松岡醸造
代表銘柄:帝松・隆光
埼玉県
SAITAMA
1851年創業
松岡醸造は、嘉永4年(1851年)に初代・松岡祐右ヱ門が埼玉県小川町にて創業した酒蔵です。創業時は屋号「大坂屋」、銘柄「松盛(まつざかり)」として創業しましたが、その後、代表銘柄を「帝松」と定めました。
酒造りの最大の特徴は、仕込み水に地下130mから汲み上げる秩父山系の石灰岩系硬水(硬度149mg/L)を使用している点です。鉱山系ではなく石灰岩系の硬水でミネラル分が豊富なこの水と、厳選された酒造好適米を用い、低温発酵管理によってまろやかで深みのある酒を醸しています。
全国新酒鑑評会では埼玉県内最多記録となる8年連続金賞(通算20度金賞)を受賞しているほか、IWCやSAKE COMPETITION、雄町サミットなど数々の鑑評会でも受賞歴を持ちます。代表銘柄の「帝松」をはじめ、多様な味わいの日本酒を製造・販売しています。
松岡醸造の歩み
松岡醸造は、日本酒の産地として知られる越後(現在の新潟県)で酒造りに関わる家柄に生まれた初代・松岡祐右ヱ門が興した酒蔵です。祐右ヱ門はより良い酒造りに適した地を求めて蔵ごと移ることを決意し、嘉永4年(1851年)に、現在の埼玉県比企郡小川町にあたる地で創業しました。当時のこの地は秩父往還と八王子街道が交わる交通の要衝で、毎月市が立ち商人が集まる賑わいのある土地であり、水・米・消費地という酒造りに必要な条件が揃っていました。創業にあたっては屋号を「大坂屋」、酒銘を「松盛(まつざかり)」と定めました。
その後、酒銘は現在の代表銘柄である「帝松」に改められました。「帝」は日本の最高位を、「松」は変わらぬ緑から繁栄を表しており、酒造りの頂点を末永く後世に受け継いでいきたいという願いが込められています。帝松は全体にフルーティーで甘みのある味わいを持ち味としながら、サイズ違いを含めると150アイテムにのぼる商品を展開し、多様な好みに応じられる品揃えとなっています。
看板商品のひとつである「社長の酒」は、5代目・松岡祐治の時代に生まれました。吟醸酒がまだ広く知られていなかった昭和の高度経済成長期に、当時の清酒級別制度で特級にも一級にもあたらない無鑑査の吟醸酒として売り出されたのが始まりです。これは埼玉県における吟醸酒流通の先駆けとなり、評判が評判を呼んで、当時「埼玉県で一番の吟醸酒を造る蔵」と言われるほどになりました。もとは鑑評会出品用にごく少量だけ仕込まれ、残った分は社長の贈答用などに充てられていたお酒で、タンクに目印として「社長の酒」と書かれていたことがその名の由来です。
現在は縁起の良い「出世酒」として親しまれています。
全国新酒鑑評会では、平成15酒造年度から平成22酒造年度にかけて8年連続で金賞を受賞しており、これは埼玉県内で最多の記録です。令和4酒造年度から令和6酒造年度にかけても3年連続で金賞を受賞しており、平成元年以降の受賞歴を通算すると金賞は20度に達しています。平成14酒造年度以降は18回入賞し、うち14回が金賞です。
現在の経営体制は、1953年生まれの6代目・松岡良治が専務(2001年)、社長(2003年)を経て2024年に会長に就任し、2018年からは埼玉県酒造組合会長も務めています。7代目の松岡奨は1986年生まれで、2009年に入社して蔵人として3年間造りに従事したのち営業や商品開発を担当し、2015年に専務、2024年に社長に就任しました。杜氏は良治の弟にあたる松岡則夫が務め、1985年の入社後、岩手県から招いた南部杜氏のもとで修業を重ねて2005年に杜氏となり、2011年には自身も南部杜氏の資格を取得しています。
酒造りの特徴
仕込み水には、秩父山系に降った雨が石灰岩層で濾過されながら数十年かけて地下を流れた天然水を、地下130メートルから汲み上げて使用しています。硬度は149mg/ℓと、酒造りに適した水として知られる兵庫県灘の「宮水」を上回る、日本の仕込み水としてもトップクラスの硬水です。それでいて口に含むと硬水特有の重さを感じさせない柔らかな味わいがあり、ミネラル分の豊富さが酵母の発育を促し、低温発酵と組み合わさることで帝松特有のまろやかさと奥深さを生み出しています。
原料米は、目指す酒質に応じて全国から厳選しています。兵庫県吉川町産の山田錦特A、岡山県赤磐市産の備前雄町、山形県産の山酒4号(通称・玉苗)、埼玉県オリジナル品種のさけ武蔵などを使い分け、玄米の表面を最低でも30%は磨き(精米歩合70%以下)、大吟醸クラスでは精米歩合38%まで磨き込みます。磨きすぎれば米本来の味わいが失われるため、それぞれの米の特徴を見極めながら精米度合いを決めています。埼玉県小川町下里産で化学肥料を使わず栽培された無農薬米を用いた純米吟醸「霜里」も手がけています。
発酵は、外側に冷水を循環させる二重構造の低温発酵タンクをコンピューターで管理し、酵母の立ち上げから数えて50日ほどかけてゆっくりと進めます。一部の商品では蓋麹法によって手間をかけて麹を育て、少量ずつ小仕込みで醸しています。搾りにはアルミとゴムの板を交互に重ねた大型のフィルタープレス機を用い、もろみを空気に触れさせずに搾ることで吟醸酒特有の香りを守っています。大吟醸に関しては、もろみ自体の重みだけで搾る「袋吊り」という伝統的な手法を用いています。
「帝松 超特撰 大吟醸原酒」はIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2019とISC(インターナショナル・セイクチャレンジ)2020でゴールドを受賞しました。備前雄町を使った純米大吟醸「鳳翔」は雄町サミットで優秀賞を受賞し、ワイン用の酵母で仕込んだ純米吟醸「褻と霽れ(けとはれ)」は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」で金賞を受賞しています。このほかSAKE COMPETITION、関東信越国税局酒類鑑評会、南部杜氏自醸清酒鑑評会、春季清酒鑑評会など、数々の鑑評会でも受賞を重ねています。
代表銘柄
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帝松
松岡醸造の代表銘柄で、「酒造りの頂点を末永く受け継ぐ」との願いを込めて名付けられました。全国新酒鑑評会では平成15酒造年度から平成22酒造年度まで8年連続で金賞を受賞し、埼玉県内最多の記録を持ちます。全体にフルーティーで甘みのある味わいを基調としつつ、鑑評会出品用の大吟醸原酒から、5代目の時代に生まれた「社長の酒」、雄町を使った「鳳翔」、ワイン酵母仕込みの「褻と霽れ」まで、サイズ違いを含め150アイテムにのぼる商品を展開しています。
楽天で商品を見る隆光
隆光は、松岡醸造が代表銘柄の帝松とは別に手がける吟醸酒の銘柄です。蔵の看板である帝松と同じく、秩父山系の伏流水を地下130メートルから汲み上げた硬度149mg/ℓの天然水を仕込み水に用い、外側に冷水を循環させる低温発酵タンクで丁寧に温度管理をしながら醸されています。同じ仕込み水と低温発酵の技術を土台にしつつ、帝松とは異なる味わいを目指して仕込まれている銘柄です。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 帝松直売店です。旧精米所を改装した蔵併設の店舗で、大吟醸ソフトアイスや甘酒、米麹を使ったコスメなども販売しています。
- 補足
- 見学は事前予約制で、参加した成人には帝松の試飲が無料で提供されます。車を運転する方やお子様には仕込み水が用意されます。毎年2月最終日曜日には敷地内で「帝松酒蔵まつり」が開催されています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 埼玉県比企郡小川町大字下古寺7-2
- 創業
- 1851年
- 公式サイト
- www.mikadomatsu.com
出典
sakagura-press.com / mikadomatsu.com / saisake.com / sakeyamana.jp / shop-pro.jp / sake-academy.jp / bugin-eri.co.jp / nrib.go.jp / tanoshiiosake.jp / tsumamikuru.com / sakenowa.com
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