SAKE BREWERY — TOCHIGI
せんきん
紹介
栃木県さくら市にある江戸時代後期の1806(文化3)年創業の酒蔵。銘柄の「仙禽」は仙人に仕える鶴を意味する。経営難を経て2008年に新会社「株式会社せんきん」を設立し、元ソムリエの11代目蔵元・薄井一樹氏らの主導により酒質改革やブランディングを展開した。
造りの特徴として「古くて新しいものづくり」や「江戸返り」を掲げ、蔵の仕込み水と同じ水脈の田んぼで酒米を育てる「ドメーヌ」の概念を導入。木桶を用いた「生酛造り」や酵母無添加で醸す超自然派の「ナチュール」シリーズ、古代米「亀の尾」や有機栽培米の使用など、伝統的かつ自然に寄り添う酒造りを実践している。従来の日本酒のイメージを覆す際立つ酸味と甘味が調和したジューシーな味わいが特徴。受賞歴として、2011年の全国新酒鑑評会にて「亀の尾」を用いた純米大吟醸酒で金賞を受賞したほか、「SAKE COMPETITION 2017」で銀賞を受賞している。(397字)
歴史
仙禽は1806年(文化3年)創業の旧仙禽酒造を前身とし、栃木県さくら市(旧氏家町)で酒造りを続けてきました。しかし全国的な日本酒需要の縮小により1972年をピークに出荷量は年々落ち込み、旧仙禽酒造は2008年に経営破綻します。長年の取引先の支援を受けて新会社「株式会社せんきん」が設立され、「仙禽」ブランドの再建が始まりました。
現在の11代目蔵元・薄井一樹氏は1980年生まれで、高校生の頃に田崎真也氏が1995年に日本人初のソムリエ世界チャンピオンとなった活躍に憧れ、大学の経営学部を中退して日本ソムリエスクールに入学しました。卒業後は同校の講師を務め、ワインだけでなく酒類全般の製法や産地の風土について学んでいます。2002年、都内の天ぷら店で先輩に勧められて福島の銘酒「飛露喜」を口にし、実家の大量生産酒との質の差に衝撃を受けたことが転機となり、2003年に実家へ戻って経営の立て直しに着手しました。
改革にあたっては、当時の業界で「健全でない造り」とされていた酸味の強い甘酸っぱい味わいの酒をあえて企画しました。同業者からは「酸度計が壊れている」と揶揄されたものの、若い女性層を中心に支持を集め、それまで「おやじの飲む酒」というイメージだった日本酒のイメージ刷新につながったといいます。
近年は2024年11月に、江戸時代に確立された造りへの回帰を掲げる「江戸返り」を打ち出してブランドを再構築しました。あわせて、古代米「亀の尾」について足掛け9年をかけて原原種への復元に取り組み、ジーンバンクが管理する種子との一致が農林水産省に認められました。この米は自社の原料米として活用しています。
酒造り
仙禽は、仕込み水と同じ水脈にある田んぼで自社田および契約栽培によって米を育てる「ドメーヌ」化を進めており、原料米をすべて有機栽培に切り替える「オーガニックタウン」構想を掲げています。原料には復元した「亀の尾」の原原種なども含まれます。
醸造面では、全商品を生酛・木桶へ移行する「江戸返り」を進めており、江戸時代に確立された伝統的な製法への回帰を醸造方針の柱としています。
洗米には気泡で米を洗う設備を用いて割れを防ぎ、洗米後の浸漬(吸水)は秒単位・水温6度で管理するなど、原料処理の工程を細かく分けているのも特徴です。近年はアルコール度数13度前後の低アルコール設計の酒を中心に据えています。
蔵データ
代表銘柄
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- 霧降
- ドルチェ・ブーケ
- かぶとむし
仙禽:主力銘柄「仙禽」は、公式シリーズとして「モダン仙禽」「クラシック仙禽」「レトロ仙禽」「オーガニック・ナチュール」などを展開しています。モダン仙禽は香り高く華やかな印象、クラシック仙禽は仙禽らしい酸味と甘みが際立つ味わいとされています。レトロ仙禽は仙禽の20年ほど前の酒を思わせる、やさしい甘酸っぱさが特徴とされています。オーガニック・ナチュールは酵母無添加・木桶仕込みによる軽やかな口当たりの超自然派シリーズです。
霧降:「霧降」は、鬼怒川水系の伏流水と栃木県さくら市産米を用いた銘柄です。純米大吟醸の無濾過原酒や生酛造りの純米酒など複数のタイプが展開されており、バナナやメロンを思わせるフルーティーな香りと、ヨーグルトのような酸味を伴う中辛口からやや辛口の味わいが共通した特徴として挙げられています。
ドルチェ・ブーケ:「ドルチェ・ブーケ」は、甘口ワインに用いられるワイン酵母「ST」で醸した銘柄です。さくら市産ひとごこちを精米歩合50%まで磨き、中取りの無濾過生原酒として瓶詰めしています。日本酒度マイナス20前後、酸度5.0前後、アルコール度数12度と、強い酸とワインを思わせる香りが特徴です。
雪だるま:「雪だるま」は冬季限定で発売される、しぼりたての活性にごり酒です。ドメーヌさくら産山田錦を使い、醪を何度も粗ごしすることでシルクのようになめらかな口当たりに仕上げています。要冷蔵の生酒で、開栓すると発酵由来の炭酸ガスが立ち上り、甘口ながら軽快な後味が持ち味です。
かぶとむし:「かぶとむし」は毎年夏に数量限定で発売される銘柄です。ドメーヌさくらの自社田米を用いて醸しており、アルコール度数14度に仕上げています。青リンゴやグレープフルーツ、レモンを思わせる柑橘系の爽やかな香りと、甘みと酸味が調和した爽やかな後味が特徴です。透明瓶に虹色のカブトムシを描いたラベルデザインでも知られています。
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出典
nihonshu-tourism.com / sake-times.com / senkin.co.jp / sakura-navi.net / sakenomy.jp / sake.science / wikipedia.org / superceo.jp / navitime.com / j-s-p.or.jp / sakenoma.net / oishii-ensen.com / ja.wikipedia.org / saketime.jp / tochisake.com / blog.syusendo-horiichi.co.jp / osaketo-washoku.jp / jizake.com / note.com / jp.sake-times.com / sakeroman.com
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