李白酒造
代表銘柄:李白
島根県
SHIMANE
1882年創業
1882年(明治15年)に島根県松江市で創業した酒蔵です。代表銘柄の「李白」は、地元松江出身の元内閣総理大臣・若槻礼次郎氏が、酒を愛した中国唐代の詩人「李白」にちなんで命名したもので、ラベルの文字も若槻氏の揮毫に基づきます。出雲神話に由来する伝統の酒造りと出雲杜氏の技を継承し、地元奥出雲産の五百万石や神の舞を中心に兵庫県産山田錦も用い、全商品で酒造好適米のみを使用するなど原料に強くこだわっています。食事を引き立てるバランスの良い「食中酒」を目指しており、芳醇でまろやかな旨味と切れの良さが特徴です。
また地酒の海外展開にもいち早く取り組み、1980年代から輸出を開始し現在も世界各国で親しまれています。全国新酒鑑評会での金賞受賞(2000年、2003年、2004年など)の実績があるほか、花酵母を用いた酒造りなど新たな挑戦も重ねています。
李白酒造の歩み
李白酒造は、明治15年(1882年)に田中竹次郎が現在の松江市石橋町にあたる地で個人創業した酒蔵です。松江は出雲神話の酒造りの伝統が語られる土地で、松平氏の城下町として栄えた水郷の街です。蔵は創業当時から敷地内の井戸水を仕込み水に使っており、草創期は近所の人が徳利を持って量り売りを買いに来るほどの小さな商いだったと、現当主は語っています。
昭和2年に田中芳信が代表に就任し、翌昭和3年(1928年)に、松江市出身で2度にわたり内閣総理大臣を務めた若槻礼次郎から「李白」の酒名を受けました。酒を愛して数多くの詩を残した唐代の詩人、李白にちなんだ命名です。若槻は詩を愛し、とりわけ郷里の李白を愛飲し、ロンドン軍縮会議に首席全権として臨んだ際にも李白の菰樽を携え、朝夕に味わいました。いまもラベルに使われる「李白」の文字は、若槻の揮毫を写したものです。
昭和25年に法人組織に改組して田中酒造有限会社となり、吹野一郎が社長に就きました。昭和62年に田中征二郎が代表取締役社長に就任し、平成5年(1993年)に商号を酒名と同じ李白酒造有限会社に改めました。平成22年からは田中裕一郎が社長を務めています。「酒文化を普及し正しく後世に継承する」を経営理念に掲げ、国の「地域未来牽引企業」にも選ばれています。
海外への展開は早く、1980年代から日本酒の輸出に取り組んできました。2026年10月時点の主な海外販売先は、香港、アメリカ、シンガポール、韓国、ドイツ、スイス、ブラジル、フランスなどです。純米吟醸 WANDERING POET は、2021年時点でアメリカ、フランス、シンガポール、韓国、スペイン、ドイツ、オーストラリアなど15か国で飲まれていました。
全国新酒鑑評会では、蔵の公表(旧公式サイト)では、昭和57年(1982年)から平成12年(2000年)までの開催年に金賞を8回受けています(1982・1984・1987・1988・1990・1991・1996・2000年)。1999年の鑑評会では入賞でした。酒造年度で数えると、平成14酒造年度以降に10回入賞し、うち金賞は平成14酒造年度、平成15酒造年度、平成23酒造年度、平成29酒造年度、平成30酒造年度の5回です。平成29・30酒造年度は2年続けての金賞でした。
平成21酒造年度、平成28酒造年度、令和元酒造年度、令和3酒造年度、令和6酒造年度は入賞で、令和元酒造年度はこの年度に金賞の選定がありませんでした。中国地方5県を対象とする広島国税局清酒鑑評会でも受賞しています。平成16年に吟醸酒の部で入賞し、平成17年は吟醸酒の部、平成18年は純米酒の部、平成19年は純米酒の部と本醸造酒の部、平成22年は吟醸酒の部、平成23年は純米酒の部(燗)で優等賞でした。
平成24年は「香りを主たる特徴とする清酒」部門の大吟醸酒と燗酒部門の特別純米酒、平成25年は「味を主たる特徴とする清酒」部門の純米吟醸 超特撰と燗酒部門の特別純米酒で優等賞です。令和元年は燗酒部門で純米吟醸 生酛仕込 こだわり、令和3年は純米酒部門で純米大吟醸、令和5年と令和6年は燗酒部門で本醸造 李白一盃が優等賞に選ばれました。令和7年には純米酒部門で純米大吟醸 月下独酌、燗酒部門で純米酒が優等賞となっています。
酒造りの特徴
目指す酒質は、味があって旨味があり、キレの良い食中酒です。食事の邪魔をせず、気づけば杯が進むような酒を理想としています。原料米にはこだわりがあり、清酒の全商品で酒造好適米だけを使います。米は農産物検査法で合格と格付けされた国産の玄米に限り、生産者と流通経路が分かる玄米だけを買い入れ、破砕米は使いません。地元の奥出雲地方の五百万石や神の舞を中心に、兵庫県産の山田錦も用い、購入した玄米のほとんどを自社で精米しています。
仕込み水は、蔵の敷地内の井戸から汲み上げる石橋の名水です。島根の名水百選に数えられる石橋の大井戸を含む、複数の水源を使っています。酒造りは手作業が主体で、出雲杜氏の技を受け継ぎ、社員が担っています。2024年時点では、季節雇用の職人が高齢となって徐々に引退したため、社員だけで酒造りをする体制になっています。洗米や製麹の温度管理には蓄積したデータを生かし、重要な工程では手作業の技を磨くという考え方で、経験と新しい技術を組み合わせています。出身地を問わず、酒造りを志す意欲ある人を登用する方針です。
新しい取り組みとして、東京農業大学短期大学部醸造学科酒類学研究室の中田久保教授が自然界から分離した花酵母を使った酒造りに取り組んでいます。2021年時点では、ツルバラの酵母を使った純米吟醸 雄町、ベゴニアの酵母を使った特別純米酒 超辛口、島根県の花であるボタンの酵母を使ったスパークリングの「華露 CARO」を造っていました。
製造品目は清酒のほか、純米仕込みの本みりんや本格焼酎です。出雲神話の八岐大蛇退治にちなむ「やまたのおろち」シリーズは、特に辛口に仕上げた特別純米で、純米吟醸 WANDERING POET は山田錦を55%まで磨いた蔵を代表する一本です。WANDERING POET は放浪詩人を意味し、旅の詩人とも呼ばれる李白を連想させる名前として、海外の人にも覚えてもらいやすいよう付けられました。
代表銘柄
[PR] 本セクションは楽天アフィリエイトのリンクを含みます。画像は銘柄に関連する販売商品の一例です。
李白
酒名と同じ蔵の看板銘柄です。大吟醸 月下獨酌は山田錦を38%まで磨き、低温で長期発酵させた鑑評会出品クラスの酒質です。純米吟醸 WANDERING POET は山田錦55%、日本酒度+3で、世界各国で飲まれています。辛口のやまたのおろちは五百万石58%で日本酒度+7、超辛口は+13です。生酛仕込の純米吟醸 こだわりは、令和元年の広島国税局清酒鑑評会燗酒部門で優等賞を受けました。
楽天で商品を見る見学・購入
- 蔵見学
- なし
- 直売所
- 蔵に併設された試飲・販売コーナーがあります。営業時間は平日8:30〜18:00、土日祝10:00〜17:00で、休みは1月1日から3日だけですが、臨時休業の場合があります。無料で試飲でき、駐車場があります。
- 補足
- 酒蔵の内部見学は行っていません。蔵開きがあり、2025年は4月12日、2026年は4月11日(いずれも土曜)に開かれました。入場は無料です。蔵開きでは酒粕の詰め放題や蔵開き限定酒の販売、落語などが催されます。11月には蔵の中で落語と酒を楽しむ「李白ほろ酔い寄席」があり、第22回は2025年11月8日、第23回は2026年11月14日に開催予定です。要予約で、駐車場はありません。
見学・販売の情報は変わることがあります。訪問前に公式サイト等でご確認ください。
蔵の基本情報
- 所在地
- 島根県松江市石橋町335番地
- 創業
- 1882年
- 公式サイト
- rihaku.co.jp
出典
matsue-isc.net / sanin.jp / japansake.or.jp / shimane-sake.or.jp / ginjyoshu.jp / maff.go.jp / nihonmono.jp / rihaku.co.jp / nta.go.jp / nrib.go.jp / tanoshiiosake.jp / furusato-matsue.com / kankou-matsue.jp / shinise.tv
本ページは自動収集した情報を編集したものです。公開資料に基づく記事で、現地取材・実飲による評価ではありません。内容に関するご指摘はお問い合わせへお寄せください。