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華泉酒造

代表銘柄:奏・華泉・㐂津禰

島根県

SHIMANE

1730年創業

華泉酒造の建物
華泉酒造の建物(2017年撮影)「Kasen Brewery in Tsuwano, Kanoashi, Shimane 1.jpg」 — 写真:そらみみ / CC BY-SA 4.0縮小・WebP変換

江戸中期の1730(享保15)年、津和野で米問屋を商っていた初代・俵屋長七により創業された、津和野で最も歴史ある酒蔵です。代表銘柄には社名を冠した「華泉」のほか、純米吟醸「奏(そう)」などを展開しています。

仕込み水には秀峰・青野山の伏流水を使用し、原料米には酒米の最高峰とされる兵庫県産「山田錦」や地元津和野産の「佐香錦」、島根県開発の「縁の舞」などを採用しています。機械に頼り切らず、人の手を使った昔ながらの伝統手法を大切にしており、辛口でありながら芳醇な味わいを持つ日本酒を追求し続けています。

また、地元の太皷谷稲成神社にちなみ「きつねに化かされるような美味しいお酒」をコンセプトにした新ブランド「㐂津禰(きつね)」を展開するなど、創業以来受け継がれてきた技術を守りながら現代に合わせた挑戦も行っています。

華泉酒造の歩み

華泉酒造は、江戸中期の1730年(享保15年)、徳川吉宗が将軍を務めていた時代に創業した津和野の酒蔵で、津和野町の酒蔵の中で最も長い歴史を持ちます。津和野で米問屋を営んでいた初代・俵屋長七が酒造業を始めました。蔵と店は津和野駅から徒歩5分ほどの町なかにあり、日本五大稲荷の一つ太皷谷稲成神社へ続く石畳の参道沿いで、古い建物が目を引きます。酒は津和野町後田ロ221の蔵で、合資会社石州酒造の名義で造られ、販売は華泉酒造合資会社が担っています。

2025年時点では、11代目の潮春光さんが杜氏として酒造りを担っています。27歳から杜氏の修業を重ねてきました。かつては仕込みの時期に出稼ぎの人に来てもらっていましたが、人手が少なくなったため、自ら杜氏として造るようになりました。創業以来、地元の人に愛される酒造りを続け、辛口でありながら芳醇な、日本酒本来の味わいを追い求めています。

販売の面では、2016年3月に通信販売を始めました。2017年3月19日には津和野町の3つの蔵元が集まる酒蔵開きに参加し、新酒の振る舞いと、新酒しぼりたて3種の発売を行いました。2022年には、津和野の太皷谷稲成神社にちなんだ新ブランド「㐂津禰(きつね)」が発表されました。白狐と紅狐は、西中国信用金庫が島根県信用保証協会や津和野商工会と連携して支援した商品開発から生まれました。のちに黒狐と金狐も加わり、大吟醸の酒粕を使った甘酒も人気です。

2026年6月20日には、東京の津和野町東京事務所で開かれた「津和野の振る舞い酒」に、古橋酒造、財間酒場とともに参加しています。

全国新酒鑑評会では、平成9酒造年度以降で7回入賞しています。平成9・10酒造年度は魁龍で、平成22・26・30酒造年度と令和3・5酒造年度は華泉での入賞です。広島国税局清酒鑑評会では、平成29年に「香りを主たる特徴とする清酒」部門で大吟醸酒の華泉が優等賞を受けました。平成30年は燗酒部門で純米酒の津和野盛、令和4年は吟醸酒部門で大吟醸酒の華泉、令和6年は吟醸酒部門で大吟醸酒の華泉のしずく、純米酒部門で純米大吟醸の㐂津禰黒狐が、それぞれ優等賞を受けています。

このほか、蔵の発表では、大吟醸華泉が石見新酒品評会で平成17年度、18年度、22年度、23年度に最優秀賞を受けています。2026年の夏には、津和野の夏の風物詩である鷺舞をラベルにあしらった「夏もうで酒2026」を発売しました。6月30日に地元の弥栄神社の輪くぐり祭で奉納する酒として売り出されています。

酒造りの特徴

仕込み水には、津和野の秀峰・青野山の伏流水を使います。仕込みの時期は11月後半から3月です。米は、兵庫県産の山田錦、津和野産の佐香錦、島根県が15年かけて開発した島根オリジナルの酒米・縁の舞を、銘柄ごとに使い分けています。たとえば大吟醸華泉は山田錦と佐香錦のブレンド、純米大吟醸の黒狐は津和野産の佐香錦100%、純米吟醸の白狐は縁の舞100%です。

設備は年季の入ったものが中心で、作業はほぼ手作業で進めます。最初の仕事は、2,000リットル入る大きな和釜での蒸米づくりで、釜は地下から火を入れる仕組みです。蒸した米は麹室に入れて麹菌を振り、麹をつくります。そこから酒母をつくり、酒母に麹、蒸米、水を加えて二十日ほどかけて発酵させたものがもろみです。これを搾って酒と酒粕に分け、こうした工程の加減で、さまざまな種類の酒をつくり分けています。

酵母や麹にも工夫があります。白狐は、島根大学で開発された島根県固有の酵母HA11で仕込んだ純米吟醸です。紅狐は、麹の造り方や配合を変えて米の風味と旨みを引き出した純米酒で、燗にすると米の香りが立ちます。金狐は、春に火入れした純米原酒を秋まで熟成させるひやおろしです。2026年の夏酒は、3種類の酵母でできた酒をブレンドしています。毎年最初の仕込みでつくる蔵出し一番生にごり酒は、粕を多く含ませたとろりとした甘口で、12月下旬に発売され、春まで数量限定で販売されます。

蔵出し原酒は、津和野で昔から「男酒」と呼ばれてきた華泉の看板酒です。加水を最小限にとどめ、アルコール度数は通常より4度ほど高い19度台です。甘酒には、自社の大吟醸の酒粕だけを使い、レトルトパウチで加熱殺菌しています。年4回、季節の酒を届ける定期便「華の会」もあり、春には新酒の大吟醸搾りたてが必ず入ります。

代表銘柄

奏

奏は純米吟醸の銘柄で、精米歩合は50%、アルコール分は15度、原材料は国産米と国産米麹です。仕込み水には青野山の伏流水を使います。蔵の通信販売では、720mlの大吟醸華泉と奏を1本ずつ詰めた2本入りの「大吟醸&奏セット」として扱っており、贈答用にも選べます。

華泉

華泉は蔵の名を冠した主力ブランドです。大吟醸は兵庫県産山田錦と津和野産の佐香錦をブレンドし、精米歩合40%、日本酒度+4、アルコール分16度に仕上げます。全国新酒鑑評会には平成22酒造年度と26酒造年度に入賞しました。上撰華泉は、蔵では創業以来地元津和野で最も飲み続けられてきた代表酒と位置づけ、太皷谷稲成神社の御神酒にも用いられています。ぬる燗が特におすすめです。

㐂津禰

㐂津禰(きつね)は、津和野の太皷谷稲成神社にちなむ新ブランドです。純米大吟醸の黒狐は津和野産の佐香錦100%を40%まで磨き、純米吟醸の白狐は縁の舞100%、純米酒の紅狐は佐香錦100%、秋のひやおろし金狐は縁の舞を使います。蔵は、きつねに化かされるような美味しいお酒をコンセプトに掲げています。令和6年の広島国税局清酒鑑評会では黒狐が優等賞に選ばれました。

津和野盛

津和野盛は、華泉と並んで蔵がつくる純米系の銘柄です。純米酒の津和野盛は佐香錦を70%まで磨き、アルコール分15度、日本酒度+3.0で、燗にも冷やにも向きます。特別純米の津和野盛は、島根県産の縁の舞100%で、アルコール分15度、日本酒度+3.5です。平成30年の広島国税局清酒鑑評会では、燗酒部門で純米酒の津和野盛が優等賞に選ばれました。

見学・購入

蔵見学
あり(要事前確認)
直売所
華泉酒造の店舗(島根県鹿足郡津和野町後田ロ221、津和野駅から徒歩5分)。営業時間は9:00から18:00で、無休です。通信販売もあります。
補足
蔵見学を希望する場合は事前の予約が必要です。

見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。

蔵の基本情報

所在地
島根県鹿足郡津和野町後田ロ221
創業
1730年
公式サイト
kasen1730.ocnk.net

出典

sake-times.com / shimane-f-buyers.jp / sipory.jp / kankou-shimane.com / sakeworld.jp / na-na.media / monogatari-sake.com / kasen1730.ocnk.net / gendai.media / tsuwano-kanko.net / wasyu-treca.jp / shimane-sake.or.jp / shinkin.co.jp / city.bunkyo.lg.jp / nrib.go.jp / nta.go.jp / furusato-tax.jp

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