万石、兵庫北錦など兵庫県産の酒造好適米を使っています。「来楽 純米大吟醸35」と「来楽 大吟醸35」は兵庫県産山田錦100%を35%まで精米した酒です。「来楽 超辛口純米」は兵庫県産五百万石100%、「来楽 純米生原酒 兵庫北錦」は兵庫県産兵庫北錦100%で仕込みます。仕込み水は中軟水の湧水です。設備にも工夫があり、瓶貯蔵などに使う冷蔵設備を麹室に転用して清潔に保ち、2017年には、においが吸着しにくい素材を使った圧搾機を新調しました。

杜氏は花酵母研究会に所属し、アベリアや月下美人など花から分離した酵母で醸す「来楽 花乃蔵」シリーズも手がけています。花酵母で造った酒は、リンゴ酸が多く含まれ、さわやかな味わいが特徴です。「来楽」は日本酒度がプラス2前後の商品が多く、やや辛口ながら、米の甘さを感じられる酒を目指しています。

酒蔵が造る甘酒も看板の一つです。酒粕を使わず、国産米と米麹だけで造るノンアルコールの甘酒で、保存料や安定剤、増粘剤は使っていません。毎年元日の0時から搾り、しぼりたてをそのまま瓶詰めして当日に発送する純米生原酒「来楽 元日搾り」も恒例です。ほかにも、丹波篠山市の丸山集落の人々と造る「まるの輪」、兵庫県立大学の教員や学生と製造した「う米ぜ!」など、地域と連携した商品を送り出しています。

代表銘柄

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来楽

「来楽」は、論語の一節「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」に由来する名前で、友と酒を酌み交わす楽しみにふさわしい酒をという思いが込められています。裏から見ても表から見ても同じに読める左右対称の字で、「裏表がない」縁起のよい名前でもあります。「極上」「山田錦」「定番」「生原酒」とシリーズがあり、全国新酒鑑評会で金賞を受けた大吟醸35や、花酵母の花乃蔵まで幅広くそろいます。

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見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵に直売所があります。営業時間は9時から18時、定休日は毎週火曜日(12月を除く)です。試飲用の酒も用意があります。
補足
蔵見学は時期によって受け付けられない日があるため、事前に問い合わせと予約が必要です。山陽電鉄の魚住駅から徒歩6分、JR魚住駅から徒歩18分で、敷地内に10台ほどの駐車スペースがあります。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
兵庫県明石市魚住町西岡1377
創業
1848年
公式サイト
rairaku.jp

出典

japansake.or.jp / rairaku.jp / e-harima-tourism.jp / akashi.lg.jp / harima-sake.jp / binosato-umashisake.jp / ibarakishuzo.com / city.akashi.lg.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp

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