内ヶ崎酒造店
代表銘柄:鳳陽・みちのく鬼ころし
宮城県
MIYAGI
1661年創業
宮城県富谷市に位置する内ヶ崎酒造店は、寛文元年(1661年)に二代目作右衛門が酒造業を開始した宮城県内最古の歴史を誇る酒蔵です。蔵のある富谷の地は、初代が仙台藩主・伊達政宗公の命を受けて宿場町を開いたことに始まります。代表銘柄の「鳳陽」という酒銘は、唐の故事「鳳鳴朝陽」にちなみ家運隆盛を願って名付けられました。酒造りでは自然の寒さを利用した寒仕込みや南部杜氏の手造りの技を継承し、鋳物の和釜など昔ながらの道具を用いて品質を重視した酒造りを行っています。
富谷市産米を用いた「蓑かくし」をはじめ、「蔵の華」や「吟のいろは」など宮城県産の酒造好適米を生かした造りにも取り組んでいます。全国新酒鑑評会での金賞受賞をはじめ、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)など海外のコンクールでも金賞を受賞しており、国内外で高い評価を受けています。
内ヶ崎酒造店の歩み
内ヶ崎酒造店は宮城県富谷市に蔵を構え、寛文元年(1661年)に内ヶ崎家二代目の作右衛門が酒造業を始めたことに由来する、宮城県内で最も古い歴史を持つ酒蔵です。蔵のある地の来歴はさらにさかのぼり、元和四年(1618年)に初代内ヶ崎筑後(のちに織部と改名)が仙台藩主・伊達政宗公の命を受け、奥州街道の吉岡宿と七北田宿の間に富谷宿を新たに開いたことに始まります。現在の酒蔵の建物は江戸時代末期の慶応年間に建て替えられたもので、先人の知恵による厚い白壁が、以来長きにわたり蔵人たちの仕事を見守ってきました。
代表銘柄「鳳陽」の名は、唐の時代の故事「鳳鳴朝陽」に由来します。「鳳、朝陽に鳴く」と読むこの言葉は、天下泰平の瑞祥や優れた才能の形容とされてきました。中国では鳳凰が飛ぶと多くの鳥がこれに従うとされ、徳のある治世者のもとに賢臣が集まり国が栄えるさまにたとえられています。この故事にあやかり、家運の隆盛を願って「鳳陽」と名付けられたと伝えられています。
内ヶ崎酒造店は平成13年(2001年)から海外輸出に取り組み始めました。平成21年(2009年)にはインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門で純米大吟醸鳳陽が金賞とあわせて宮城トロフィーを受賞し、その2年後の平成23年(2011年)には、英国王室御用達の実績を持つ老舗ワイン商ベリー・ブラザーズ&ラッドが初めて取り扱う3種類の日本酒の一つとして「特別純米酒 鳳陽 源氏」が選ばれました。
全国新酒鑑評会では昭和59年(1984年)以降、令和8年発表分までに通算23回の金賞を受賞しています。中でも令和2酒造年度から令和5酒造年度にかけては、同社として初めてとなる4年連続の金賞受賞を達成しました。さらに令和4酒造年度には、宮城県が新たに育成した酒造好適米「吟のいろは」を100%使用した酒として史上初めて金賞を受賞するという快挙も成し遂げています。
現在は蔵元十六代目にあたる内ヶ崎啓氏が社長と杜氏を兼ねて酒造りを統括しています。東北大学農学部を卒業後、山形県の酒蔵で2年間修業を積み、平成31年(2019年)に杜氏に就任しました。令和3酒造年度には宮城県産の酒造好適米「蔵の華」を使用した酒として史上初の全国新酒鑑評会金賞を受賞しており、翌年度の「吟のいろは」使用酒での史上初の金賞とあわせ、2年続けて宮城県産米を使った酒で高い評価を得ています。
酒造りの特徴
酒造りでは厳冬期の自然な寒さを生かした寒仕込みを行い、伝統に裏付けられた南部杜氏の手造りの技を受け継いでいます。蒸米には鋳物づくりの和釜を用いており、朝に火を入れると夕方まで温かさが続くほど保温性が高いことで知られています。少量生産にこだわり、味わいを重視した「地の味」として評価される酒質を追求する一方、近年は蔵元杜氏のもとで搾りの体制を見直し、全量をステンレス製の槽で搾るようになったほか、醪を入れる袋を冷蔵保管して衛生管理を徹底し、温度調整のできるサーマルタンクや新しい濾過フィルターも導入しています。
鑑評会に出品する酒には、醪を布袋に入れて吊るし、圧力をかけずに滴り落ちる雫だけを集める「雫取り」の手法も用いています。
原料米には、山田錦や美山錦に加えて、宮城県産の酒造好適米「蔵の華」や「吟のいろは」を積極的に取り入れています。富谷市のまちづくりグループ「四季学校」らが育てた地元産の「まなむすめ」を使った純米酒「蓑かくし」も手がけており、この酒は令和5年に第25回宮城県清酒鑑評会の県産米純米酒の部で宮城県知事賞を受賞しました。平成21年(2009年)にも、純米大吟醸鳳陽(蔵の華使用)が同鑑評会の純米吟醸酒の部で宮城県知事賞を受けています。
国内の鑑評会では、仙台国税局主催の東北清酒鑑評会で令和2年に吟醸酒の部の最優秀賞に次ぐ評価員特別賞を受賞したほか、令和3年から令和6年にかけて吟醸酒の部・純米酒の部で優等賞を重ねています。南部杜氏自醸清酒鑑評会でも、令和5年(2023年)に吟醸酒の部で優等賞と9位入賞、令和3年(2021年)に純米酒の部で優等賞と5位入賞、平成30年(2018年)に吟醸酒の部で優等賞と5位入賞、平成26年(2014年)に吟醸酒の部で優等賞と7位入賞を果たすなど、南部杜氏の技を裏付ける成績を重ねています。
フランスの日本酒コンクール「Kura Master」では令和2年・4年・5年・6年・7年に純米大吟醸酒部門で金賞を受賞し、令和8年には一段上のプラチナ賞を受賞しました。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026」では、純米酒鳳陽がメイン部門1500で最高金賞を、純米吟醸酒鳳陽がメイン部門2000で金賞をそれぞれ受賞しています。
インターナショナル・ワイン・チャレンジでは令和6年(2024年)に純米大吟醸鳳陽(蔵の華使用)がSAKE部門でGoldを受賞し、これは平成21年(2009年)の金賞・宮城トロフィー受賞に続く2度目のゴールドとなりました。海外で最も歴史の長い日本酒品評会である全米日本酒歓評会では、令和元年(2019年)に大吟醸B部門で「蔵の華」を使用した純米大吟醸鳳陽が金賞とあわせて次点にあたる準グランプリを受賞し、令和4年には歴代の受賞実績を数値化して最も高い蔵に贈られる「エメラルド賞」(1蔵1回限り)を受賞しています。
インターナショナル・サケ・チャレンジでも、平成22年(2010年)の大吟醸鳳陽山田錦、平成29年(2017年)の大吟醸鳳陽山田錦と純米大吟醸鳳陽、令和4年(2022年)の純米大吟醸鳳陽、令和6年(2024年)の純米大吟醸鳳陽だるまと、これまでに5回の金賞を受賞しています。全国燗酒コンテストでも、平成24年の極上燗酒部門を皮切りに、平成27年・29年、令和元年・3年のお値打ちぬる燗部門で純米酒鳳陽が、平成30年には同部門で甘口純米酒鳳陽甘彩が、それぞれ金賞を受賞しました。
代表銘柄
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鳳陽
内ヶ崎酒造店の看板銘柄で、唐の故事「鳳鳴朝陽」にちなみ家運の隆盛を願って名付けられました。山田錦を使う大吟醸から、宮城県産の蔵の華・吟のいろはを生かした純米大吟醸、普段使いの純米酒まで幅広い酒質を擁しています。全国新酒鑑評会で通算23回の金賞を受賞したほか、インターナショナル・ワイン・チャレンジやKura Masterなど海外のコンクールでも高い評価を得ています。
楽天で商品を見るみちのく鬼ころし
「鬼をも殺すくらい辛い」という語源を持ちながら、スッキリとして飲み飽きしない旨みのある超辛口に仕上げられた本醸造酒です。精米歩合67%、アルコール分16度、日本酒度は+10です。常温はもちろん、冷やすとキレの良さが増し、燗にするとまろやかさが増すなど、飲む温度帯によって味わいの変化を楽しめます。
見学・購入
- 蔵見学
- あり(要事前確認)
- 直売所
- 仙台の藤崎百貨店、エスパル仙台店内の藤原屋みちのく酒紀行、東京池袋の宮城ふるさとプラザなどで取り扱われているほか、蔵元直営の通販サイトでも購入できます。
- 補足
- 蔵見学は例年6月から8月にかけて、第2・第4の土曜日曜祝日を除く日に事前予約制で受け付けています。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 宮城県富谷市富谷新町27
- 創業
- 1661年
- 公式サイト
- uchigasaki.com
出典
japansake.or.jp / uchigasaki.com / miyagisake.jp / meimonshu.jp / shun-gate.com / sakenoshizuku.com / nrib.go.jp / sakeappraisal.org / nihonshu.com / nta.go.jp
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