SAKE BREWERY — NIIGATA

下越酒造

新潟県東蒲原郡阿賀町津川3644番地 1880年創業

紹介

新潟県東蒲原郡阿賀町(旧津川町)にて1880年(明治13年)に創業された酒蔵です。屋号は「蒲原屋」、家印は「丸にぼーいち(世の中を丸く平らに真っ直ぐにの意味)」で、代表銘柄に「麒麟」「ほまれ麒麟」「蒲原」などがあります。最大の特長は、故・佐藤平八元会長と5代目現社長の佐藤俊一氏の親子二代にわたり、国税局酒類鑑定官を務めた経歴を持つ点です。その高度な専門知識と指導経験を活かし、データに基づいた品質本位の酒造りを実践しています。高級酒の仕込み水には新潟県の名水百選「薬師清水」を使用し、香味バランスに優れた味わいを醸しています。また、1970年代から熟成酒(古酒)の製造に取り組む日本酒ビンテージの先駆者としても知られています。全国新酒鑑評会での度重なる金賞受賞をはじめ、ワイングラスでおいしい日本酒アワードでの最高金賞、全国燗酒コンテストでの最高金賞、フランスのKura Masterでの金賞など、国内外で高い評価を獲得しています。

歴史

下越酒造株式会社は、新潟県東蒲原郡阿賀町津川において1880年(明治13年)に創業しました。屋号は「蒲原屋」、家印は円ひとつを表す「○(ボーいち)」で、代表銘柄「麒麟」の名は、鎌倉時代の建長四年に津川の地に築かれたと伝わる麒麟城にちなんで名付けられました。異国の霊獣「麒麟」が良いことの起こる前兆に姿を現すとされることから、人生の晴れの席で飲んでほしいとの思いが込められています。

蔵のある阿賀町津川は、新潟県に編入される1886年までの700年余りにわたり会津藩領であった土地で、会津と越後を結ぶ会津街道の宿場町として栄えました。あわせて阿賀野川の河港としても重要な役割を果たし、物資と人の往来が盛んな土地であったことが、地域の商いや食文化に会津の色合いを色濃く残す土壌を育みました。

太平洋戦争中は企業整理の対象となって一時廃業を余儀なくされましたが、戦後の1948年(昭和23年)4月、企業合同によって下越酒造株式会社として再出発しました。

同蔵の大きな特徴は、故・佐藤平八元会長と現社長で5代目蔵主の佐藤俊一氏という親子二代にわたり酒類鑑定官を務めた経歴を持つ点です。佐藤俊一氏は東京大学大学院農芸化学科の博士課程を修了した農学博士で、国税庁に入庁後は東京局・金沢局・醸造試験所・関東信越局などで17年間にわたり酒類製造業者への技術支援に従事しました。1993年に鑑定官を退職して家業に入り、データに基づいた品質本位の酒造りへと転換させました。

酒造り

下越酒造は「酒造りは米磨きから」を信条に、精米から仕込みまでを自社で丁寧に手掛けています。玄米を精米する際は普通酒用で70〜65%、中・高級酒用で60〜35%まで磨き上げ、精米歩合50%以下の白米はすべてステンレス製の笊を使って蔵人が手作業で洗米し、秒単位で吸水量を管理する限定給水を行います。仕込みは添・仲・留の三段仕込みで、極寒期に低温発酵を行う伝統的な「寒仕込み」に現在もこだわっています。上槽は酒質に応じて普通酒は圧搾機、中級酒は槽搾り、高級酒は袋取りと使い分け、杜氏の長谷川久晃氏が蒸し上がりの状態を目と手で確かめながら工程を見極めています。

蔵は尾瀬・猪苗代湖を水源とする阿賀野川と、御神楽岳を水源とする常浪川の合流点に位置し、一年を通じて霧が発生しやすい湿潤な気候が微生物の増殖や醪の発酵を助けています。仕込み水には地元阿賀町の地下水を用いています。使用する酒米は山田錦、五百万石、たかね錦、越淡麗、新潟県産コシヒカリなど多岐にわたり、製造内訳では特定名称酒が8割を占めています。

1970年代から吟醸酒の長期熟成に取り組んできた古酒・熟成酒のパイオニアでもあり、1985年設立の長期熟成酒研究会に加盟して「日本酒100年貯蔵プロジェクト」にも参加しています。約20年前からは山廃造りも手掛け、熟成した濃密な甘みと調和する酸味を求めて酒母を育てています。貯蔵した酒は「呑み切り」という官能検査を通じて熟成の進み具合を見極めた上で、順次出荷されます。

蔵データ

所在地

新潟県東蒲原郡阿賀町津川3644番地

創業

1880年(新潟県)

公式サイト

www.sake-kirin.com

代表銘柄

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麒麟:麒麟城にちなんで名付けられた蔵の看板銘柄で、辛口ながら濃醇な味わいが持ち味です。頂点にあたる大吟醸袋取り雫酒(山田錦)はワイングラスでおいしい日本酒アワード2014年に金賞を受賞し、低温で5年以上熟成させた秘蔵酒や長期熟成のヴィンテージ酒「時醸酒」など、蔵の熟成酒技術を注ぎ込んだ商品も揃います。定番の麒麟本醸造濃熟オールドは、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2024でプレミアム熟成酒部門の最高金賞に選ばれました。

ほまれ麒麟:季節や肴を問わず気軽に楽しめる普及クラスのシリーズで、やや辛口で濃醇な味わいが特徴です。山田錦と五百万石を等量ブレンドした純米大吟醸は燗酒コンテストで2012年と2017年に金賞を受賞し、特別純米は2014年、別撰山廃は2019年にそれぞれ金賞を獲得しています。ほまれ麒麟特別純米はフランスのKura Master2017年度純米部門でも金賞に選ばれ、海外でも評価されています。

蒲原:創業時の屋号「酒座蒲原屋」に由来する銘柄で、辛口ながら軽やかな味わいを特徴とします。創業当時から伝わる伝統製法「寒造り」で醸され、純米大吟醸越淡麗は上品な旨味と芳醇な香りのバランスが持ち味です。自社培養酵母による低温発酵で米の特徴を十分に引き出しており、原料米にたかね錦や山田錦を使い分けたラインナップで、一口目からの飲みやすさを追求しています。

丸にぼーいち:蔵の家印「○(ボーいち)」に由来し、「世の中を丸く平らに真っ直ぐに」という思いを込めて名付けられた銘柄です。定番の純米吟醸 無濾過袋取り原酒は、地元新潟県産の五百万石を55%まで磨き、丁寧な袋搾りでしぼり上げた無濾過原酒で、酒度+4・酸度1.5前後のしっかりとした飲みごたえのある味わいに仕上がっています。

見学・購入

蔵見学

あり(要事前確認)

補足

磐越自動車道津川ICから車で5分、JR磐越西線津川駅から徒歩20分でアクセスできます。酒蔵見学は個人・グループとも可能ですが、当日の予約状況や作業状況によりご案内できない場合があるため、必ず事前の連絡が必要です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

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出典

sake-map.jp / niigata-sake.or.jp / sake-kirin.com / wikipedia.org / niigatakenjinkai.com / sakagura-press.com / ginjyoshu.jp / sakaya-koike.com / tanoshiiosake.jp / esake.com / ponshukan.com / ja.wikipedia.org / kouhou.niigatakenjinkai.com / kuramaster.com / uzj.jp

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