本文へ移動

千代の亀酒造

代表銘柄:千代の亀・銀河鉄道・秘蔵しずく酒

愛媛県

EHIME

1716年創業

千代の亀酒造の本社
千代の亀酒造の本社(2023年撮影)「CHIYOKAME-SHUZO HQ, Uchiko.jpg」 — 写真:運動会プロテインパワー / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

1716年(享保元年)創業、愛媛県喜多郡内子町に蔵を構える老舗酒蔵です。小田川のほとりで地元の水を使い、農薬を使わずに育てた契約栽培米や地元産米を用いて、手作業を中心とした酒造りを行っています。搾りの工程では全量を槽(ふな)しぼりとし、手間暇をかけた昔ながらの製法を守り続けています。代表銘柄の「千代の亀」をはじめ、低温で長期熟成させる凍結酒「銀河鉄道」や「秘蔵しずく酒」など多彩な商品を展開しています。

2008年にはカンヌ国際映画祭の公式レセプション酒(「梨風」)として提供された実績があるほか、松山大学の学生とのリキュール共同開発にも取り組んできました。2024年6月24日にはマルコメ株式会社が全株式を取得して子会社となりました。

千代の亀酒造の歩み

千代の亀酒造は、愛媛県喜多郡内子町の五十崎(いかざき)地域で酒を醸す蔵です。享保初年にあたる1716年に亀岡久平が亀岡酒造として創業しました。「千代の亀」という酒名は初代から使われており、「千代に八千代に」という祝いの言葉にちなむものと考えられています。昭和35年(1960年)には旧五十崎町に10軒あった地酒屋が、昭和45年(1970年)にはこの蔵1軒だけになりました。

1948年に合資会社となり、1967年に九代目の徹(あきら)が蔵を継ぎました。九代目はそれまでの酒造りに批判的で、本物を造らなければならないという強い意志から純米吟醸酒の製造に取り組みました。とくに生酒に力を注ぎ、1985年に長期熟成凍結酒の「しずく酒」を、1987年に「銀河鉄道」を世に出しています。

1995年には、消費者の日本酒離れで廃業の道へ進んでいました。そのとき、当時の県議会議員の岡田己宜(つぎのぶ)が「地域の地場産業を残さなければいけない」と強く願い、地元で土木建設業を営む久保興業株式会社が支援に乗り出しました。経営権が委譲されてグループ会社となり、合資会社から株式会社へ移行しています。2013年8月1日付で「千代の亀酒造株式会社」へ社名を改め、蔵の老朽化に伴って蔵を移転し、ほぼ全てのスペースに冷房設備を導入しました。

2008年には、カンヌ国際映画祭の公式レセプション酒として「梨風(りふう)」が提供されました。同じ年に松山大学の学生と日本酒リキュール「i-sole(アイソーレ)」を発売し、2012年には共同開発の第三弾「i-sole hasty(アイソーレ ハスティ)」も発売しています。2015年には愛媛酵母EK-7を使った「夏生(なつなま) 純米吟醸EK-7」と「純吟火入 青亀EK-7」を発売し、2016年に創業300年を迎えました。2020年には原料米を地元の内子町産に切り替えています。

2024年6月24日、長野県の発酵食品メーカー、マルコメ株式会社が全株式を取得して子会社化し、同社取締役常務執行役員の小川浩司が代表取締役社長に就任しました。千代の亀酒造は酒造りという地場産業を残すため、数年前から譲渡先を探していました。2025年には髙山知大が杜氏(生産本部長)に就き、蔵の一角には各銘柄を試飲できる直売所が設けられています。令和7酒造年度の全国新酒鑑評会では、「千代の亀」が入賞しました。

酒造りの特徴

原料米は地元にこだわっています。代表酒の「銀河鉄道」と「しずく酒」には、地元農家との契約栽培で農薬を使わずに育てた米を用います。2020年からは原料米を内子町産に切り替えており、「千代の亀」の特別純米(橙ラベル)と純米吟醸(緑ラベル)は、愛媛県産の松山三井とコシヒカリを協会酵母901で醸しています。蔵元自身も田植えに参加し、造る酒はすべて特定名称酒です。

蔵は小田深山を源泉として流れる小田川のほとりにあり、仕込みには地元の水を使います。新しい蔵では冷房設備が常時稼働し、低温で衛生管理の行き届いた環境で酒を扱います。もろみにはクラシック音楽を聴かせています。2024年からは、マルコメの味噌造りで培った衛生管理の手法も採り入れ、設備から身だしなみまで衛生管理を一段と高めました。

搾りは、今も全量を槽(ふな)しぼりで行います。もろみを袋に一枚ずつ丁寧に入れて槽に並べ、強い圧力をかけずに丸2日かけてじっくり搾るため、雑味の出ない仕上がりになります。蒸した米を冷ます作業も、機械に頼らず昔ながらの自然放冷を守っています。小さな蔵のため各工程を全員で受け持ち、仕込む量を抑えて手間をかけることを大切にしています。

「銀河鉄道」は、低温で前発酵させ、もろみの良い部分だけを袋に入れて雫を垂らすように取り上げ、さらに低温で長期熟成させた凍結酒です。長期熟成した古酒も手がけ、甘味・酸味・辛味・旨味・苦味の調和を料理とともに楽しめる酒に育てています。

代表銘柄

千代の亀

蔵の名を冠した定番の銘柄で、愛媛県産の松山三井とコシヒカリを協会酵母901で醸します。特別純米の橙ラベルは精米歩合68%で、深いコクが料理に合い、冷酒でも熱燗でも楽しめます。純米吟醸の緑ラベルは精米歩合58%で、瑞々しく飲み応えがあり、食事とともに旨みが引き立ちます。いずれも全量を槽しぼりで搾っています。

銀河鉄道

1987年に生まれた、蔵を代表する純米大吟醸の長期熟成凍結酒です。契約栽培の農薬未使用米のうち大粒の中心部だけを使い、袋から落ちる雫を取り上げて低温で長期熟成させます。半分ほど解凍したところで瓶をシェイクし、シャーベット状にして味わうのが蔵のすすめです。

秘蔵しずく酒

1985年に発売された、純米大吟醸の生酒の凍結酒です。地元の篤農家が育てた農薬未使用米を精米歩合45%まで磨いて芯白だけを使い、すべて手作業で仕込み、3度以下でゆっくり熟成させます。わずかな発泡性と辛口のすっきりした味わいで、シャーベット状にすると爽やかさが増し、食前酒やサラダ、刺身の赤身によく合います。

媛人A/END

「ALL愛媛」にこだわった新世代の日本酒として造られているシリーズです。2019年ごろの純米吟醸は愛媛県産の米と愛媛酵母EK-7を使い、芳醇で心地よい香りと軽快な酸味をもつ、愛媛らしいやわらかな味わいで、日本酒に慣れていない人にも楽しんでもらえる酒でした。現在は公式オンラインストアで「START」と「生」の2品が販売されています。

見学・購入

直売所
蔵に直売所があり、各銘柄の試飲もできます。営業時間は9:00〜16:00で、土日祝は休業です。
補足
所在地は愛媛県喜多郡内子町平岡甲1294-1です。直売所は2025年に開設され、オンラインストアでも購入できます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
愛媛県喜多郡内子町平岡甲1294-1
創業
1716年
公式サイト
www.chiyonokame.com

出典

jetro.go.jp / chiyonokame.com / sakagura-press.com / iyokannet.jp / e-ttoko.com / sakenoawaya.co.jp / meimonshu.jp / sakenomy.jp / ehime-syuzou.com / chiyonokame.shop-pro.jp / nihon-ma.co.jp / saketime.jp / nrib.go.jp

本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。