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野村醸造

代表銘柄:紬美人

茨城県

IBARAKI

1897年創業

1897年(明治30年)創業。茨城県常総市にて、地元名産の「結城紬」にちなむ清酒「紬美人」を醸す酒蔵です。筑波山系の湧水(岩内湧水)と地元の契約農家が育てる山田錦などの酒米を用い、和釜による蒸し作業や低温発酵といった手法で酒造りを行っています。商品には、生酛づくりを木桶で発酵させた「純米生酛木桶仕込み」もあります。絹のようになめらかな口当たりと、ふくよかな米の旨みが特徴です。2015年の豪雨水害で蔵が冠水する大きな被害を受けましたが、多くの支援を得て復興を果たしました。

近年は酒蔵に隣接する直営フレンチレストランの運営や食品加工など多角的な事業も展開しています。また、海外からの評価も高く、フランスの日本酒コンテスト「Kura Master 2017」において「紬美人グラン純米吟醸」が純米部門のプラチナ賞を受賞したほか、全国新酒鑑評会でも金賞などの受賞歴があります。

野村醸造の歩み

野村醸造は、1897年(明治30年)に創業した酒蔵です。創業の地は現在の常総市本石下にあたり、筑波山を背に、東を小貝川、西を鬼怒川に挟まれた土地にあります。このあたりは千年前から結城紬の産地として知られ、銘柄の「紬美人」はその紬にちなんで名づけられました。1954年(昭和29年)に野村醸造株式会社へ改組し、2025年時点の代表取締役は野村一夫さんです。

酒造りで培った材料や技術を生かして、食品づくりにも広げてきました。1995年(平成7年)に奈良漬の本格的な生産販売を始め、2000年にわさび漬、2005年に揚げおかきを加えました。2006年にはジャムの生産販売を始め、果実醸造酢をつくる食品工場を完成させ、リキュールの製造免許も取得しています。これらの食品は、無添加・手づくりを基本に主に茨城県産の食材を使う「百味工房 つむぎ野」のブランドで展開しています。

2011年の東日本大震災では蔵の一部が損壊し、2015年9月の関東・東北豪雨では鬼怒川の洪水で蔵が冠水する大きな被害を受けました。地域の人々や県内外の酒蔵、全国から集まったボランティアの支えで出荷を再開し、その後も酒造りを続け、2024年にはKura Masterで金賞を受けています。2017年11月には、蔵に隣接する築100年の店舗兼住宅だったけやき造りの古民家を改装し、直営のカジュアルフレンチレストラン「BRASSERIE JOZO(ブラスリージョゾ)」を開きました。

料理に出す水には日本酒の仕込み水を使い、茨城県産の食材とつむぎ野の商品を生かしたフランス家庭料理を出しています。

全国新酒鑑評会では、平成11酒造年度以降で16回入賞しており、そのうち金賞は平成11・13・15・17・19・26酒造年度の6回です。平成11〜17酒造年度は7年続けて入賞し、その間の4回が金賞でした。ほかに平成21・22・24・25酒造年度と令和元・2・4酒造年度にも入賞しています(令和元酒造年度は金賞の選定がなかった年です)。関東信越国税局の酒類鑑評会では、第73回に受賞し、第78回は常温審査の部で受賞、第79回と第85回は吟醸酒の部で優秀賞を受けています。

海外にも目を向け、輸出も視野に入れた「紬美人グラン」シリーズを開発しました。デザインは筑波大学の大学院生が手がけたもので、結城紬の織り柄を図案化し、漢字になじみのない海外の人にも覚えやすい姿にしています。フランスの日本酒コンクール「Kura Master」では、紬美人グラン純米吟醸が2017年に純米部門でプラチナ賞、2022年に純米酒部門でプラチナ賞、2021年と2024年に同部門で金賞を受賞しました。紬美人 純米大吟醸も、2019年に純米大吟醸酒部門で金賞、2023年に同部門でプラチナ賞を受けています。

酒造りの特徴

原料米には、地元の契約農家が育てる山田錦をはじめ、雄町、五百万石などを使います。仕込み水は、筑波山の軟水である岩内湧水です。米は長い時間水に浸したあと、昔ながらの和釜で蒸し上げています。

麹づくりに力を入れており、麹室の温度管理には、茨城県の醸造試験場でデータを集めて蔵が開発した温度管理ソフトを使っています(2021年時点)。発酵は低温で進め、もろみの温度は最高でも15度以下に抑えます。そのために発酵タンクごとに冷水を回す設備を備え、約200ある検査項目をひとつずつ確かめながら造ります。

造りは少数精鋭で行います。岩手県の南部杜氏である梅澤努さんが長く杜氏を務め、2004年時点では有泉副杜氏とともに造りの中心を担っていました。2021年時点でもごく少人数で、年間約200石を醸していました。仕込みは通常、11月上旬から翌年3月にかけて行っていました。

商品は、大吟醸、純米大吟醸、純米吟醸、特別純米のほか、自然界の乳酸菌を取り込む山廃仕込みや、生酛づくりを木桶で発酵させた「純米生酛木桶仕込み」(生酒)など、意欲的な造りにも取り組んでいます。グラン純米吟醸は、茨城県産の山田錦と茨城県で開発された酵母で醸す純米吟醸で、山田錦100%を精米歩合55%まで磨き、アルコール分は15.3%です。

代表銘柄

紬美人

結城紬の産地・石下にちなんで名づけられた野村醸造の銘柄です。絹のようになめらかな口当たりと、米の旨みとふくらみのある味わいが持ち味で、大吟醸から純米吟醸、山廃、生酛の木桶仕込みまで幅広く醸します。輸出も視野に入れたグランシリーズは、結城紬の織り柄を図案化したデザインが特徴で、グラン純米吟醸はKura Masterでプラチナ賞を2度受けています。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
蔵に隣接する直営レストラン「BRASSERIE JOZO」の店内ショップで、紬美人の各種や梅酒、百味工房 つむぎ野の商品、JOZOのスイーツなどを購入できます(2025年時点)。
補足
見学は事前の電話予約制で、2025年時点では随時受け付けていました。2024年時点では受付は8時から17時で、定休日は日曜・祝祭日・正月・お盆でした。毎年11月から2月には、あうたび主催の日帰りツアーで日本酒の仕込み作業を体験でき、南部杜氏の指導のもとで作業したあと、直営レストランで紬美人の飲み比べと昼食を楽しめました(2025年時点)。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
茨城県常総市本石下2052
創業
1897年
公式サイト
www.tsumugibijin.co.jp

出典

ibarakiguide.jp / tsumugibijin.co.jp / pref.ibaraki.jp / sakagura-press.com / note.jp / kotobank.jp / web.archive.org / nrib.go.jp / nta.go.jp / kuramaster.com / sakemeguri.com / joso-city.note.jp

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