SAKE BREWERY — NIIGATA

高の井酒造

新潟県小千谷市東栄3-7-67 1955年創業

紹介

新潟県小千谷市に所在する酒蔵です。前身は江戸時代後期に創業した「山﨑酒造場」で、大火や戦時下の閉蔵を経て、1955(昭和30)年に「高の井酒造」として酒造りを再開しました。社名は創業時の地名「高梨」の「高」と、酒造りに不可欠な井戸の「井」に由来します。

最大の特長は、昭和62(1987)年に全国で初めてタンクごと雪山の中に埋めて熟成させる「雪中貯蔵酒」を商品化した発祥蔵である点です。平均気温0度・湿度100%の雪中環境で熟成させることで、角が取れたまろやかな味わいを生み出しています。

原料には地元・小千谷産の契約栽培米(越淡麗や五百万石など)や魚沼連峰の雪解け湧水を使用し、小千谷の風土を活かした酒造りを徹底しています。「全国新酒鑑評会」での金賞受賞をはじめ、「Kura Master」や「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」など国内外のコンテストで数多くの受賞歴を誇ります。

歴史

高の井酒造の前身は、江戸時代後期から小千谷市高梨で酒造りを営んでいた「山﨑酒造場」です。1937(昭和12)年の「五辺の大火」により蔵と資料のすべてを焼失し、蔵にあった1,300石も失いました。当時を経験した4代目蔵元の曾祖父が命からがら持ち出せたのは、金庫と恵比寿さまの木像だけだったと伝えられています。

半年後、蔵は現在の東栄の地に再建され、その3年後には隣接地に醤油・味噌工場も建設し、事業の多角化を図りました。しかし戦時下に入ると米の統制により酒造りの継続が難しくなり、蔵は15年間にわたり休眠を余儀なくされます。この間は味噌・醤油の製造で事業を支えていました。

戦後、米の需給が好転したことを受け、1955(昭和30)年に酒造免許を再取得して酒造りを再開しました。その際、前の蔵があった「高梨」の「高」と、酒造りに欠かせない井戸の「井」を組み合わせて「高の井酒造」と改称し、現在の社名となりました。

1960年代には、それまでの季節雇用制を廃止し、地元採用へと転換しています。「酒蔵は地域に根付いた事業だから、地元の人に働いてもらってこその地酒」という考え方が背景にあり、地域とともに歩む蔵づくりの姿勢が受け継がれています。

酒造り

高の井酒造を象徴する取り組みが「雪中貯蔵酒」です。商品化の予定もないまま、雪国の雪中貯蔵の風習にヒントを得て試行錯誤を始めたといいます。1987(昭和62)年に日本で初めてタンクごと雪に埋め込む雪中貯蔵に挑戦し、その後商品化に至りました。話題は全国放送の報道番組でも取り上げられました。

雪中貯蔵は、高さ5メートルほどの雪山の中にタンクごと酒を埋め込み、約100日間かけて熟成させる手法です。雪の中は温度・湿度がほぼ一定に保たれるため、安定した環境で酒を寝かせることができます。分析上はアルコール度数や日本酒度、酸度、アミノ酸度に大きな変化は見られないものの、角の取れたまろやかさが生まれ、とろみさえ感じられるほどの質感の変化が出るといいます。現在は純米吟醸用の1万リットルタンクと、純米大吟醸用の5,000リットルタンクの計2本で実施しており、人気が高く例年3か月ほどで在庫が切れるといいます。

原料米は五百万石や越淡麗など、地元・小千谷産の契約栽培米を使用しています。仕込み水には硬度35.6mg/Lの軟水を用いており、発酵が穏やかに進むことで、きめ細かく柔らかな酒質に仕上がるとされています。

蔵データ

所在地

新潟県小千谷市東栄3-7-67

創業

1955年(新潟県)

公式サイト

www.hatsuume.co.jp

代表銘柄

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越の初梅:雪中貯蔵酒を代表する銘柄の一つです。「越の初梅 雪中貯蔵酒 純米吟醸」は精米歩合55%、アルコール度数16度。雪の中でじっくりと熟成させることで、角の取れたまろやかさと落ち着いた深みが生まれ、やわらかな旨みと澄んだ余韻が特徴です。出汁を生かした煮物や、塩味控えめの焼き魚などとの相性がよく、5〜10℃に冷やして楽しむことがすすめられています。

田友:地元農家との契約栽培による酒米「越淡麗」を使い、魚沼小千谷の自然を生かした酒として展開するブランドです。「友が集うところ田友あり」を掲げ、米・水・技を結集した理想の酒を目指しています。代表商品「田友 純米吟醸」は精米歩合55%、アルコール度数16度で、2024年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」プレミアム純米部門で最高金賞を受賞しました。販売は登録店を通じてのみ行われています。

たかの井:地元で最も飲まれている高の井酒造の看板銘柄です。越後杜氏伝統の技で醸した辛口酒で、冷やから燗まで幅広い温度帯で楽しめる「飲みやすい旨さ」を追求しています。上位規格の「たかの井 純米大吟醸」は魚沼産酒造好適米を100%使用し、精米歩合50%、アルコール度数15度。高貴な香りと奥深い味わいが特徴で、赤身魚の刺身や鮭の塩焼きなどの魚料理との相性がよいとされています。

伊乎乃:ワイン輸入卸のモトックスと共同開発した銘柄で、名称は魚沼地域の古い呼び名「いおの」に由来します。世界各国のさまざまな料理と合わせられる中立性を備えた食中酒をコンセプトとしています。「伊乎乃 大吟醸原酒」は精米歩合38%まで磨き上げ、アルコール度数17度。上品な香りと、原酒ならではのふくよかな味わいが特徴です。バニラアイスやチョコバナナクレープなど、甘く風味の良いデザートとの組み合わせも提案されています。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

直売所

直売所「ゆきみず庵」の営業時間は10:00〜15:00、定休日は日曜・祝日です。標準酒や季節限定酒の販売のほか、6種類の試飲(660円)も行っています。

補足

蔵見学は10:30〜/13:30〜の2回制、定員各10名、参加費は大人1人2,200円(税込)です。定休日は水曜・日曜・祝日・12/1〜1/4。前日午後3時までに電話・FAX・お問い合わせフォームでの事前予約が必要です。香水など香りの強いものを身につけての見学や、納豆を食べての来訪はご遠慮くださいとのことです。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

sake-harasho.com / hatsuume.co.jp / mottox.co.jp / niigata-sake.or.jp / ponshukan.com / sakeworld.jp / echigo.sake-harasho.com / sake-niigata.com / craftsake.mottox.co.jp / gatachira.com

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