協和酒造
代表銘柄:初雪盃
愛媛県
EHIME
1887年創業
協和酒造株式会社は、1887年(明治20年)に創業した愛媛県伊予郡砥部町の酒蔵で、代表銘柄は「初雪盃(はつゆきはい)」です。酒名は、雪を冠して凛とそびえる霊峰富士にちなんで命名されました。仕込み水には重信川の伏流水を使用し、原料米には「松山三井」や「しずく媛」など愛媛県産の米を用いています。
同蔵では「酔うための酒」ではなく米の旨みを感じられる「味わうための酒」を目指し、量産を行わず品質を重視した小仕込みの酒造りを行っています。昔ながらの「槽(ふね)しぼり」や「袋しぼり」といった手作業にこだわり、奥行きのある味わいとしっかりとした飲み応えのある酒質に仕上げています。日本酒のほか、砥部特産の七折小梅を用いた梅酒などの果実リキュールも製造しています。
また、蔵の敷地内には直売店「蔵元」や、旧酒蔵を改修した「酒蔵カフェ はつゆき」が併設されており、昔の酒造道具の展示、地元の砥部焼酒器の販売、甘酒や酒粕を使ったスイーツなどを提供しています。
協和酒造の歩み
協和酒造の起源は、砥部の酒造家であった越智氏が営んでいた酒造りにさかのぼります。明治20年(1887年)10月25日にその酒造免許を譲り受けて創業し、創業時の屋号は「三谷酒造店」でした。その後は「醸造元三谷酒店」の名で酒造りを続けていました。蔵の建物は江戸時代末期に建てられたもので、現在は2階が酒蔵カフェになっています。
しかし、戦争の影響で昭和18年(1943年)12月末に企業整備法によって廃止工場となり、酒造りは途絶えます。終戦後の昭和30年(1955年)、酒造家4社が集まって合同で設立したのが、現在の「協和酒造株式会社」です。このとき合同銘柄として「黒松 初雪」の製造を始め、地元の人からは「初雪さん」と親しまれました。
ところが、商標登録に不備があったため「黒松 初雪」は販売を停止することになります。そこで昭和46年(1971年)に「初雪盃」として商標登録し、現在までこの名で醸しています。酒名は、雪を冠って凛とそびえる霊峰富士にちなんだものです。
砥部は砥部焼で知られる焼き物の町で、蔵のある大南地区には砥部焼伝統産業会館や多くの窯元があります。協和酒造は平成27年(2015年)、老朽化していた酒蔵の2階を改修して「酒蔵カフェ はつゆき」を開きました。1階の直売店「蔵元」には、昔の酒造道具と、町内の60軒以上の窯元がつくる砥部焼の徳利と盃が並びます。現在の代表取締役は5代目の三谷勝彦氏です。
造り手の面では、蔵の杜氏は平成19酒造年度まで、西宇和郡杜氏組合に属する伊方杜氏でした。平成20酒造年度は杜氏を置かず、家族だけで初めて仕込みました。その年も全国新酒鑑評会で金賞を受け、平成18酒造年度からの3年続けての金賞となっています。受賞では、全国新酒鑑評会で平成14酒造年度以降に6回入賞し、そのうち金賞は平成14酒造年度、平成18酒造年度、平成19酒造年度、平成20酒造年度の4回です。入賞はほかに平成16酒造年度と平成22酒造年度です。
また、高松国税局が管内の蔵を対象に開く四国清酒鑑評会では、平成18年(2006年)の吟醸酒の部、平成19年(2007年)、平成21年(2009年)の純米酒の部で優等賞を受けています。平成20年(2008年)にも優等賞を受けたと蔵は発表しています。平成21年の受賞時に製造責任者を務めたのは、6代目にあたる三谷茂氏でした。
酒造りの特徴
「初雪盃」は、昔ながらの「槽しぼり」や「袋しぼり」にこだわった酒造りをしています。ひとつひとつの作業を手作業で行うため時間と手間はかかりますが、人の手でしか造れない奥行きのある味わい深い酒に仕上がります。「酔うための酒」ではなく、米の旨みを感じられる「味わうための酒」を目指し、量産せず品質を重視した小仕込みを大切にしています。食中酒としてはもちろん、酒だけでも楽しめるよう、旨味としっかりした飲み応えのある酒質を狙っています。
仕込み水は、愛媛県の重信川水系、砥部川の伏流水です。原料米は、山田錦、松山三井、媛育71号、しずく媛、五百万石など、酒ごとに使い分けています。米の種類や種麹などは細かく設計され、2024年時点では二人で酒造りをしているため、多くの量は造れません。ラインナップは、35%・40%・50%まで磨いた純米大吟醸と大吟醸の「プレミアム酒」、純米吟醸、吟醸、特別純米、純米酒、本醸造、にごり酒などの定番酒、季節ごとの限定酒に分かれています。
愛媛県産の米や酵母を生かした酒も造っています。「おりがらみ 媛育純米生原酒」は、米も米麹も酵母もすべて愛媛県産で仕込んだ純米酒です。しずく媛を使った純米吟醸原酒もあります。純米酒の一つには愛媛県のオリジナル酵母「さくらひめ酵母ES-2」を使っています。令和5年(2023年)3月には、愛媛県オリジナル品種の花「さくらひめ」からとった「愛媛さくら媛酵母」のうち、トロピカルタイプのES-1で醸した純米大吟醸「さくらさらさら」を発売しました。
発売時のお披露目会には、この酵母を使うプロジェクトに参加した22蔵元の酒が並びました。
限定酒では、シリアルナンバーを入れた本数限定の「おりがらみ」生原酒のほか、夏の酒、夏越し酒の「月光」「新月」、「秋あがり純米酒」、熱燗向きの「寒燗歓」など、季節ごとの酒を出しています。リキュールも造り、砥部町特産の七折小梅を一つずつ手洗いして漬け込んだ梅酒、日本酒をベースにした秘蔵梅酒、青梅、柚子、すももなどがあります。これらのリキュールは、香料・着色料・保存料を使っていません。
代表銘柄
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初雪盃
酒名は、雪を冠って凛とそびえる霊峰富士にちなんで付けられました。戦後に合同銘柄「黒松 初雪」として生まれ、地元では「初雪さん」と親しまれ、商標の事情で昭和46年に「初雪盃」となりました。槽しぼりや袋しぼりを守り、まろやかな口当たりで飲みあきのしない酒質を目指しています。純米大吟醸から純米酒、本醸造、にごり酒まで幅広く揃い、平成14酒造年度以降の全国新酒鑑評会で金賞を4回受けた蔵の看板銘柄です。
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- 直売所
- 蔵に併設された直売店「蔵元」で、定番酒のほか、蔵ならではの季節限定酒や超限定の酒を扱っています。ほとんどの商品を試飲でき、リキュール、関連グッズ、砥部焼の酒器も買えます。
- 補足
- 直売店の営業時間は10時から17時で、5月から10月は水曜と木曜、11月から4月は木曜が休みです(祝日は営業)。年始の元日から2日も休みます。車やバイク、自転車を運転する人と未成年者は試飲できません。1階の直売店では昔の酒造道具も展示しています。2階の「酒蔵カフェ はつゆき」は、江戸時代末期に建てられた酒蔵を生かした店で、甘酒と酒粕を使ったバウムクーヘンやチーズケーキ、愛媛県産米の米麹だけで作るノンアルコールの甘酒を出しています。カフェは月曜から木曜が休みで、クレジットカードは使えません。アクセスは、松山ICから国道33号線を久万高原町・面河方面へ約20分、または伊予鉄バスで「砥部焼伝統産業会館前」下車、徒歩5分です。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 愛媛県伊予郡砥部町大南400
- 創業
- 1887年
- 公式サイト
- www.hatsuyukihai.jp
出典
ehime-hyakka.com / japansake.or.jp / ehime-syuzou.com / note.com / kotobank.jp / hatsuyukihai.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / sake88.info
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