近藤酒造
代表銘柄:越乃鹿六・菅名岳・九
新潟県
NIIGATA
1865年創業
新潟県五泉市に位置する近藤酒造は、1865年(慶応元年)創業の歴史を持つ酒蔵です。名峰「菅名岳」の中腹から湧き出る超軟水「どっぱら清水」を仕込み水に使用しており、1年で最も水が澄むとされる寒の入りから9日目(寒九)に水を汲む「寒九の水汲み」で知られています。この水汲みは1992年から酒販店や一般公募の参加者を募って行われており、看板銘柄『菅名岳』の醸造に用いられています。また、地元・五泉産の「越淡麗」などの自社栽培米を使用し、素材にこだわった酒造りを展開。
『菅名岳 特別純米酒 九(CUE)』もこのこだわりから誕生したお酒です。代表銘柄の一つ『越乃鹿六』は漫画「美味しんぼ」で紹介されたことでも知られ、淡麗辛口で料理を引き立てる味わいが特徴です。2006年の関東信越国税局酒類鑑評会では『越乃鹿六』が燗審査の部、『菅名岳』が常温審査の部で優秀賞を受賞しています。
近藤酒造の歩み
近藤酒造は、新潟県五泉市に本社を置く1865年(慶応元年)創業の酒蔵です。五泉市は「五つの泉が湧くところ」という地名の由来を持つ水の豊かな土地で、市内には今も水汲み場が点在しています。昭和20年の五泉大火では蔵も焼失し、しばらくは川内地区にあった「瀧澤酒造」を頼って酒造りを続けましたが、6年後の昭和26年に地元で蔵を再建し、あわせて法人化しました。近藤家では代々の当主が「和吉」の名を受け継いできた歴史があり、現在は八代目の蔵元にあたる近藤伸一氏が経営を担っています。
醸造の技術は野積杜氏(越後杜氏の一派)から代々受け継がれ、現在は杜氏集団ではなく社員が中心となって酒造りを担う体制へと移しながら、その技と知恵を引き継いでいます。
看板銘柄「菅名岳」の名は、五泉市にそびえる標高909メートルの山に由来します。近藤酒造ではこの山の中腹から湧き出る超軟水「どっぱら清水」を仕込み水として選びました。その始まりは平成4年(1992年)にさかのぼります。当時、蔵を山の近くへ移すことも検討したものの実現せず、代わりに菅名岳周辺の3、4か所の湧き水を試験場で調べたところ、どこも良質な酒に適するという結果が出ました。その中であえて選んだのが、最も奥まった場所にある「どっぱら清水」でした。
1年でもっとも水が澄むとされる寒の入りから9日目、1月中旬の厳寒期に雪深い菅名岳へ水を汲みに行く「寒九の水汲み」は、平成4年に当時の蔵人と従業員7名、五泉市の酒店の若手2人の計9人で始めた行事です。以来、令和4年まで一度も休むことなく続けられ、平成23年の新潟・福島豪雨の際にも社員らが山へ向かいました。回を重ねるうちに一般公募の参加者も加わり、山岳会の有志が同行するもと、最盛期には毎年200〜300名が参加する行事へと成長しました。
令和5年以降は一般公募を取りやめ、現在は蔵の社員が中心となって仕込み水を汲んでいます。清酒「菅名岳」は、この水で酒を造りたいという蔵元の思いと、賛同した地元酒販店グループ「越後泉山会」の熱意によって生まれた酒です。
原料米にも独自のこだわりを持ち、平成15年からは酒米の自社栽培に取り組んでいます。それ以前は自社での栽培経験がなく、新潟県農業普及センターや新潟県醸造試験場、地元の米農家の指導を受けながら手探りで育苗や田植え、刈り取りを学びました。栽培する品種は平成15年から17年までは「五百万石」、平成18年以降は新潟県が独自に開発した「越淡麗」へと切り替え、最大で4町歩に及んだ時期もある田で酒米を育ててきました。
全国新酒鑑評会では、「菅名岳」が平成16酒造年度(平成17年発表)、平成20酒造年度(平成21年発表)、令和3酒造年度(令和4年発表)に入賞し、平成17酒造年度(平成18年発表)には金賞を受賞しています。平成18年の関東信越国税局酒類鑑評会では、「菅名岳」が常温審査の部、「越乃鹿六」が燗審査の部でそれぞれ優秀賞を受賞しました。小さな蔵ながら平成18年には新潟県代表酒にも選ばれるなど、地道な取り組みが評価を重ねてきました。
酒造りの特徴
近藤酒造の酒造りは、菅名岳の「どっぱら清水」を仕込み水に選んだことに始まる、鉄分の少ない超軟水を生かした造りが軸になっています。柔らかな水を使うことでスッキリとした酒質に仕上がるのが特徴で、看板銘柄「菅名岳」は清流を思わせる透明感のあるスッキリとした酒質で、辛口ながら飲み飽きしない食中酒として造られています。
原料米には地元五泉産の酒米にもこだわり、自社栽培する「越淡麗」と、新潟の代表的な酒米「五百万石」を使い分けています。越淡麗は自社栽培に加えて地元農家への委託栽培も取り入れながら確保しており、精米歩合も商品ごとに異なり、普段飲みの本醸造から、手作業中心で低温長期発酵させる大吟醸まで、幅の広い造りに取り組んでいます。
醸造の技術は、越後杜氏の流派の一つである野積杜氏から代々受け継がれてきました。現在は専属の杜氏集団ではなく社員が中心となって酒造りを担っていますが、歴代の杜氏が培ってきた技と知恵を引き継ぎながら、酒質の向上に取り組んでいます。
代表銘柄
越乃鹿六
近藤酒造の家紋である鹿と、料理の神様とされる磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)に由来する銘柄です。漫画「美味しんぼ」第4巻でフランス料理のエスカルゴに合う酒として紹介され、原作者の雁屋哲氏からは「軽やかなさわやかさを感じる酒」と評されました。五泉産の越淡麗を使い、菅名岳の伏流水で仕込んだ純米吟醸酒で、やわらかな旨味とほどよい酸味が魚介類や貝類の料理と好相性です。冷やから燗まで温度帯を選ばず楽しめます。
菅名岳
標高909メートルの菅名岳の中腹から湧き出る超軟水「どっぱら清水」を仕込み水として選んだことから生まれた、近藤酒造の看板銘柄です。この水で酒を造りたいという蔵元の思いに賛同した地元酒販店グループ「越後泉山会」の熱意によって清酒「菅名岳」は生まれました。清流を思わせる透明感のあるスッキリとした酒質で、辛口ながら飲み飽きしない食中酒として造られています。
九
正式には「特別純米酒 菅名岳 九」という商品名で、地元五泉産の酒米「越淡麗」を精米歩合55%まで磨いて醸した特別純米酒です。日本酒度は+5、アルコール度数は14度以上15度未満で、年2回、数量限定で発売されています。目を引くオレンジ色のボトルが特徴で、米と水にこだわり抜いた近藤酒造らしい一本として、菅名岳のラインナップに加わっています。
見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 「菅名岳」は地元酒販店グループ「越後泉山会」の加盟店を中心に取り扱われ、公式オンラインショップ(STORESで運営)でも購入できます。「ぽんしゅ館」など新潟県内の酒販店でも近藤酒造の酒を取り扱っています。
- 補足
- 蔵の見学は行っていません。かつて1月中旬の寒九の日に菅名岳の湧き水を汲みに行う「寒九の水汲み」へ一般から参加者を募っていましたが、現在は一般公募の形では実施されていません。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 新潟県五泉市吉沢2-3-50
- 創業
- 1865年
- 公式サイト
- kondo-shuzo.com
出典
niigata-sake.or.jp / gosen-kankou.niigata.jp / kondo-shuzo.com / ponshukan.com / ng-life.jp / niigatakenjinkai.com / ginzado.ne.jp / ameblo.jp / stores.jp / saketime.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp
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