宇都宮酒造
代表銘柄:四季桜
栃木県
TOCHIGI
1871年創業
明治4年(1871年)に現在の宇都宮市柳田町で「今井酒造店」として創業した酒蔵です。創業当時は「四季の友」という銘柄でしたが、初代が詠んだ俳句「月雪の友は他になし四季桜」にちなみ現在の「四季桜」へと改められました。「まごころ一献」や「たとえ小さな盃の中の酒でも、造る人の心がこもっているならば味わいは無限です」をモットーに酒造りを行っています。仕込み水には日光の雪解け水が流れ込む鬼怒川の伏流水(軟水)を使用。
地元の柳田酒米研究会が栽培する「五百万石」や「美山錦」をはじめ、「夢ささら」「とちぎの星」などの県産米や兵庫県産山田錦を用い、やさしい口当たりとキレの良さ、ほのかな甘みが調和した酒を醸しています。代表銘柄の「四季桜 万葉聖(大吟醸酒)」がJAL国際線ファーストクラス機内酒に長期採用された実績があるほか、全国新酒鑑評会での金賞受賞、IWCやAustralian Sake Awards、Kura Masterなど国内外のコンテストでも多数の受賞歴を収めています。
宇都宮酒造の歩み
宇都宮酒造の前身は、1871年(明治4年)に初代の今井翠吉が、現在の宇都宮市柳田町にあたる地で創業した今井酒造店です。創業当初は「四季の友」という銘柄でしたが、初代が詠んだ「月雪の友は他になし四季桜」の句にちなんで、現在の「四季桜」に改められました。第二次世界大戦中は物資統制令により休業を余儀なくされました。
戦後、日光市大桑、日光市塩野室、宇都宮市徳次郎、宇都宮市竹林で酒造りをしていた4家に、今井酒造店の今井家と、現社長の出身である上三川町の菊地家を加えた6家が大同団結し、1947年11月に現在地で宇都宮酒造が設立されました。設立当初の生産量は500石に満たず、主な仕事は大手酒造会社に納める桶売りでした。
転機をつくったのは4代目蔵元の今井源一郎です。桶売りに満足せず「日本一の酒を造る」と掲げ、1977年の全国清酒協議会唎酒大会で優勝して利き酒日本一になりました。1980年には自家の精米機で山田錦を精米歩合40%まで磨いた酒を、酒税の低い無審査の二級酒「四季桜 万葉聖」として一升瓶1万円で発売し、1984年には山田錦50%で米麹と掛米だけで造る「四季桜 花宝」を発売しました。花宝は1985年にグルメ漫画「美味しんぼ」にも登場しています。
源一郎は1983年に45歳で亡くなりましたが、「たとえ小さな盃の中の酒でも、造る人の心がこもっているならば味わいは無限です」という言葉を遺しました。その志に共感したファンにより、1985年に「四季桜を愛する会」が発足し、新酒のできる4月に約200人が集まる催しが続いて、2026年で第42回を数えました。
桶売りは1990年代初めに終え、自社銘柄一本で歩む道を選びました。1991年から6年連続で全国新酒鑑評会の金賞を受賞し、1990年代初めから長年にわたり、大吟醸「万葉聖」が日本航空の国際線ファーストクラスの機内酒に採用されました。この時から商品サイズも一升瓶から720mlのワイン瓶になりました。2016年には栃木県産の食用米「とちぎの星」を使った純米酒を、2018年からは宇都宮白楊高校の生徒が栽培した五百万石による純米酒「白楊舞」を出しました。
2021年には、専務今井昌平の妻で管理栄養士の亜紀さんや、大田原市の女性農業士らが企画した女性のための純米吟醸「ARUSHIROI」が誕生し、2023年には宇都宮ライトライン開業を記念してLRTカップ酒を発売しました。2022年には現在の代表取締役で6代目蔵元の菊地正幸が、品質や技術の向上への貢献で藍綬褒章を受章し、2025年4月には公式オンラインストアも開設しています。
国内の受賞では、全国新酒鑑評会で平成14酒造年度以降に限っても12回入賞し、うち金賞は平成14・16・18・21・令和7酒造年度の5回です。入賞は平成15・23・24・30、令和元・3・6酒造年度で、令和7酒造年度の金賞は2026年5月20日に発表されました。令和6酒造年度の第106回南部杜氏自醸清酒鑑評会では、吟醸酒の部と純米酒の部の両方で優等賞を受けています。
全国燗酒コンテストでは、2025年にプレミアム熱燗部門でARUSHIROIが金賞、2026年にはお値打ちぬる燗部門の黄ぶな、お値打ち熱燗部門の四季桜、極上お値打ちぬる燗部門の純米大吟醸今井昌平、極上お値打ち熱燗部門のARUSHIROIの4部門で金賞を受賞しました。ほかに、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2025のプレミアム大吟醸部門で大吟醸生酒が金賞、美酒コンクール2026のリッチ&ウマミ部門でARUSHIROIが金賞、オリエンタル酒アワード2025の本醸造部門で黄ぶなが銅賞を受賞しています。
2026年1月には、シェフが選ぶ美酒アワードで純米大吟醸今井昌平が和食・フレンチ・中華の3分野で一つ星に認定されました。
海外のコンクールでも評価を重ねています。IWCでは、大吟醸万葉聖が大吟醸部門で、特別本醸造黄ぶなが本醸造部門でゴールドを受賞したほか、2025年には純米大吟醸酒、特別本醸造黄ぶな、とちぎの星純米酒がブロンズ賞を受けました。2026年には純米大吟醸夢ささらが純米大吟醸の部でゴールドと栃木県トロフィー、普通酒がゴールド、とちぎの星純米酒がシルバー、純米大吟醸今井昌平がブロンズを受賞しています。
Australian Sake Awardsでは、2024年に大吟醸万葉聖がプラチナ賞、とちぎの星純米酒がゴールド賞とオージービーフとのマッチング部門の最高賞に輝きました。2025年には今井昌平がライト・ドライ部門、とちぎの星純米酒がリッチ・セイボリー部門でゴールドを受賞し、2026年には今井昌平が2年連続でゴールドを獲得しています。モナコ酒アワードでは、2024年に大吟醸万葉聖、純米吟醸ARUSHIROI、とちぎの星純米酒がいずれもゴールド賞で、とちぎの星純米酒はマリアージュ賞(生ハム)も受けました。
2025年はARUSHIROIが純米吟醸部門で金賞、とちぎの星純米酒が純米部門で金賞とマリアージュ賞(モッツァレラチーズ)を受賞しています。スペインのCINVE 2025の日本酒部門では2点が金賞を受賞し、純米大吟醸は3年連続でした。Milano Sake Challengeでは、2025年にとちぎの星純米酒がダブルゴールド、ARUSHIROIがデザイン部門でグッドデザイン、2026年には純米大吟醸夢ささらがプラチナ賞、とちぎの星純米酒がベストデザイン賞を受賞しました。
Kura Masterでは、2022年にARUSHIROIが、2023年にとちぎの星純米酒が、それぞれ純米酒部門でプラチナ賞を受けました。2022年には、とちぎの星純米酒と純米吟醸G.Sが純米酒部門で金賞を受賞し、2025年には純米酒(精米歩合51〜65%)部門でとちぎの星の純米酒が金賞に選ばれています。
酒造りの特徴
仕込み水は、日光の雪解け水が流れ込む鬼怒川の伏流水で、やわらかな軟水です。蔵には自家の精米機があり、米を磨くところから自社で行っています。造りを担うのは、南部杜氏と下野杜氏の有資格者3名を中心とした蔵人たちで、現在は玉山杜氏が酒造りに精進しています。故今井源一郎が心血を注いだ大吟醸の味を、今も変わらず守っています。
蔵が掲げる信条は「まごころ一献」で、「旨い酒は、蔵人の心意気が造る。」と続きます。源一郎の口癖は「よい酒を造るにはよい酒米がなければできない」で、蔵の酒造りは米作りから始まります。今井家は1972年から自社田90アールで五百万石の栽培を始め、1995年には地元の農家6軒とともに柳田酒米研究会を立ち上げました。蔵元が地域で酒米を作る先駆けとなった取り組みで、現在は五百万石と美山錦を栽培しており、2025年の五百万石の検査では特等米が出ています。
大田原のmomofarmが育てる五百万石はARUSHIROIに、宇都宮白楊高校の生徒が育てた五百万石は純米酒の白楊舞に使われ、同校の創立130周年を記念して、生徒が栽培したとちぎの星を100%使った特別純米酒も造られています。
酒米は銘柄ごとに使い分けます。大吟醸の万葉聖は山田錦を精米歩合35%まで磨き、香露酵母で仕込んだ辛口淡麗の酒です。純米大吟醸の花宝は山田錦50%、今井昌平は柳田酒米研究会の五百万石50%で、いずれも栃木県酵母を使います。純米大吟醸の夢ささらは、栃木県が開発した酒米「夢ささら」を精米歩合40%まで磨いた、日本酒度マイナス4.0の甘口で芳醇な酒です。とちぎの星純米酒は栃木産のとちぎの星を65%に磨いて造ります。
商品は季節限定を含めて20数種類あります。季節限定の酒は、春は特別純米生酒、夏と秋は特別純米酒、冬は特別純米無濾過生原酒と、季節ごとに変えています。2023年には、郷土玩具「黄ぶな」から生まれたキャラクター「キブナドン」のラベルの期間限定酒も発売しました。黄ぶなは宇都宮の郷土玩具で、特別本醸造酒の「黄ぶな」はこの玩具にちなんで名付けられ、特別純米酒の「黄ぶな」は無病息災の意匠で医療支援を行う商品です。生もと純米酒は、お燗にすると旨みが際立つ一本です。
代表銘柄
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四季桜
四季桜は、創業当初の銘柄「四季の友」を、初代の詠んだ句にちなんで改めた蔵の代表銘柄です。大吟醸の万葉聖、純米大吟醸の花宝・夢ささら・今井昌平、純米吟醸のARUSHIROI、とちぎの星純米酒、郷土玩具にちなむ黄ぶななど、季節限定を含めて20数種類を醸しています。辛口淡麗から甘口芳醇まで幅広く、お燗向きの生もと純米酒もそろいます。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 蔵での店頭販売があります。営業時間は9:00〜12:00と13:00〜17:00で、日曜・祝日は定休日です。土曜も春から秋にかけて定休となります。公式オンラインストアもあります。
- 補足
- 酒蔵見学は事前予約が必要で、見学と試飲を合わせて1時間前後、試飲料は1人500円です。3月から10月は、もろみなどの見学は行いません。宇都宮ライトラインの駅から徒歩20分ほどの距離にあります。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 栃木県宇都宮市柳田町248
- 創業
- 1871年
- 公式サイト
- shikisakura.co.jp
出典
japansake.or.jp / shikisakura.co.jp / sakeworld.jp / sakagura-press.com / shikisakura.net / utsunomiya-convention.jp / tochigi.lg.jp / smart.shimotsuke.co.jp / agrinet.pref.tochigi.lg.jp / nrib.go.jp
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