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中尾酒造

代表銘柄:龍泉・凡愚・見山

大阪府

OSAKA

1869年創業

大阪府茨木市に位置する「中尾酒造株式会社」は、明治2年(1869年)に創業した茨木市唯一の酒蔵です(2010年に上泉町から宿久庄へ移転)。代表銘柄の「龍泉(りゅうせん)」は、茨木市産のキヌヒカリ(かつては三島五百万石も使用)と地元の水を用い、茨木の風土を生かして醸される地酒です。ほかにも「凡愚」「艶正宗」などの銘柄を手掛けるほか、地元の農家と連携して一時途切れていた伝統の酒米「三島雄町(みしまおまち)」を復活させ、これを用いた「見山」などを醸造しています。

原料米の栽培から地域と一体となって取り組み、市民や地元の酒販店グループとともに田植えや稲刈りイベントを行うなど、地域文化に根ざした地酒造りを続けています。蔵元杜氏(当主)による昔ながらの手法を取り入れた仕込みが特徴です。

中尾酒造の歩み

中尾酒造は、明治2年(1869年)に創業した大阪府茨木市の酒蔵です。茨木の酒造りは室町時代から400年以上の歴史があり、江戸時代には富田・池田・伊丹と並んで摂津郷と呼ばれる酒どころだったと蔵元は語ります。全盛期には市内に数十軒の造り酒屋があったとされますが、2024年12月時点で、その伝統を受け継ぐ茨木市内の酒蔵は中尾酒造一軒だけです。

現在の当主は蔵元5代目の中尾宏さんで、社長と杜氏を兼ねています。蔵元自身が、麹づくりから杜氏の仕事、販売まで、酒造りの全工程を一人でこなしています。上泉町にあった旧蔵の時代の2008年には、茨木市内の小学校の家庭教育学級の23名を蔵見学に迎えました。

この蔵を特徴づけるのが、酒米「三島雄町」の復活です。三島雄町は茨木市の山間部で戦前まで栽培されていた酒米で、丈が長く倒れやすいことから昭和初期に姿を消し、戦後は山田錦が主流になりました。しかし中尾酒造は「茨木の伝統米で地酒を作りたい」という思いが捨てきれず、農家に頼み込み、市内の酒販店有志でつくる茨木蔵元会の協力を得て、約6年がかりで1996年に復刻を果たしました。見山地区の農家と取り組み、この米で醸す銘柄が「見山」です。

田植え祭と収穫祭は地元の恒例行事で、コロナ禍の後の2022年10月にも、多数の参加者を迎えて収穫祭を開きました。

蔵は茨木市上泉町にありましたが、2010年に市の北部の宿久庄へ移りました。移転後は設備の整備に時間がかかり、新天地で仕込みを重ねるなかで、2013年12月には、上泉町時代と同じ12月の第二大安に新酒の「艶正宗しぼりたて 旬」を発売できました。移転以来中断していた新酒完成の目印の杉玉作りも2024年に再開し、12月7日に茨木神社へ奉納してから軒下に吊るしました。

新型コロナの影響で販売が落ち込み、酒米の購入にも苦労した蔵元は、2023年にクラウドファンディングで支援を募りました。三島雄町の純米吟醸「Next」を新酒として造り、同年8月には公式ホームページ兼通販サイトを公開しています。次の世代に茨木の酒造りを引き継ぎたいという願いを込めた酒です。

酒造りの特徴

槽(ふね)を使って自然圧で搾る昔ながらの造りを守っています。上槽は袋絞りやフリーランで、搾ったあとの酒粕を袋から取り出す「粕離し」も蔵元が手作業でおこないます。2016年の正月には搾りと粕離しをおこない、2012年の酒造年度の第1号のもろみは深夜に搾りました。酵母は、主な商品で自社独自酵母を使っています。

原料米は地元の茨木産が軸で、「龍泉」と「艶正宗しぼりたて 旬」には大阪府の奨励品種のキヌヒカリ、「見山」と「Next」には三島雄町を使います。「艶正宗 にごり酒」の原料米はキヌムスメです。三島雄町は丈が長く倒れやすい米で、2010年の収穫では10月23日に刈り取りを始め、11月1日に全ての稲を稲木に掛け終えて天日で干してから脱穀しました。

熟成にも力を入れています。大吟醸の「相伝」は、自然圧のフリーランで搾った酒を数年間熟成させた原酒で、雄町を精米歩合40%まで磨き、もろみ日数は34日間です。2018年の相伝は大吟醸と純米吟醸の2種で、どちらも4年間熟成させた原酒でした。雄町を精米歩合45%、もろみ40日間で仕込む「中尾」は、蔵元が最高級の酒の仲間と位置づける酒です。2014年のゴールデンウィークには、平成3年醸造の大吟醸を23年熟成させた酒を飲み比べの催しに出し、好評を得ました。

雄町を精米歩合83%(表皮の17%だけを削る)で仕込んだ「Mishima Omachi 83%」は、日本酒度+22度のスッキリ辛口で、原料米本来の特性を味わう酒です。しぼりたての「旬」は12月の大安に発売する新酒で、アルコール分18度、フレッシュなスッキリ甘口に仕上げています。

代表銘柄

龍泉

茨木産のキヌヒカリを精米歩合65%まで磨いて仕込む特別純米酒で、蔵元は杜氏の持てる技のすべてを傾けて丹精に醸した酒と位置づけています。もろみ日数は25日間、日本酒度は+4度、酸度は1.4度、アルコール分は15度で、スッキリとした辛口です。燗でも冷やでもおいしく、温かい食べ物とよく合います。2006年から少なくとも2012年ごろまでは、茨木産の三島五百万石を精米歩合55%で使い、生酒やひやおろしも出していました。

凡愚

純米酒、純米吟醸酒、大吟醸の3種を造っています。純米酒はキヌヒカリを精米歩合60%、純米吟醸酒は雄町を50%、大吟醸は雄町を45%まで磨き、もろみ日数はいずれも30日間、アルコール分は15度です。純米酒はスッキリ辛口、純米吟醸酒と大吟醸はまろやか辛口の味わいです。室町時代から続く醸造法を次代に継承するため、蔵元自らが手造りで醸しています。

見山

復活させた茨木の酒米・三島雄町だけを使い、精米歩合56%、もろみ日数35日間で仕込む酒です。アルコール分は15度、日本酒度は+8度、酸度は1.4度で、落ち着いた香りと喉越しの良さ、ふくよかな味わいと切れ味の良さが特徴です。2009年から2015年にかけて毎年4月に発売しており、アルコール分17度の原酒にごりもあります。

見学・購入

直売所
蔵に併設の売り場があり、営業時間は平日の10時から17時です。所在地は茨木市宿久庄5丁目32-12で、最寄りは大阪モノレール彩都線の豊川駅です。
補足
公式の通販サイトでも日本酒を購入できます。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
大阪府茨木市宿久庄5-32-12
創業
1869年

出典

exblog.jp / sake-times.com / tanoshiiosake.jp / fc2.com / city.ibaraki.osaka.jp / sakesen.com / nakaosyuzou.com / bongu.jugem.jp / camp-fire.jp / nihonshu0141.blog.jp / tanjo0711.livedoor.blog / sakenomy.jp / iko-yo.net / nta.go.jp

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